米のINF全廃条約破棄で沈む中国 2018/11/13 産経ニュース
エスパー米国防長官、中距離ミサイルのアジア配備に前向き 2019年8月5日 ロイター
米国による中距離ミサイルの日本配備に中国国防部がコメント人民網日本語版 2022年07月29日
酒楽は、米国とロシアの間で結ばれていたINF全廃条約の行方を継続的に追ってきました。何故かというと、我が国の安全保障に直結する重大問題だからです。
そもそもINF全廃条約は、アメリカ合衆国とソ連との間で結ばれた条約です。それは、アメリカのパーシングⅡ中距離弾道弾の欧州配備に伴うものです。アメリカが欧州にパーシングⅡを配備したのは、その前にソ連が欧州向けに中距離弾道弾SS-20を配備したことが発端でした。
当時も米国は、欧州諸国(NATO加盟国)に拡大抑止(核の傘)を提供していました。しかし、ソ連のSS-20は、中距離弾道弾です。アメリカには届きません。これに欧州諸国は動揺したのです。何故なら、アメリカに届かない中距離弾道弾で核威嚇されたら、米国は、核ミサイルによる報復攻撃をしないかもしれないと疑念を抱いたのです。
それはそうでしょう。戦略核兵器は、米ソ双方を狙っているので、撃たれたら撃ち返すというのがセオリーです。米ソが双方を狙うことを前提としているためです。しかし、INFは違います。ソ連がSS-20を発射したとき、それは米国には届きません。方向も違います。米国に向いていない、届かないミサイルに対し、米国は危険を冒して報復攻撃をするだろうか、と考えるのは理解できます。これが欧州の疑念だったわけであり、ソ連はそれを狙ってSS-20を配備したわけです。
そのため米国は、欧州にパーシングⅡを配備し、発射ボタンを押す権限の一部を配備国に委ねたのです。これで困ったのはソ連です。SS-20を発射すれば、欧州は、配備されたパーシングⅡで報復してくるでしょう。被害を受けるのは、ソ連と欧州諸国で、米国は無傷です。これは割に合いません。ソ連は、SS-20の撤去と引き換えにパーシングⅡの撤去を米国に呼び掛け、成立したのがINF全廃条約です。
冷戦たけなわの頃、このINF全廃条約は、核兵器の抑止力、拡大抑止の考え方を知る格好の教科書でした。酒楽は、その経過を現役時代に見て知っています。だから、中距離弾道弾は極めて有効な抑止力なのです。
現在、戦略3文書「国家安全保障戦略(国家安保戦略)」「防衛計画の大綱(防衛大綱)」「中期防衛力整備計画(中期防)」の改正に向けて、自公両党による改定作業が進められています。この結果は、次年度以降の防衛費の内容に直接影響します。
国家安全保障戦略(概要) 内閣官房 令和4年10月19日引用
戦後一貫して平和国家としての道を歩み、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してきた。
内閣官房から国家安全保障戦略(概要)を引用しました。そこには、重要なことが記述されています。専守防衛と非核三原則です。この二つは、日本滅亡の政策とも言うべき歴史に残る悪政の典型です。
専守防衛は、せめて「戦略守勢」の概念に変更するべきです。自ら他国を攻撃しないと。しかし、他国が我が国を攻撃する蓋然性が高い場合は、相応の対応をする、ことを明記すべきです。他国からの先制攻撃を受けた場合に致命的な損害を被る可能性があるからです。座して死を待つべきだとは思われない、と鳩山一郎元首相が述べたように、専守防衛は、座して死を待つ政策の典型なのですから、速攻廃止すべきです。
次に非核三原則を修正し、米国製中距離弾道弾の配備を容認すべきです。配備は、我が国の抑止力を劇的に向上させるでしょう。3つ目に引用した記事にあるように、人民解放軍はヒステリックな反応を示しています。それは、米国製中距離弾道弾の配備が中国に対し、極めて有効な抑止力になることを示しているからです。
米国製中距離弾道弾の配備は、北朝鮮による拉致被害者の解放に直結するでしょう。昨日も申した通りです。米国製中距離弾道弾の配備後、金正恩に対する斬首作戦を行えば、北朝鮮は、拉致被害者解放のテーブルに着かざるを得ません。着かなければ、斬首作戦は継続され、いずれ命を落とすことになるでしょう。我が国に対して核ミサイルを発射すれば、我が国による中距離弾道弾の報復攻撃を受けて、北朝鮮は滅亡します。席に着かざるを得ず、拉致被害者は解放されることになるでしょう。
これでご理解いただけたと思います。昨日「拉致被害者救出作戦」では触れなかった基礎的条件を今回説明させていただきました。
荒唐無稽な話ではないことを証明するため、ロイターによるエスパー国防長官の発言を2番目の記事として引用しました。
INF全廃条約に降れた産経の記事は2018年11月。エスパー国防長官による中距離弾道弾のアジア配備の記事が2019年8月。人民網のヒステリックな反応記事が本年7月です。全ては一貫した背景に基づく記事になります。
そもそも戦略3文書の改定に公明党を参加せることが間違いです。早速「必要最小限」と釘を刺しています。防衛力は相手がいるのですから、我が国を守るために必要な防衛力とすべきです。必要最小限にして喜ぶのは我が国の敵だからです!
エスパー米国防長官、中距離ミサイルのアジア配備に前向き 2019年8月5日 ロイター
米国による中距離ミサイルの日本配備に中国国防部がコメント人民網日本語版 2022年07月29日
酒楽は、米国とロシアの間で結ばれていたINF全廃条約の行方を継続的に追ってきました。何故かというと、我が国の安全保障に直結する重大問題だからです。
そもそもINF全廃条約は、アメリカ合衆国とソ連との間で結ばれた条約です。それは、アメリカのパーシングⅡ中距離弾道弾の欧州配備に伴うものです。アメリカが欧州にパーシングⅡを配備したのは、その前にソ連が欧州向けに中距離弾道弾SS-20を配備したことが発端でした。
当時も米国は、欧州諸国(NATO加盟国)に拡大抑止(核の傘)を提供していました。しかし、ソ連のSS-20は、中距離弾道弾です。アメリカには届きません。これに欧州諸国は動揺したのです。何故なら、アメリカに届かない中距離弾道弾で核威嚇されたら、米国は、核ミサイルによる報復攻撃をしないかもしれないと疑念を抱いたのです。
それはそうでしょう。戦略核兵器は、米ソ双方を狙っているので、撃たれたら撃ち返すというのがセオリーです。米ソが双方を狙うことを前提としているためです。しかし、INFは違います。ソ連がSS-20を発射したとき、それは米国には届きません。方向も違います。米国に向いていない、届かないミサイルに対し、米国は危険を冒して報復攻撃をするだろうか、と考えるのは理解できます。これが欧州の疑念だったわけであり、ソ連はそれを狙ってSS-20を配備したわけです。
そのため米国は、欧州にパーシングⅡを配備し、発射ボタンを押す権限の一部を配備国に委ねたのです。これで困ったのはソ連です。SS-20を発射すれば、欧州は、配備されたパーシングⅡで報復してくるでしょう。被害を受けるのは、ソ連と欧州諸国で、米国は無傷です。これは割に合いません。ソ連は、SS-20の撤去と引き換えにパーシングⅡの撤去を米国に呼び掛け、成立したのがINF全廃条約です。
冷戦たけなわの頃、このINF全廃条約は、核兵器の抑止力、拡大抑止の考え方を知る格好の教科書でした。酒楽は、その経過を現役時代に見て知っています。だから、中距離弾道弾は極めて有効な抑止力なのです。
現在、戦略3文書「国家安全保障戦略(国家安保戦略)」「防衛計画の大綱(防衛大綱)」「中期防衛力整備計画(中期防)」の改正に向けて、自公両党による改定作業が進められています。この結果は、次年度以降の防衛費の内容に直接影響します。
国家安全保障戦略(概要) 内閣官房 令和4年10月19日引用
戦後一貫して平和国家としての道を歩み、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してきた。
内閣官房から国家安全保障戦略(概要)を引用しました。そこには、重要なことが記述されています。専守防衛と非核三原則です。この二つは、日本滅亡の政策とも言うべき歴史に残る悪政の典型です。
専守防衛は、せめて「戦略守勢」の概念に変更するべきです。自ら他国を攻撃しないと。しかし、他国が我が国を攻撃する蓋然性が高い場合は、相応の対応をする、ことを明記すべきです。他国からの先制攻撃を受けた場合に致命的な損害を被る可能性があるからです。座して死を待つべきだとは思われない、と鳩山一郎元首相が述べたように、専守防衛は、座して死を待つ政策の典型なのですから、速攻廃止すべきです。
次に非核三原則を修正し、米国製中距離弾道弾の配備を容認すべきです。配備は、我が国の抑止力を劇的に向上させるでしょう。3つ目に引用した記事にあるように、人民解放軍はヒステリックな反応を示しています。それは、米国製中距離弾道弾の配備が中国に対し、極めて有効な抑止力になることを示しているからです。
米国製中距離弾道弾の配備は、北朝鮮による拉致被害者の解放に直結するでしょう。昨日も申した通りです。米国製中距離弾道弾の配備後、金正恩に対する斬首作戦を行えば、北朝鮮は、拉致被害者解放のテーブルに着かざるを得ません。着かなければ、斬首作戦は継続され、いずれ命を落とすことになるでしょう。我が国に対して核ミサイルを発射すれば、我が国による中距離弾道弾の報復攻撃を受けて、北朝鮮は滅亡します。席に着かざるを得ず、拉致被害者は解放されることになるでしょう。
これでご理解いただけたと思います。昨日「拉致被害者救出作戦」では触れなかった基礎的条件を今回説明させていただきました。
荒唐無稽な話ではないことを証明するため、ロイターによるエスパー国防長官の発言を2番目の記事として引用しました。
INF全廃条約に降れた産経の記事は2018年11月。エスパー国防長官による中距離弾道弾のアジア配備の記事が2019年8月。人民網のヒステリックな反応記事が本年7月です。全ては一貫した背景に基づく記事になります。
そもそも戦略3文書の改定に公明党を参加せることが間違いです。早速「必要最小限」と釘を刺しています。防衛力は相手がいるのですから、我が国を守るために必要な防衛力とすべきです。必要最小限にして喜ぶのは我が国の敵だからです!
ご清聴ありがとうございました。ぽちっとしていただけると励みになります。フォローバナーもよろしくお願いします。

政治ランキング

にほんブログ村
- 関連記事
-
-
日本は台湾防衛に関与するのか? 2023/01/13
-
B21はゲームチェンジャーになるのか 2023/01/09
-
サイバー戦士は高給兵器だ 2022/11/12
-
韓国軍を笑えない自衛隊の悲惨 2022/10/25
-
米国製中距離弾道弾の配備が最善の政策 2022/10/20
-
核共有が有効な理由 2022/09/19
-
核拡散こそ核廃絶への道 2022/08/30
-
兵站は国防の要 2022/08/16
-
中国空母は張子の虎か? 2022/08/12
-
スポンサーサイト