酒楽独語

　産経新聞論説副委員長、榊原智氏に敬意を表します。

　１０日付産経新聞コラム「風を読む」に論説副委員長榊原智氏が寄稿されている。

　第一に、「秋篠宮殿下」という正式な敬称を用いていることに賛意を表したい。

　第二に、皇室の正当な皇位継承者は男系男子であり、旧宮家男子の早期の皇籍復帰が望まれる、と発言している。

　素晴らしい意見だ。これが、正統的日本人の考え方であると小生も同意する。論説副委員長　榊原智殿、感謝申し上げます。これで、昨日の小生の批判も大半は解消したと考えております。

　しかしながら、相反することを申し上げなければならない。同じく１０日付産経新聞に、「秋篠宮さま　立皇嗣の礼」と題する記事が写真と共に掲載されているではないか。８日付産経新聞も、１０日付産経新聞も「さま」と「殿下」という異なる敬称を同じ日付の紙面に掲載しているのである。

　産経新聞は、一体どうしたのだ。敬称なんてどうでもいいのか？８日付の紙面では、あろうことか「上皇陛下」に対して「上皇さま」という、礼を失する敬称を用いている。

　産経新聞は、皇族に対する敬称について、統一した見解は無いと？どんな呼び方でもいいのか？「さま」でも「殿下」でも「陛下」でもどうでもいいのか？しからば、天皇陛下だけは、いつも「陛下」なのは、何故なのか？皇后陛下については、「天皇皇后両陛下」の場合は、「両」「陛下」だが、皇后陛下おひとりの場合は、「雅子さま」なのは何故だ？恐れ多くも皇后陛下に対し、「さま」とは何だ！上皇陛下についても、上皇后陛下についても「さま」とは何だ！

　少なくとも天下の産経新聞が、皇族に対する敬称について、混乱しているのだけはわかった。しかし、言論を生業としている新聞社にとって、これは致命的な不統一だ。そして、不敬だ。いやしくも、日本人が経営する、日本人記者による記事において、皇族に対する正式な敬称を用いないなら、大上段に振りかぶって、その理由を正々堂々と国民に訴えればいいではないか。

　ダブスタの表現を放置し、恥ずかしくないのか？小生は、論説副委員長　榊原智氏に敬意を表すると同時に、ダブスタを放置し、不敬を放置し、何ら恥ずるところのない産経新聞に失望した。