
これは第2次大戦時、米軍の制式銃だった、M1ガーランドライフルです。7.62mm、4.3Kgです。酒楽が防大に入校した約40年ほど前、1年生と海空要員学生の個人装備火器は、これでした。
M1ライフル(通称)はすぐれた小銃です。何が優れていたかと言うと、自動装填だったからです。8発を銃内に装填してあり、引き金を引けば、銃弾が発射される仕組みになっています。これは、当時にあっては、画期的な性能だったのです。

こちらは、大東戦争時の陸軍の制式銃38式歩兵銃です。38式は、自動装填ではなく、ボルトアクションの小銃です。銃の後方にあるボルトを後方にひいて、一発一発装填する動作が必要なのです。
命中精度を比較すれば、銃身の長い38式の方が、高かったと思われます。しかし、歩兵同士の近接戦闘が行われた場合、銃の発射速度に大きな差があり、M1ライフルを装備する米軍に圧倒的に有利だったのです。
入校時、酒楽にそのような知識はもちろんありませんでした。上級生とか、教官からいろいろと教わったのです。それにしても、個人装備火器が、敵だった米軍の物だったことに、酒楽は少なからずショックを受けたのです。米軍の払い下げですから、大東亜戦争で使用されたかどうかは不明ですが、可能性がゼロではなかったと思います。複雑な気持ちでしたね。
戦場では、弾数(たまかず)が勝敗を左右するのです。機関銃を別として、米陸軍が、近接戦闘で圧倒的に帝国陸軍よりも有利だったのです。それを思うと、現在の自衛隊の装備は、概ね最先端に近い武器を装備していると思います。その点は安心できます。ですが、問題は量です。
特に銃砲弾、ミサイルの数量が極めて重要なのは論を待ちません。先日、とあるメディアの記事で、海上自衛隊護衛艦の垂直発射管の中に、全てミサイルが装填されているわけではない、と言う記事を読みました。そうでしょうね。それだけの数をそろえるだけの予算を配分してこなかったのですから。正確な数字を知っているわけではありません、当然ですが。しかし、陸海空自衛隊の所要を満たしているとはとても思えません。
ウクライナ戦争を見ている限り、過去の教訓は今も生きていて、たまかずが足りなければ、戦争には勝てないと言うことなのです。四方を海に囲まれている日本は、海上交通路を遮断されれば、兵站が枯渇する可能性が高いのです。ウクライナのように、陸路で弾や燃料を運ぶことができないからです。国内に十分な量を確保し、かつ、有事においても、国内で製造できる手段を保持する必要があるのです。現状は、十分ではありません。兵站の準備には、多額の予算と十分な期間が必要です。早ければ、早いほどいいのです。政府・防衛省の努力に期待したいと思います。
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