先般、内閣官房参与に任命された宮家邦彦氏だが、11月12日、産経新聞に寄稿している。10月30日の拙稿「盲目の内閣官房参与」でも触れたが、どうしたらこういった偏向したものの見方になるのだ。今回も突っ込む。
〇現政権のこれだけの失政・失態にも拘らず、投票日から1週間経っても「敗北宣言」なき状態が続いたこと自体、米国内政の劣化を象徴している。
現政権のこれだけの失政・失態とは何だ。具体的に言え。トランプ大統領の素晴らしい成果なら山のように思い浮かぶが、失政って何だ?
投票日から1週間経っても「敗北宣言」がないことが、米国内政の劣化だと?
では、聞くが、2000年大統領選で、敗れたゴア氏は、フロリダ州の票の再集計について最高裁まで争った。投票は11月7日に行われ、12月12日連邦最高裁が再集計を認めず、ゴア氏の敗北が決定し、ゴア氏は敗北宣言を行った。1か月かかっているぞ!1か月!
1週間遅れると、米国内政が劣化しているなら、1か月遅れたら、米国の内政は破綻するのか?
そもそも決着が遅れることが内政の劣化を象徴するのか?どういう理屈で?米国大統領選の歴史を紐解けば、決着が遅れた例は何度もあるが、これをどう説明するのだ。劣化に次ぐ劣化で、合衆国は消滅しててもおかしくないぞ?
〇より深刻なことは、今回の選挙でもトランプ氏を支えた「民族主義、大衆迎合主義、排外主義、差別主義」、筆者がダークサイドと呼んだ、あの醜い政治運動が生き残ったということだ。
いやはや、保守派論客と言われる宮家内閣官房参与ともあろうお方が、これだけ抽象的な表現でトランプ氏を批判するとは驚いた。前回も同じフレーズを用いた。今回は、紙面が足りないといって、具体的な言及を避けた。ところで、ダークサイドってなんだ。スターウォーズか?外交評論家にしては、ダークサイドだとか、醜い政治運動だとか、やけに抽象的な表現だ。左翼のプロパガンダと同じだ。恥ずかしいとは思わないのだろうか。
〇高揚感なき新政権の誕生
これも笑ってしまう。中学生や高校生の読書感想文レベルのコメントだ。高揚感なき新政権とは何ぞや?先生に質問されたら何と答えるの?宮家君。
〇今回の選挙の意義
幸い、米国の民主制度は機能し、米国社会に一定の復元力がることを示した。
これだけ大規模な不正選挙が行われたのは、米国史上初めてだろう。だが、米国の民主制度は機能し、トランプの当選を認定することで米国社会を復元させることは可能だ。不正を行ったものは処断される。これが古今東西、変わることの無い原則だ。
〇史上初めて非白人女性が最高権力入りしたことも歴史的だ。
非白人女性が最高権力入りするかもしれないことが歴史的なのは理解するが、それが今回の選挙の意義なのは理解不能だ。そもそも最高権力入りするのに、人種や性別は何の関わりもなかろう。優秀で、誠実で、政治能力に長け、有権者の信頼と支持を得ることが条件なのであって、非白人であろうと、女性であろうと、全く関係ないではないか?宮家氏こそ、差別主義者だ。非白人や女性が最高権力入りすることが善で、それ以外は悪だと言っているのに等しい。つまり、白人や男性が最高権力入りするのは悪だと言っているのだ。これを差別主義者と言わず何というのだ。宮家氏は、自分が何を言っているのか理解しているのか?
〇米国の優先順位は中、露、イランからの脅威であり、そのためにインド太平洋地域を重視する。対中政策についても、トランプ政権と大きくは変わらないだろう。
笑いが止まらない。バイデン“前副大統領”なのだが、誰の副大統領だったのか忘れたか?オバマだ。オバマとトランプの対中政策は大きく異なる。オバマは伝統の対中融和策であり、トランプは、言うなれば対中撲滅策だ。トランプ政権と大きく変わらないだろう?頭おかしいのか?
少々、過激な表現になってしまったのをお許し願いたい。小生のような素人が、東大法学部を卒業後、外務省に入省し、退官後は、キャノングローバル戦略研究所研究主幹であるとともに、このたび内閣官房参与に就任した外交の第一人者に対し、不遜にも事実を列挙し、批判したことを深く反省いたします。
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