戦車も火砲も鉄道貨物が必要だ! 自衛隊が国交省へ「直訴」に至ったウクライナ情勢と国内事情 2022.07.22 乗り物ニュース
乗り物ニュースに面白い記事を見つけました。
国交省の「鉄道物流のあり方検討会」で、防衛省は安全保障に対する鉄道貨物の重要性を猛烈にアピール。資料にも表れているその「熱量の高さ」は、衰退傾向にある鉄道の現状への危機感が感じられます。
詳細は記事をご覧ください。鉄道輸送は、車両や航空機による輸送に比べると、大量の物資を短時間で輸送できる優れものです。これは、陸上自衛隊では常識的なものです。
何故かと言えば、海空自と異なり、基本陸上を移動するのが陸上自衛隊であり、移動するのは人員・装備です。この移動が陸自にとってはいつも大問題になるのです。
戦後日本はソ連の脅威を前に、北方重視態勢をとっていました。そのため陸自の主力は北海道に配置されていたのです。当然、北海道での作戦を前提としていたので、部隊の作戦の基盤となる兵站組織と部隊及び物資も北海道を重点に整備されました。たとえば、弾薬です。
しかし、戦略環境の変化により、自衛隊は南西方面を重視するようになっています。では、北海道の脅威は去ったのでしょうか?簡単に言えば、脅威は低下していると思います。当時北海道には1個機甲師団と3個師団が配置されていました。現在は、1個機甲師団、1個師団、2個旅団に削減されています。その分を南西方面に振り向けているということです。

しかし、部隊は削減されましたが、兵站物資はそのまま移転されていないようです。酒楽も現在進行形での情報は持ち合わせていないので詳細な説明は省略させていただきます。
削減されたとはいえ、北海道の部隊は今でも重要な戦力です。南西正面で事態が進行するならば、北海道から南西正面に大規模な部隊移動が必要です。そのための手段の一つが鉄道なわけです。
航空機の輸送能力は限られています。海自の輸送能力も限られ、かといって民間船舶は危険が伴うのでなかなか採用できません。残された手段は、車両を使った陸路輸送と、鉄道です。
陸路を大部隊が移動すれば、主要幹線道路は大渋滞が発生し、物流は深刻な影響を受けるでしょう。もちろん陸自の移動も大幅に制約を受けます。その時に活躍するのが鉄道輸送なのです。鉄道輸送は、東日本大震災のときも大活躍しました。東北の太平洋岸は港湾が被害を受けたため、車両と鉄道輸送に依存した期間が長かったのです。鉄道輸送は、偉大です。何十両もの車列と同じ物量を1回で運べますし、基本渋滞なしで運べるので、時間が短縮できるのです。
陸自の部隊と兵站物資の輸送のため、鉄道輸送は今でも有効な手段なのです。陸自がそれに対し、声を大にして主張するのは当然なのです。国交省さんよろしくお願いします。
さて、鉄道輸送と言えば、日露戦争におけるシベリア鉄道と、第1次隊大戦の東部戦線、タンネンベルクの戦いが有名です。いずれも、鉄道輸送が戦局に大きな影響を及ぼしました。
タンネンベルクの戦いでは、ドイツのヒンデンブルクが見事な采配を見せ、ロシア軍をせん滅しています。
タンネンベルクの戦い (1914年)
表題は、人口に膾炙していますので、ご存知の方が多いと思います。古代ローマは、ロジスティクス(兵站)で勝つ、と言われました。現代では、米国が代表的な国です。戦いの先の先まで読んで、事前に十分な兵站を準備するのが米国です。
先端戦力を維持するための兵站、これが最終的に勝敗を決する決め手になることが多いのです。陸上自衛隊は、この兵站に問題を抱えています。速やかに予算の配分が必要です。そして、大部隊の転用、それを支える物資輸送のために、鉄道輸送は重要な手段なのです。国交省は、鉄道輸送が、国家の重要なインフラであることを十分考慮していただきたいと思うものです。
乗り物ニュースに面白い記事を見つけました。
国交省の「鉄道物流のあり方検討会」で、防衛省は安全保障に対する鉄道貨物の重要性を猛烈にアピール。資料にも表れているその「熱量の高さ」は、衰退傾向にある鉄道の現状への危機感が感じられます。
詳細は記事をご覧ください。鉄道輸送は、車両や航空機による輸送に比べると、大量の物資を短時間で輸送できる優れものです。これは、陸上自衛隊では常識的なものです。
何故かと言えば、海空自と異なり、基本陸上を移動するのが陸上自衛隊であり、移動するのは人員・装備です。この移動が陸自にとってはいつも大問題になるのです。
戦後日本はソ連の脅威を前に、北方重視態勢をとっていました。そのため陸自の主力は北海道に配置されていたのです。当然、北海道での作戦を前提としていたので、部隊の作戦の基盤となる兵站組織と部隊及び物資も北海道を重点に整備されました。たとえば、弾薬です。
しかし、戦略環境の変化により、自衛隊は南西方面を重視するようになっています。では、北海道の脅威は去ったのでしょうか?簡単に言えば、脅威は低下していると思います。当時北海道には1個機甲師団と3個師団が配置されていました。現在は、1個機甲師団、1個師団、2個旅団に削減されています。その分を南西方面に振り向けているということです。

しかし、部隊は削減されましたが、兵站物資はそのまま移転されていないようです。酒楽も現在進行形での情報は持ち合わせていないので詳細な説明は省略させていただきます。
削減されたとはいえ、北海道の部隊は今でも重要な戦力です。南西正面で事態が進行するならば、北海道から南西正面に大規模な部隊移動が必要です。そのための手段の一つが鉄道なわけです。
航空機の輸送能力は限られています。海自の輸送能力も限られ、かといって民間船舶は危険が伴うのでなかなか採用できません。残された手段は、車両を使った陸路輸送と、鉄道です。
陸路を大部隊が移動すれば、主要幹線道路は大渋滞が発生し、物流は深刻な影響を受けるでしょう。もちろん陸自の移動も大幅に制約を受けます。その時に活躍するのが鉄道輸送なのです。鉄道輸送は、東日本大震災のときも大活躍しました。東北の太平洋岸は港湾が被害を受けたため、車両と鉄道輸送に依存した期間が長かったのです。鉄道輸送は、偉大です。何十両もの車列と同じ物量を1回で運べますし、基本渋滞なしで運べるので、時間が短縮できるのです。
陸自の部隊と兵站物資の輸送のため、鉄道輸送は今でも有効な手段なのです。陸自がそれに対し、声を大にして主張するのは当然なのです。国交省さんよろしくお願いします。
さて、鉄道輸送と言えば、日露戦争におけるシベリア鉄道と、第1次隊大戦の東部戦線、タンネンベルクの戦いが有名です。いずれも、鉄道輸送が戦局に大きな影響を及ぼしました。
タンネンベルクの戦いでは、ドイツのヒンデンブルクが見事な采配を見せ、ロシア軍をせん滅しています。
タンネンベルクの戦い (1914年)
表題は、人口に膾炙していますので、ご存知の方が多いと思います。古代ローマは、ロジスティクス(兵站)で勝つ、と言われました。現代では、米国が代表的な国です。戦いの先の先まで読んで、事前に十分な兵站を準備するのが米国です。
先端戦力を維持するための兵站、これが最終的に勝敗を決する決め手になることが多いのです。陸上自衛隊は、この兵站に問題を抱えています。速やかに予算の配分が必要です。そして、大部隊の転用、それを支える物資輸送のために、鉄道輸送は重要な手段なのです。国交省は、鉄道輸送が、国家の重要なインフラであることを十分考慮していただきたいと思うものです。
ご清聴ありがとうございました。ポチッとしていただけると励みになります。フォローバナーもよろしくお願いします。

政治ランキング

にほんブログ村
- 関連記事
-
-
閣議に透けて見える本質 2022/08/19
-
立民は執行部を刷新すべき 2022/08/18
-
国民は中国忖度内閣を支持しない 2022/08/18
-
靖国神社 気迫が足りない政府 2022/08/17
-
素人は戦術を語りプロは兵站を語る 2022/08/16
-
敗戦の日に思う 千玄室 2022/08/15
-
新内閣への感想 2022/08/13
-
防衛費増額阻止内閣 2022/08/12
-
場合によっては岸田政権を更迭せよ 2022/08/10
-
スポンサーサイト