ブログの第1話が、こういった題材になるとは思っていなかったのだが、政治カテゴリーにエントリーしていることを考えると時事問題を扱うのは至極当然のことなので、ここ数週間、疑問に感じていたことにこういう理解もあるのかと思ったので、記すことにした。
さて、下のグラフは、2月上旬から7月20日までの新型コロナ感染者及び死者の棒グラフである。典拠は、NHKの特設サイト「新型コロナウィルス」である。
この二つのグラフを冒頭に紹介したのは、他でもない、死者数が激減していることを読者諸兄に知っていただきたいためである。6月に入って以降、1日の死者数が5人を超えることはなかった。(6月19日は19人だが、埼玉県が死者の統計ミスでまとめて計上したので、この数字になっている。統計学上、こういった数字は無視できる)
5月1日がピークで31名。7月に入ってからは、1日に最大で2名、ゼロの日もある。7月1日から20日までの累計の死者数は、14名。7月に入ってから感染者は増加しているにも関わらず、死者は激減している。何故なのか?
そこで、ネットでいろいろ検索した結果、「プレジデントオンライン」に興味ある記事があった。それが、 “現役医師の提言「日本のコロナウィルスは終わった。さあ旅に出よう」”である。重要な部分を紹介する。
①中国周辺のアジア諸国の被害が少ない。
②約半数の人が季節性コロナウィルスの免疫で新型コロナウィルスにも対応できる
③アジア諸国で変異を続けていた季節性コロナウィルスが新型コロナウィルスのワクチンの働きをしていた可能性が高い。
④死亡者の増加がなければ恐れることはない。
⑤発症を自覚せず人知れず治る人から感染する可能性は低い。
⑥日本人の多くは、②で示す免疫を獲得している。
というものだ。如何であろう。この論文の執筆者は、大和田潔医師とある。秋葉原クリニック院長である。詳細は、プレジデントオンライン6月11日の記事を参照されたい。
https://president.jp/articles/-/36152?page=1
もう1件興味深い記事を見つけた。
Kodansha Bluebacks 5月8日の記事で、“「進化の法則」で新型コロナウイルスが弱毒化する可能性”である。著者は、分子古生物学者 更科功氏である。結論部分のみ。 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72379
毒性の弱いウィルスは、感染した人を殺さないし、もし殺すとしても長い時間がかかる。そのため、人から人へ感染するペースが遅くてもその系統はなかなか途絶えない。つまり感染するペースを遅くすればするほど、毒性の強いウィルスの系統は途絶えやすくなり、実際に1~2年で弱毒化した例もある。感染拡大を防ぐ対策は、ウィルスを弱毒化して、死亡者を減らす効果がある。
というものだ。
大和田論文の核心は、2点。
1点目。日本人は、既に免疫を獲得していた可能性が高い。
2点目。死亡者の増加がなければ恐れることはない。
そして、更科論文の核心は、
感染するペースを遅くすればするほど、毒性の強いウィルスの系統は途絶えやすい。
である。
この二つの論文の結論を用いて、グラフ1と2を敷衍すれば、次のような結論となろう。
5月2日の31名の死者をピークとして、6月中旬までに強毒性の系統は途絶えた可能性が高い。
死亡者の増加がなければ恐れることはない。
ただし、この論証が正しいかどうか、小生は保証しない。
補足
更科論文を見つけて掲載したのには、理由がある。今は亡き、軍事スリラー小説の第一人者、トム・クランシー作「レインボーシックス」である。この小説の中で、テロリストが、生物兵器を使って人類を絶滅させようとし、人体実験をした。それが、更科論文の考え方と同じだったのだ。小説では、エボラウィルスだったのだが、何世代迄強毒性が継続するのか?つまり弱毒化するのはどのくらいの期間になるのか?を実験したのである。
綿密な取材と緻密なストーリー展開を得意とするクランシーなので、印象に残っていたのだ。
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