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何故トランプは嫌われるのか

 アメリカ大統領選挙の開票が進んでいる。両陣営とも自陣営が勝利するとアピールしている。結果はおそらくトランプの勝利だろう。

 小生が、この場で選挙予想をしても仕方がないので、先日、「盲目の内閣参与」で触れた内容について、少々深掘りしてみようかと思う。

 米国伝統保守が発狂している、と何度か書いた。アーミテージなどは、知日派として日本では有名だ。日本からアメリカの共和党を見たとき、日本の保守派と相通ずるところがあると、保守は考えているものと思う。そういった、いかにも保守というべき人たちが、ヒラリーやバイデン、つまり民主党を支持する側に回っているのだが、小生の知る限り「異例」だ。

 近年の大統領選挙において、米国伝統保守と言うべき面々が、共和党から民主党に鞍替えしたという事例は、寡聞にして知らない。共和党と民主党は、政治姿勢が異なる。ただし、日本の与党、野党ほどではない、米国の基本的政策についてはぶれることがない。

 と、まことしやかに流布されてきた。だが、現在のアメリカを見ていると、そうではなくなっている。米民主党の言動を見ると、日本の野党と同じだ。とにかく、トランプが嫌いなのだ。ペロシ下院議長など、最たるものだ。トランプ大統領の一般教書演説終了後、大統領の演説草稿をこれ見よがしに破り捨てた。このような、礼儀に反する行為は、アメリカ合衆国議会でもあまり聞いたことがない。

 どうも、かつての民主党のリベラルな政策と言うよりも、反トランプになってしまっているのだ。アーミテージ以下の米国伝統保守は、民主党を支持しているのではなく、反トランプなのだ。トランプが、嫌いで嫌いでしょうがないのだ。

 盲目の内閣官房参与もそのようだ。先日、日曜日、朝のフジテレビ、プライムに出演していた。いつもの橋下徹の席には、自民党国防族の佐藤正久、保守席には、元NHKアナの木村太郎、そして野党席に三宅氏だった。これは、何とも皮肉な配席だ。

 宮家氏は、キャノングローバル研戦略究所の研究主幹であり、元外務省の役人であり、産経新聞に寄稿し、この度、内閣官房参与に就任した。経歴から、いかにも保守だ。だが、今回、被告席に座らされた。氏の仏頂面が、そのことに対する不満を如実に表していた。そして、それは最後まで変わらなかった。ちなみに、宮家氏もトランプ嫌いで有名だ。

 こういった、日米ともに保守派と任ずる著名な人士が、トランプを嫌いなのはなぜなのか?

800px-Donald_Trump_official_portrait.jpg
画像はWikiから引用

 ヒントは、トランプと歴代大統領との違いにある。と小生は考える。

 それは、対中融和策をトランプが否定していることだ。ニクソン大統領が、米中国交再開を決め、以来、米国の政策は、対中関与策と称せられ、米国との政治的経済的つながりが、いずれ中国を民主的な国家に変えることになる、いうものだ。そして、その政策は、共和、民主両党の大統領が踏襲してきた。政策としては、対中融和策といわれるものだ。だが、トランプは否定した。

 ニクソン以来の対中融和策にピリオドを打ち、覇権国家とっしての本能に目覚め、中国を蹴落とそうとしているのがトランプだ。トランプの本質はこれだ。覇権国家は、覇権国家の擡頭を許さないのだ。覇権国家の本能なのだ。その本能を忘れて半世紀以上、中国の擡頭に、政治家よりもアメリカの有権者が許せなくなったのだ。

 トランプの当選は、それを如実に物語るものだ。米国の治安の悪化も、民主・共和の対立の激化、同盟国に対する軍事費増の圧力、中国とのデカップリング、先端技術の防衛、挙げればきりがないが、全て軌を一にしている。

 半世紀以上にわたって盤石だった共和党保守派重鎮、米国伝統保守は狼狽えているのだ。それは何を意味するのか?対中融和策の継続を希望している者たちが、悲鳴を上げているのだ。対中融和策を継続してほしいのだ。彼らも断末魔の悲鳴を上げているのだ。

 トランプが2期目の大統領職を担うことになれば、対中融和策は徹底的に破棄され、中国の息の根を止めるまで、中国をじわじわと締め付けるだろう。大日本帝国は暴発したが、中共は、どこかでアメリカに妥協するだろう。そして習は失脚する。今予想できる将来像とはそういうものだ。

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