護衛艦事故、問われる自衛隊の練度 2023/1/19 産経ニュース
自衛隊 訓練時間の確保が喫緊の課題だ 2023年01月11日 酒楽独語
拙稿は1月11日付の記事で訓練時間の確保が喫緊の課題だ、と主張しました。この記事では、主として陸上自衛隊を対象に論じたのですが、海上自衛隊は更に深刻なようです。
海自の護衛艦 山口県沖で航行不能に 岩に接触か 周囲に油漏れ 2023年1月10日 19時17分
現場は潮流が速く浅瀬が比較的多い海域。
海上保安庁によりますと、現場は山口県周防大島町の沖家室島の沖合です。
この海域は潮流が速く、浅瀬が比較的多いところで、付近には船舶に対し、岩礁や浅瀬などの障害物を知らせるための灯標が設置されていました。
また、護衛艦が乗り上げた現場は一般の船舶が航行する航路から南に2キロほど離れていたということです。
護衛艦のスクリューが海底の岩などに接触したとみられ、海上保安庁は巡視船艇を派遣し、原因を調べるとともに、周辺に漏れ出た少量の油を希釈する作業を行っているということです。
座礁した場所から北北東には海自の呉基地があります。その近くには、江田島があって海上自衛隊幹部候補生学校があります。つまり、海上自衛隊の幹部にとっては、自分たちの「庭」でしょうね。慣れ親しんだ海域の筈です。
しかしその慣れ親しんだ海域で座礁したということは、いなづまの艦長以下、航法に関わる幹部の練度が低下しているとしか考えられません。当海域に浅瀬があって、危険だということを海自幹部なら常識的に知っている筈なのです。それでも座礁したということは、そういう常識を知らなかったか、護衛艦の自己位置を正確に把握していなかったかのいずれかでしょう。
いずれの場合も海自の教育訓練に問題があった可能性が高いですね。つまり、艦艇を運行するための最も基本的な訓練が十分ではなかったということです。海自は陸自と異なり、オペレーションが多いのが特徴です。オペレーションとは実任務のことです。例えば、尖閣周辺で中国艦の動向を監視し、不測の事態に備えるような任務を指します。
実任務なので、訓練は行えません。もちろん、護衛艦を運行しているのですから、経験値は上がるでしょう。しかし、実任務と訓練とでは目的が違うので、実任務で練度が向上するのは、あくまでも副次的な効果なのです。訓練では、護衛艦を操るために必要な基本的な行動を徹底的に反復演練しているものと思います。そういう訓練の先に精強な部隊が作り上げられるのです。各自衛隊に共通の認識でしょう。
今回の座礁事故は、海上自衛隊における訓練時間が不足している現実を示唆しています。これは、非常に大きな問題です。練度が維持できなければ、使い物にならないからです。
根本的な問題は、低充足と整備費の不足でしょう。隊員が不足していれば、訓練は縮小編成で行わざるを得ず、実員感覚が鈍ります。整備費の不足は、整備期間の長期化となり、直接訓練時間を削ります。これでは、練度の維持向上は困難です。
予算を増加するなら、この二つの問題を重点的に改善すべきと思料する次第です。
海上保安庁の艦艇が座礁したのも同じ文脈で理解できるのではないでしょうか。海保は、尖閣周辺で日常的にオペレーションを行っており、艦艇の不足を露呈すると同時に、金属疲労が積み重なり、艦艇の耐用年数を削っている可能性が高いですね。そして訓練も十分に行えていないのでしょう。
中国が恒常的に尖閣周辺に表れているのは、こういう形で海自、海保の疲労の蓄積、練度の低下を引き起こしているのです。全体的に勢力を拡充しなければ、根本的な解決は望めません。数量の不足を解決すべき時が来ていると思います。予算の増加は、待ったなしです。
海上自衛隊HPから引用
余談です。海自の制服はカッコいいですねー。陸に比較すると特に。これは夏制服です。ところで写っているのは防衛大臣政務官、小野田紀美氏です。昨年、公明党の推薦を断った硬骨漢です。やりましたねー。そしてカッコいい!背ーデカ!中々いいと思います。
話がずれました。制服はカッコイイ方がいいに決まっています。数年前、陸自の制服も変わったのですが、イマイチ。やっぱ海上自衛隊を希望すればよかったかなー。でも泳ぎが不得意だからなー。今頃言っても遅いんですけどね♪
自衛隊 訓練時間の確保が喫緊の課題だ 2023年01月11日 酒楽独語
拙稿は1月11日付の記事で訓練時間の確保が喫緊の課題だ、と主張しました。この記事では、主として陸上自衛隊を対象に論じたのですが、海上自衛隊は更に深刻なようです。
海自の護衛艦 山口県沖で航行不能に 岩に接触か 周囲に油漏れ 2023年1月10日 19時17分
現場は潮流が速く浅瀬が比較的多い海域。
海上保安庁によりますと、現場は山口県周防大島町の沖家室島の沖合です。
この海域は潮流が速く、浅瀬が比較的多いところで、付近には船舶に対し、岩礁や浅瀬などの障害物を知らせるための灯標が設置されていました。
また、護衛艦が乗り上げた現場は一般の船舶が航行する航路から南に2キロほど離れていたということです。
護衛艦のスクリューが海底の岩などに接触したとみられ、海上保安庁は巡視船艇を派遣し、原因を調べるとともに、周辺に漏れ出た少量の油を希釈する作業を行っているということです。
座礁した場所から北北東には海自の呉基地があります。その近くには、江田島があって海上自衛隊幹部候補生学校があります。つまり、海上自衛隊の幹部にとっては、自分たちの「庭」でしょうね。慣れ親しんだ海域の筈です。
しかしその慣れ親しんだ海域で座礁したということは、いなづまの艦長以下、航法に関わる幹部の練度が低下しているとしか考えられません。当海域に浅瀬があって、危険だということを海自幹部なら常識的に知っている筈なのです。それでも座礁したということは、そういう常識を知らなかったか、護衛艦の自己位置を正確に把握していなかったかのいずれかでしょう。
いずれの場合も海自の教育訓練に問題があった可能性が高いですね。つまり、艦艇を運行するための最も基本的な訓練が十分ではなかったということです。海自は陸自と異なり、オペレーションが多いのが特徴です。オペレーションとは実任務のことです。例えば、尖閣周辺で中国艦の動向を監視し、不測の事態に備えるような任務を指します。
実任務なので、訓練は行えません。もちろん、護衛艦を運行しているのですから、経験値は上がるでしょう。しかし、実任務と訓練とでは目的が違うので、実任務で練度が向上するのは、あくまでも副次的な効果なのです。訓練では、護衛艦を操るために必要な基本的な行動を徹底的に反復演練しているものと思います。そういう訓練の先に精強な部隊が作り上げられるのです。各自衛隊に共通の認識でしょう。
今回の座礁事故は、海上自衛隊における訓練時間が不足している現実を示唆しています。これは、非常に大きな問題です。練度が維持できなければ、使い物にならないからです。
根本的な問題は、低充足と整備費の不足でしょう。隊員が不足していれば、訓練は縮小編成で行わざるを得ず、実員感覚が鈍ります。整備費の不足は、整備期間の長期化となり、直接訓練時間を削ります。これでは、練度の維持向上は困難です。
予算を増加するなら、この二つの問題を重点的に改善すべきと思料する次第です。
海上保安庁の艦艇が座礁したのも同じ文脈で理解できるのではないでしょうか。海保は、尖閣周辺で日常的にオペレーションを行っており、艦艇の不足を露呈すると同時に、金属疲労が積み重なり、艦艇の耐用年数を削っている可能性が高いですね。そして訓練も十分に行えていないのでしょう。
中国が恒常的に尖閣周辺に表れているのは、こういう形で海自、海保の疲労の蓄積、練度の低下を引き起こしているのです。全体的に勢力を拡充しなければ、根本的な解決は望めません。数量の不足を解決すべき時が来ていると思います。予算の増加は、待ったなしです。

余談です。海自の制服はカッコいいですねー。陸に比較すると特に。これは夏制服です。ところで写っているのは防衛大臣政務官、小野田紀美氏です。昨年、公明党の推薦を断った硬骨漢です。やりましたねー。そしてカッコいい!背ーデカ!中々いいと思います。
話がずれました。制服はカッコイイ方がいいに決まっています。数年前、陸自の制服も変わったのですが、イマイチ。やっぱ海上自衛隊を希望すればよかったかなー。でも泳ぎが不得意だからなー。今頃言っても遅いんですけどね♪
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