
田村秀男の経済正解 米中関係は「雪解け」になるのか 2023/5/30 産経ニュースより
このグラフは、5月30日付産経ニュースから引用しました。有料記事なので、グラフに関する田村記者の論点を抜粋します。
〇不動産投資は昨年4月以降、前年同期比マイナスが続いている。
〇若者(15~24歳)の失業率は悪化が止まらず、4月にはとうとう20%台に乗った。
〇新卒者でも3人のうち1人は就職できないという情報が流れている。
〇外国投資家による人民元建て債券保有高は昨年5月以降前年を大きく下回っている。
〇上記の債券投資を含めた外国からの対中証券投資と対中直接投資の残高は、昨年1年間で4700億ドル減った。中国の経常収支黒字4000億ドル余りをしのぐ。
〇中国人投資家や富裕層は資産を海外に移す資本逃避が激しくなっている。
〇中国全体の財政収入の3割は地方政府が所有する土地利用権売却によるが、激減している。
さて長々と引用しましが、一つ付け加えると、この記事の趣旨は、広島サミット宣言の核心は、中国に対する呼びかけで、バイデン大統領は記者会見で、米国と中国の関係について「まもなく雪解けする」と言うことになっています。
でも酒楽の主張はもちろん違います。人民元は、外貨建てを根拠にしていて、特に流入するドルを基準に人民元を発行する建付けになっています。このグラフについての田村さんの指摘によれば、その外貨の流入が劇的に細ってきていると言うことなのです。外国人投資家が中国に対する投資を減らしていると言うことですね。
驚いたのは、若者の失業率です。これが民主国家なら政権がいくつも交代するような悪い状況になっています。まあ、シナの歴代王朝は、若者の失業などに関心はありません。そんなことよりも恐ろしいのは、外敵の侵入と飢餓です。中共は当面外国の侵略を心配する必要はありません。問題は、飢餓です。
すぐに飢餓が訪れるわけではないでしょうが、この状況が進めば、就職できない若者の苦境が続くことになり、社会不安を増大させるのは間違いないでしょう。加えて外国からの投資が減っているので、人民元の発行も制約されます。そうすると、中共政府の予算も大きく制約されることになります。これが問題の核心です。
中国共産党の正当性は、敵である国民党・中華民国、すなわち台湾を亡ぼさなければ達成されないのです。中共が統治したこともない台湾を自国領土であり、台湾侵攻を諦めないのは、この正当性が絡むからなのです。当該政権の正統性を主張するには、前政権が悪の政権であり、天命を受ける資格がなく、従って次の政権が天命を受け、国を作ると言うことになっているのです、シナの大地では。
つまり、中華人民共和国の正当性は、前政権である国民党・台湾を亡ぼさない限り達成されないのです。これが中共をして「革新的利益中の核心的利益」だと言わしめる根拠なのです。
中共は、台湾を解放しなければ、自らの存在の正当性を主張できないのですから、諦めるなどと言うことはありません。中共は、毛沢東以来久しぶりに独裁者が統治する体制を作り上げました。これは、シナの大地における標準的な統治体制です。今までの集団指導体制は、シナの大地では異例なのであり、文化的に馴染めないのです。中国人にとって。だから、習近平による独裁体制こそ、シナ人が居心地がいいと思う体制なのです。
しかし、独裁者になった習近平は憂鬱でしょう。グラフが示すとおり、中国経済には暗雲が立ち込めているからです。このままでは、これまでのような経済成長は見込めないでしょう。それでは困るのです。台湾を解放するためには、人民解放軍の海軍と空軍をもっと強くしなければならないのです。そのため予算を毎年増額しています、中国政府は。
しかし、グラフが示すように、経済成長は低下傾向です。毎年の軍事予算の増額に果たして耐えられるのでしょうか?これが核心です。習近平の憂鬱の。
海軍は金食い虫です。空母5隻体制を目指しているようですが、空母だけではなく、機動部隊を編成しなければ空母を運用できません。これまで以上に予算を必要とするでしょう。その予算を工面できない可能性があると、グラフは主張しているのです。
唯一の可能性は、予算を工面できなくなるまで最大の努力をし、軍事力が最強の時点で、とにかく台湾に侵攻し併合する。これしかないでしょう。それはいつになるのでしょうか?日本は、その時に備えなければならないでしょう。
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