プーチン露大統領、露軍部隊のヘルソン撤退を許可せず=米紙 24.09.2022 ウクライナのマルチメディア報道プラットフォーム
ニューヨークタイムズの記事を引用したかったのですが、有料記事だったので、ヒットしたウクライナのメディアから記事を引用しました。
なかなか興味深い記事です。これはですね、ヒトラーがドイツ軍の作戦に容喙した故事とそっくりですね。
ドイツとソ連の戦争、通称独ソ戦がヒトラードイツの滅亡を早めたわけですが、早めた原因の一つが、軍の戦略、作戦にヒトラーが口を出したことです。
シビリアンコントロールの考え方からすれば、それは一見正しいことのように思えます。大略としては正しいと思います。しかし、国家の指導者は通常シビリアンであり、軍人ではありません。政治のプロである政治家は、軍事のプロではありません。
逆に軍事のプロである軍人は、軍事に関してはプロですが、政治に関してはプロではありません。ここにどうしても埋められない壁があるのです。
成功した例としては、ヒトラーの別の敵、米国ルーズベルト大統領、英国チャーチル首相でしょうか。この二人は、大所高所から戦争を指導しましたが、軍の戦略、作戦にはほとんど口を差しはさんではいません。軍人の説明を根気よく聞き、その目的、成果、可能性についてよく理解していたと思います。
そして、彼らをサポートした参謀総長が優秀だったのです。シビリアンが軍の戦略、作戦に口を出していいことは殆どありません。ですが独裁国家では、往々にして独裁者が軍事に口を出して失敗しています。
ヒトラーは、独ソ戦におけるスターリングラード攻防戦に口を出し、大失敗を犯しました。それは、スターリングラード攻防戦が、ソ連の優位に変わりつつあるとき、中央軍集団司令官マンシュタイン将軍がドイツ第6軍の後退をヒトラーに進言しましたが、ヒトラーはこれを拒否し、戦線を維持するよう命じました。結果、第6軍は包囲され、敵中に孤立、結果として全滅しました。
独ソ戦におけるクルスクの戦いについても、ヒトラーは作戦に口を出しました。マンシュタイン将軍は、速やかな攻撃を主張したのですが、ヒトラーは新戦車タイガーに期待を込め、タイガーが戦場に到着するまで、戦端を開くことを禁じたのです。結局、戦機を逸し、クルスクの戦いはソ連軍の勝利に終わり、以後ドイツは戦勢を逆転することはできず、敗戦に至ることになったのです。
これと同じことをプーチンが行っているようです。ウクライナのヘルソンから撤退するべく軍が進言したようですが、プーチンはこれを拒否、戦線を維持するよう命じたようです。 結果、ロシア軍は大きな損失を蒙り、装備を捨てて敗走したのです。
ウクライナ軍、東部・南部の複数州で新たに集落奪還…ロシア軍は西部軍管区の司令官交代2022/10/04 読売新聞オンライン
プーチンは西部軍管区の司令官を交代させたようです。もはやロシアは末期症状ですね。作戦の責任を取らされ、司令官を交代させるのは当然ですが、それをするのは参謀総長なり、派遣されている軍司令官の役目です。プーチンが直接軍管区司令官クラスの人事に容喙し始めれば、軍の崩壊は避けられないと思います。プーチンにそのような意識はないでしょうが、国家指導者が前線指揮官を更迭するということは、軍を委縮させ、思い通りの作戦を行うことはできなくなるのです。
電撃戦の創始者ハインツ・グデーリアンはバルバロッサ作戦でその有効性を証明し、戦争の中期から参謀総長に就任しました。しかし、度重なるヒトラーの介入によって思い通りに作戦を指導することができず、ボロボロになって敗戦を迎えることになったのです。
軍事の素人である政治指導者が軍事に介入するとこうなるのです。ではヒトラーの介入がなければドイツは勝利したのか?といえばそうではないでしょう。しかし、ドイツ軍の敗北はさらに先に延ばされ、ドイツの運命もまた違ったものになった可能性はあると思います。
軍人が政治に口を出してはならないように、政治は不必要に軍事に口を出してはならないのです。独裁者ほど軍事に口を出すのです。それが亡国の行為だと知らずに。ロシアの未来は暗いでしょう。
ニューヨークタイムズの記事を引用したかったのですが、有料記事だったので、ヒットしたウクライナのメディアから記事を引用しました。
なかなか興味深い記事です。これはですね、ヒトラーがドイツ軍の作戦に容喙した故事とそっくりですね。
ドイツとソ連の戦争、通称独ソ戦がヒトラードイツの滅亡を早めたわけですが、早めた原因の一つが、軍の戦略、作戦にヒトラーが口を出したことです。
シビリアンコントロールの考え方からすれば、それは一見正しいことのように思えます。大略としては正しいと思います。しかし、国家の指導者は通常シビリアンであり、軍人ではありません。政治のプロである政治家は、軍事のプロではありません。
逆に軍事のプロである軍人は、軍事に関してはプロですが、政治に関してはプロではありません。ここにどうしても埋められない壁があるのです。
成功した例としては、ヒトラーの別の敵、米国ルーズベルト大統領、英国チャーチル首相でしょうか。この二人は、大所高所から戦争を指導しましたが、軍の戦略、作戦にはほとんど口を差しはさんではいません。軍人の説明を根気よく聞き、その目的、成果、可能性についてよく理解していたと思います。
そして、彼らをサポートした参謀総長が優秀だったのです。シビリアンが軍の戦略、作戦に口を出していいことは殆どありません。ですが独裁国家では、往々にして独裁者が軍事に口を出して失敗しています。
ヒトラーは、独ソ戦におけるスターリングラード攻防戦に口を出し、大失敗を犯しました。それは、スターリングラード攻防戦が、ソ連の優位に変わりつつあるとき、中央軍集団司令官マンシュタイン将軍がドイツ第6軍の後退をヒトラーに進言しましたが、ヒトラーはこれを拒否し、戦線を維持するよう命じました。結果、第6軍は包囲され、敵中に孤立、結果として全滅しました。
独ソ戦におけるクルスクの戦いについても、ヒトラーは作戦に口を出しました。マンシュタイン将軍は、速やかな攻撃を主張したのですが、ヒトラーは新戦車タイガーに期待を込め、タイガーが戦場に到着するまで、戦端を開くことを禁じたのです。結局、戦機を逸し、クルスクの戦いはソ連軍の勝利に終わり、以後ドイツは戦勢を逆転することはできず、敗戦に至ることになったのです。
これと同じことをプーチンが行っているようです。ウクライナのヘルソンから撤退するべく軍が進言したようですが、プーチンはこれを拒否、戦線を維持するよう命じたようです。 結果、ロシア軍は大きな損失を蒙り、装備を捨てて敗走したのです。
ウクライナ軍、東部・南部の複数州で新たに集落奪還…ロシア軍は西部軍管区の司令官交代2022/10/04 読売新聞オンライン
プーチンは西部軍管区の司令官を交代させたようです。もはやロシアは末期症状ですね。作戦の責任を取らされ、司令官を交代させるのは当然ですが、それをするのは参謀総長なり、派遣されている軍司令官の役目です。プーチンが直接軍管区司令官クラスの人事に容喙し始めれば、軍の崩壊は避けられないと思います。プーチンにそのような意識はないでしょうが、国家指導者が前線指揮官を更迭するということは、軍を委縮させ、思い通りの作戦を行うことはできなくなるのです。
電撃戦の創始者ハインツ・グデーリアンはバルバロッサ作戦でその有効性を証明し、戦争の中期から参謀総長に就任しました。しかし、度重なるヒトラーの介入によって思い通りに作戦を指導することができず、ボロボロになって敗戦を迎えることになったのです。
軍事の素人である政治指導者が軍事に介入するとこうなるのです。ではヒトラーの介入がなければドイツは勝利したのか?といえばそうではないでしょう。しかし、ドイツ軍の敗北はさらに先に延ばされ、ドイツの運命もまた違ったものになった可能性はあると思います。
軍人が政治に口を出してはならないように、政治は不必要に軍事に口を出してはならないのです。独裁者ほど軍事に口を出すのです。それが亡国の行為だと知らずに。ロシアの未来は暗いでしょう。
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