8月2日付、産経新聞の1面に「国守るタブーなき安保戦略」と題する記事が掲載されました。記事を書いたのは前統合幕僚長 河野克俊氏です。有料記事なので、部分的に抜粋しながらコメントしたいと思います。
統幕長になってからは、週に一度は自衛隊の動きを直接報告するようになった。それまで制服組が官邸に頻繁に出入りする光景などあり得なかった。日本でシビリアンコントロール(文民統制)とは、自衛隊を政治に近づけないことだと考えられていた。ある新聞社からは「政治と自衛隊の距離が近くなった」と批判を浴びた。でも安倍さんは逆で、真のシビリアンコントロールには政治の正しい関与が絶対に必要だと考えていた。
正解です。軍は政治の道具だからです。シビリアンのトップは、軍を理解し、軍事情勢を理解し、軍をコントロールして、政治的目的を達成することが求められているからです。これがシビリアンコントロールの本質です。
戦争は一つの政治的行為である。戦争は他の手段をもってする政治の継続にすぎない。
クラウゼヴィッツの名言です。だから政治家は、軍事に戦争に精通していなければならないのです。政治のトップが軍事を忌避し、軍事から遠いところにいれば、その国は亡びるでしょう。
何度か言及していますが、米国の大統領以下、政府高官は、定期的に危機管理のためのMM(指揮所演習)を行っています。なぜなら大統領が軍事に疎ければ、適切な判断ができないからです。軍事力をどのように行使すれば、最も効果の高い政治目的を達成できるのか、これが政治のトップに求められる職責だからです。
そのためには。国を取り巻く安全保障環境を正確に認識し、自国と同盟国、仮想敵国の軍事力を正確に理解している必要があります。自国の軍隊がどこに展開し、どのような行動をしているのかも理解しなければなりません。
防衛省内の慰霊碑
米国大統領は、想定していない事態が起こった時の第一声は決まっています。「最寄りの空母は?」これです。
それだけ空母(打撃群)の持つ軍事力は圧倒的なのであり、政治目的を達成しようとする米国大統領の政治力の裏付けなのです。
米国大統領は、世界最強の軍隊を率いていますが、どの国の政治トップも同じです。軍を理解しない、軍を遠ざけている政治トップなど存在しないのです。安倍さんが登場するまでの日本国の政治の在り方の方がおかしかったのです。
大日本帝国の歴代宰相は、軍事に理解がありました。そもそも武士が政治を担っていたのですから当然です。ただし、統帥権干犯問題を発端として、帝国陸海軍が政治を壟断して以降の大日本帝国の政治と軍事のあり方は褒められたものではありませんでしたが。
安倍さんの考え方は素直です。政治と軍事のあり方をストレートに言うとこうなるのです。安倍さんは、政治の天才だった、というのが酒楽の主張です。
大きな理想をいだきながらそこに近づくためには徹底した現実主義を貫く。安倍さんはそんな稀な政治家だった。例えば、憲法9条への自衛隊明記を掲げたが、本心は軍隊としての確たる地位を確立させたかったはずだ。集団的自衛権の“限定的行使”しかり、慰安婦問題をめぐる日韓合意しかり。ある意味で妥協だが、状況を一歩でも理想に近づけるにはどうすればよいか考え、決断していた。
ここが安倍さんの偉大なところであり、政治的天才の所以です。酒楽は政治家ではないので、いつも勝手に過激な主張をしておりますが、現実の政治に相対する政治家はそれでは務まりません。だから安倍さんは偉大だったのです。
安倍さんは「核共有」の議論さえ否定しなかった。日本の国民、国土を守るためには、もはやタブーはないとの覚悟の表れだったと思う。安倍さんのようなリーダーを失ったことは痛手だ。岸田文雄首相には、是非現実を見据えた冷静な議論と果断な意思決定をお願いしたい。(利き手 石鍋圭)
無理でしょうね。岸田さんには、国家安全保障という概念がありません。自衛隊が我が国の安全を保障しているという現実を認識していません。考えているのは外交だけ。話になりませんね。今も昔も砲艦外交というのが現実なのに、砲艦を忘れて外交だけを考えているのが岸田さんです。力の裏付けのない外交など屁のツッパリにもなりません。誰か教えてやれ!
写真は、防衛省内にある慰霊碑です。先日訪問した折に撮影したものです。ここでは、年に一度殉職者のために慰霊が行われます。酒楽は、防衛省を訪れると、ときどきこの慰霊碑の前に行き、殉職者に対し、お祈りを致します。国のために命を捧げた殉職者に対し、感謝を申し上げながら。
統幕長になってからは、週に一度は自衛隊の動きを直接報告するようになった。それまで制服組が官邸に頻繁に出入りする光景などあり得なかった。日本でシビリアンコントロール(文民統制)とは、自衛隊を政治に近づけないことだと考えられていた。ある新聞社からは「政治と自衛隊の距離が近くなった」と批判を浴びた。でも安倍さんは逆で、真のシビリアンコントロールには政治の正しい関与が絶対に必要だと考えていた。
正解です。軍は政治の道具だからです。シビリアンのトップは、軍を理解し、軍事情勢を理解し、軍をコントロールして、政治的目的を達成することが求められているからです。これがシビリアンコントロールの本質です。
戦争は一つの政治的行為である。戦争は他の手段をもってする政治の継続にすぎない。
クラウゼヴィッツの名言です。だから政治家は、軍事に戦争に精通していなければならないのです。政治のトップが軍事を忌避し、軍事から遠いところにいれば、その国は亡びるでしょう。
何度か言及していますが、米国の大統領以下、政府高官は、定期的に危機管理のためのMM(指揮所演習)を行っています。なぜなら大統領が軍事に疎ければ、適切な判断ができないからです。軍事力をどのように行使すれば、最も効果の高い政治目的を達成できるのか、これが政治のトップに求められる職責だからです。
そのためには。国を取り巻く安全保障環境を正確に認識し、自国と同盟国、仮想敵国の軍事力を正確に理解している必要があります。自国の軍隊がどこに展開し、どのような行動をしているのかも理解しなければなりません。

米国大統領は、想定していない事態が起こった時の第一声は決まっています。「最寄りの空母は?」これです。
それだけ空母(打撃群)の持つ軍事力は圧倒的なのであり、政治目的を達成しようとする米国大統領の政治力の裏付けなのです。
米国大統領は、世界最強の軍隊を率いていますが、どの国の政治トップも同じです。軍を理解しない、軍を遠ざけている政治トップなど存在しないのです。安倍さんが登場するまでの日本国の政治の在り方の方がおかしかったのです。
大日本帝国の歴代宰相は、軍事に理解がありました。そもそも武士が政治を担っていたのですから当然です。ただし、統帥権干犯問題を発端として、帝国陸海軍が政治を壟断して以降の大日本帝国の政治と軍事のあり方は褒められたものではありませんでしたが。
安倍さんの考え方は素直です。政治と軍事のあり方をストレートに言うとこうなるのです。安倍さんは、政治の天才だった、というのが酒楽の主張です。
大きな理想をいだきながらそこに近づくためには徹底した現実主義を貫く。安倍さんはそんな稀な政治家だった。例えば、憲法9条への自衛隊明記を掲げたが、本心は軍隊としての確たる地位を確立させたかったはずだ。集団的自衛権の“限定的行使”しかり、慰安婦問題をめぐる日韓合意しかり。ある意味で妥協だが、状況を一歩でも理想に近づけるにはどうすればよいか考え、決断していた。
ここが安倍さんの偉大なところであり、政治的天才の所以です。酒楽は政治家ではないので、いつも勝手に過激な主張をしておりますが、現実の政治に相対する政治家はそれでは務まりません。だから安倍さんは偉大だったのです。
安倍さんは「核共有」の議論さえ否定しなかった。日本の国民、国土を守るためには、もはやタブーはないとの覚悟の表れだったと思う。安倍さんのようなリーダーを失ったことは痛手だ。岸田文雄首相には、是非現実を見据えた冷静な議論と果断な意思決定をお願いしたい。(利き手 石鍋圭)
無理でしょうね。岸田さんには、国家安全保障という概念がありません。自衛隊が我が国の安全を保障しているという現実を認識していません。考えているのは外交だけ。話になりませんね。今も昔も砲艦外交というのが現実なのに、砲艦を忘れて外交だけを考えているのが岸田さんです。力の裏付けのない外交など屁のツッパリにもなりません。誰か教えてやれ!
写真は、防衛省内にある慰霊碑です。先日訪問した折に撮影したものです。ここでは、年に一度殉職者のために慰霊が行われます。酒楽は、防衛省を訪れると、ときどきこの慰霊碑の前に行き、殉職者に対し、お祈りを致します。国のために命を捧げた殉職者に対し、感謝を申し上げながら。
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