日本はサイバー攻撃に対してあまりに無能…ここまで後れを取った決定的な理由2022.11.05 現代ビジネス
「日本が本格的サイバー防衛に対して無能であり続けるのには理由がある」とする兼原氏は、先のコラムでこう書いている。
(1)不正アクセス防止法、不正指令電磁的記録罪の要件を改正して自衛隊への適用除外を認めるべきである
(2)縦割り行政の弊害であるインテリジェンスや治安、防衛に係わる省庁と通常のデータ通信に係わる省庁を統合して総合的なサイバーセキュリティ政策を打ち出す司令塔が必要である
(3)現在の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を発展解消して内閣に専属のサイバーセキュリティ局を置くべきである――。
現代ビジネスから、兼原氏の論考部分を引用しました。簡単に言うと、日本はサイバー戦で負け続けており、このままだと更に負け続けると。その理由を3点にまとめておられます。
この論考に異を唱えるつもりはありません。その通りだからです。しかし、かつて自衛官だった酒楽には、兼原氏とは異なる意見を持っています。それは、お金です。以下説明します。
サイバー戦のイメージは人それぞれだと思いますが、サイバー戦を戦うのは、サイバー戦士だということには同意していただけるでしょう。ではサイバー戦士とは何かといえば、ネットワークを理解する能力、プログラムを操る能力、ソフトウェアその他サイバー空間で戦うツールを縦横無尽に使いこなし、かつ、敵を正確に認識できる者、くらいでしょうか。
その他にもサイバー戦士を定義する概念はいくつもあると思いますが、決定的に重要なのは、サイバー空間では敵に負けない技術を有する者が勝つ、ということです。
兼原氏の論考は、法律、組織論的な問題に焦点を当てています。それはそれで当を得ていると思います。しかし、ここで言及されていないのは、戦う戦士についてです。戦争するのに組織論だけでは戦えないように、サイバー戦にも同じことが言えます。
優秀な戦士がいなければ、勝つことはできません。我が国に決定的にかけているのがこの戦士です。
ご承知と思いますが、ハローワークで人気の職種と言えば、SE(システムエンジニア)です。SEは各企業が挙って採用したい人材です。特に若いSEは引く手あまたです。当初、中小企業に就職した者でも、SEとして経験を積めば、雇ってくれる企業は枚挙に暇がありません。SEの需要は天井知らずと言っていいでしょう。酒楽の周りでも、転職する若者が後を絶ちません。
酒楽が現役のころ、自衛隊でも細々とではありますが、民間SEと同じような人材を計画的に育成していました。それは、現在も継続していると思います。しかし、優秀な人材ほど、退職していくのです。いや、転職してしまうのです。せっかく、海外の大学などに留学させ、能力を向上させ、これからというときに、転職するのです。
理由は簡単です。それらの人材は、企業が喉から手の出るほど必要な人材であり、民間企業はお金を積んで、彼らを引き抜くからです。
国家公務員にもいろいろな職務がありますが、SEは特殊な人材を必要としているのです。しかし、民間企業も同じように彼らを必要しているのです。そして、官は、民間企業に人材引き抜き合戦で常に負け続けているのです。理由は簡単。給与の差です。どんなに個人に国家に対する忠誠心を求めても、最終的にお金の力にはかないません。酒楽はそれを目の前で何度も目にしました。その度に無力感に苛まれたものです。
サイバー戦で勝利するためには、お金が必要なのです。本質的なことを言えば、サイバー戦士たるSEは、兵器と同じです。最強の兵器を調達したければ、それなりの対価を支払う必要があるのです。対価を惜しめば、待っているのは敗北です。あたら優秀で有能な人材を失わないように、相応の対価をもって遇する必要があるということです。
国家公務員としての枠をはみ出る?実績がない?前例がない?局長や次官よりも高い給料を出すわけにはいかない?いろいろ理由はあるでしょう。しかし、それはSEを人として見るからそうなのであって、彼らを兵器として見ればそうではないでしょう。高性能兵器にそれなりのお金を払って買うのは当然でしょ?だから、けちらず大枚をはたいて彼らを雇うべきなのです。国家中枢がダウンしてからでは遅いですよww
発想の転換が必要だということです。サイバー戦士とは、サイバー兵器だと定義すれば、高性能兵器に投資しない我が国のサイバー戦がお寒い限りだということがご理解いただけるかと思います。各企業が能力の高いSEを高給で雇うのは、企業の論理では当然なのです。競争に勝つために。我が国は、戦争に勝つために、民間企業では払えないような高給で彼らを雇うべきなのです。最高性能の兵器が高いのは当たり前ですよね?
ただし、高性能兵器が所望の性能を発揮しなければ、さっさと廃棄しなければなりません。そして高性能とは言え、人間ですから、セキュリティに万全を期するのは当然です。
「日本が本格的サイバー防衛に対して無能であり続けるのには理由がある」とする兼原氏は、先のコラムでこう書いている。
(1)不正アクセス防止法、不正指令電磁的記録罪の要件を改正して自衛隊への適用除外を認めるべきである
(2)縦割り行政の弊害であるインテリジェンスや治安、防衛に係わる省庁と通常のデータ通信に係わる省庁を統合して総合的なサイバーセキュリティ政策を打ち出す司令塔が必要である
(3)現在の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を発展解消して内閣に専属のサイバーセキュリティ局を置くべきである――。
現代ビジネスから、兼原氏の論考部分を引用しました。簡単に言うと、日本はサイバー戦で負け続けており、このままだと更に負け続けると。その理由を3点にまとめておられます。
この論考に異を唱えるつもりはありません。その通りだからです。しかし、かつて自衛官だった酒楽には、兼原氏とは異なる意見を持っています。それは、お金です。以下説明します。
サイバー戦のイメージは人それぞれだと思いますが、サイバー戦を戦うのは、サイバー戦士だということには同意していただけるでしょう。ではサイバー戦士とは何かといえば、ネットワークを理解する能力、プログラムを操る能力、ソフトウェアその他サイバー空間で戦うツールを縦横無尽に使いこなし、かつ、敵を正確に認識できる者、くらいでしょうか。
その他にもサイバー戦士を定義する概念はいくつもあると思いますが、決定的に重要なのは、サイバー空間では敵に負けない技術を有する者が勝つ、ということです。
兼原氏の論考は、法律、組織論的な問題に焦点を当てています。それはそれで当を得ていると思います。しかし、ここで言及されていないのは、戦う戦士についてです。戦争するのに組織論だけでは戦えないように、サイバー戦にも同じことが言えます。
優秀な戦士がいなければ、勝つことはできません。我が国に決定的にかけているのがこの戦士です。
ご承知と思いますが、ハローワークで人気の職種と言えば、SE(システムエンジニア)です。SEは各企業が挙って採用したい人材です。特に若いSEは引く手あまたです。当初、中小企業に就職した者でも、SEとして経験を積めば、雇ってくれる企業は枚挙に暇がありません。SEの需要は天井知らずと言っていいでしょう。酒楽の周りでも、転職する若者が後を絶ちません。
酒楽が現役のころ、自衛隊でも細々とではありますが、民間SEと同じような人材を計画的に育成していました。それは、現在も継続していると思います。しかし、優秀な人材ほど、退職していくのです。いや、転職してしまうのです。せっかく、海外の大学などに留学させ、能力を向上させ、これからというときに、転職するのです。
理由は簡単です。それらの人材は、企業が喉から手の出るほど必要な人材であり、民間企業はお金を積んで、彼らを引き抜くからです。
国家公務員にもいろいろな職務がありますが、SEは特殊な人材を必要としているのです。しかし、民間企業も同じように彼らを必要しているのです。そして、官は、民間企業に人材引き抜き合戦で常に負け続けているのです。理由は簡単。給与の差です。どんなに個人に国家に対する忠誠心を求めても、最終的にお金の力にはかないません。酒楽はそれを目の前で何度も目にしました。その度に無力感に苛まれたものです。
サイバー戦で勝利するためには、お金が必要なのです。本質的なことを言えば、サイバー戦士たるSEは、兵器と同じです。最強の兵器を調達したければ、それなりの対価を支払う必要があるのです。対価を惜しめば、待っているのは敗北です。あたら優秀で有能な人材を失わないように、相応の対価をもって遇する必要があるということです。
国家公務員としての枠をはみ出る?実績がない?前例がない?局長や次官よりも高い給料を出すわけにはいかない?いろいろ理由はあるでしょう。しかし、それはSEを人として見るからそうなのであって、彼らを兵器として見ればそうではないでしょう。高性能兵器にそれなりのお金を払って買うのは当然でしょ?だから、けちらず大枚をはたいて彼らを雇うべきなのです。国家中枢がダウンしてからでは遅いですよww
発想の転換が必要だということです。サイバー戦士とは、サイバー兵器だと定義すれば、高性能兵器に投資しない我が国のサイバー戦がお寒い限りだということがご理解いただけるかと思います。各企業が能力の高いSEを高給で雇うのは、企業の論理では当然なのです。競争に勝つために。我が国は、戦争に勝つために、民間企業では払えないような高給で彼らを雇うべきなのです。最高性能の兵器が高いのは当たり前ですよね?
ただし、高性能兵器が所望の性能を発揮しなければ、さっさと廃棄しなければなりません。そして高性能とは言え、人間ですから、セキュリティに万全を期するのは当然です。
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