論点直言 防衛力強化への道筋は
統幕主導の装備構想進めて 前防衛事務次官・島田和久氏 2023/2/19 産経ニュース
①これまでで防衛省は(脅威に直接対抗しない)基盤的防衛力整備構想から抜け切れず、継戦能力、弾薬の不足、装備稼働率、施設の老朽化対策は計画に十分に反映されてこなかった。
➁従来の装備調達計画は、ともすれば陸海空自衛隊がそれぞれ案を考え、それを整理してまとめる感があった。今回はまず統合幕僚監部で将来の戦い方を考え、あるべき統合的な装備体系を構想し、そのうえで陸海空に振り分けたところも画期的だ。
➂防衛省の計画実施体制も抜本的に強化しなければならない。従来は調達部門に任せていたが、幹部が中心となり隅々まで目配りをして全力で露リウム必要がある。
④財源について、「防衛増税」と言われることは残念だ。防衛費は一般会計予算の一部分であり、財源は国の歳入・歳出の全体の問題として論じてほしい。
島田和久(内閣官房参与/前防衛事務次官)
島田和久内閣官房参与が、産経新聞のインタビューに答えた記事が配信されていました。有料記事なので、主要事項を抜粋しました。真っ当な意見だと思います。ただいくつか反論したい点があります。
それは①のうち、1 継戦能力 2 弾薬の不足 3 装備稼働率 4 施設の老朽化対策は計画に十分に反映されてこなかった、理由として「基盤的防衛力整備構想から抜け切れず」としていることです。
そうではありません。防衛費が絶対的に不足していたことが原因です。弾薬の不足は広義には継戦能力に含まれているにしても、いずれも後方分野の予算ですが、必要な予算要求はしているのです。当然でしょう。正面装備があって、戦い方も決まっているのですから、弾薬、燃料、整備所要、補給所要を見積もって予算要求しているのです。稼働率は整備費に左右されますが、十分に満足な予算を充当されたことはありません。施設の老朽化は、全国各地から施設要望が上がってきています。いずれも予算不足で、優先順位を決めなければならないのが現実です。つまり、予算が絶対的に不足しているのが、1~4の理由なのです。
基盤的防衛力構想から抜け切れていないという考え方は、防衛予算の絶対的不足という根本的な問題から目をそらしている。それよりも、内局がそういう認識なら、現場を預かる陸海空各幕僚監部の意見を全く顧みていないということになり、問題は防衛省の組織だということになります。
基盤的防衛力の考え方に縛られていたのか、内局は?最近まで?開いた口が塞がりませんね。まるで役に立たない防衛官僚ではないですか。彼らは二言目にはシビリアンコントロールを標榜し、制服組をいたぶってきました。そういう優越意識が防衛予算を歪なものにしていたのでしょう。シビリアンコントロールとは、軍事に対する政治の優越を規定している考え方です。防衛官僚はそれを長年にわたって自分たちの優越性に置き換えて、制服組を虐げてきたのです。これを文民統制ならぬ、文官統制と言います。悪名高き文官統制ですね♪
最近、ようやくこの文官統制という悪弊は無くなったと聞いていますが、基盤的防衛力構想と言う亡霊に防衛官僚が抜けきれずにいたことは、今回知りました。どうしようもないな。現場を知らない防衛官僚が予算に口を出す体制そのものが根本的な問題と思います。反論する元気があるなら、冬の北海道の器材庫で。装備品の整備をしてみるがいい。築年数が半世紀以上の器材庫は、隙間風が入る過酷な現場です。隊員は、そういうところで文句も言わず整備をしているのです。それが基盤的防衛力構想から抜け切れていない防衛官僚のせいだと思うと怒りに・・・。
おーいけません、またやってしまいました。ご容赦ください♪
➂についても意見を言いたい。きれいな予算要求理論だけで装備が調達できるわけではない。開発装備の実用試験の問題点を装備に反映させる必要があるが、場合によっては、期待性能、要求性能を書き換える必要があるのである。しかし防衛部は期待性能を書き換えることを極端に嫌うのである。だから現場の意見としても幕内の多数の意見も期待性能書き換えを防衛に迫るのであるが、防衛部は頑として受け付けないのである。それは防衛のメンツだからだ。簡単に言うと。期待性能、要求性能を書き換えると言うことは、それに至る理論体系を根本的に見直さざるを得ないからだ。防衛部は、それを嫌うのである。そのため、よりよい装備になる機会は永遠に失われるのである。防衛部長は、万死に値するぞ。君たちのメンツのせいで、現場で隊員が苦労するのだ。場合によっては戦争に負けるかもしれないのだ。君たちのちっこいメンツなど何の役にも立たんわ!
もう少し。メンツというのは象徴的な言い方でした。実態は、自ら作り上げた理論を見つめなおし、根本的に作り直さなければならないのだが、それはとてつもない努力を必要とするのです。何十年にも亘って作り上げた理論は精緻であるがゆえにもろいのです。一つの駒を取り換えれば、全てが崩壊するような理屈になっているのです。それをやりたくない、のが防衛部の抵抗の真の理由でしょう。聞いたことはありませんが、そう顔に書いてあります♪
防衛部の編成理論や防衛理論は、彼らの誇りだと思いますが、過度な誇りは国家を潰すぞ。素直に現場の意見を聞き、もっと骨太の理論を作りたまえ。防衛部の理論を優先して国家が滅びたらどうするのだ?それは帝国陸軍の二の舞になるぞ。
長くなったついでです。WBC初戦の大勝に天晴れです。大谷はさすがですね。各選手が躍動して初戦を勝ちました。今日は韓国戦です。勝って下さいよ。応援しています。
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