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中国の戦争準備

 中国が戦争準備を本格化していると時事通信が伝えている。

 なぜこの時期なのか、というのがこの記事の焦点だろう。考えられる論点はいくつかある。

 誰でも思いつくのは、米国大統領選の帰趨が明らかになっていないこと。もしくは、トランプではなく、バイデンの可能性が高いと中共が判断しているかもしれないこと。
 短期的に、米国の混乱だけを見ているということはあるまい。中共は、米大統領選の行方を静かに見守っている。バイデンを祝福したが、習近平が直接発言したわけでもなく、バイデンと電話会談したわけでもない。
 中共は、トランプよりもバイデンの方が与しやすし、と考えているだろう。伝統的な同盟戦略、ロシアを主敵とする外交姿勢は、中国を利する。焦る必要はない。
 だが、中長期的に焦る理由はある。それは、経済成長がいずれ頭打ちになると予想されるからだ。

 朝雲新聞から村井教授の論考を抜粋して引用する。趣旨はこうだ。中国の生産労働人口は、1980年に人口の6割、2010年に総人口の7割を超えている。だが、2010年以降、生産労働人口は減り始め、2040年には、1980年の6割に減少すると予想されている。
 総人口も2018年から減少し始めた。他方、中国人女性が産む子供の数(特殊出生率)は都市部で1.0に低下した(日本は1.36)。世界の工場として拡大してきた中国の経済力は既にピークアウトし、経済成長率が低下している。対外経済進出を支える外貨準備高も2014年がピークである。今が世界に中国の影響力を拡大する最後のチャンスである。共産党は焦っている。

 以上が、村井教授の論考の主旨だ。中国が、台湾侵攻に向けて、戦争準備を始めているのは、こういった背景と、バイデン政権を見据えているからだろう。

 習近平には、戦争で勝ったという実績がないのが問題なのだ。彼は、毛沢東以来の「共産党主席」を狙っている。毛沢東没後、鄧小平により、「党主席」は廃止された。それほど、毛沢東の党主席としての暴虐が、中国を疲弊させたという認識なのだ。だから、それ以来、国家主席は存在しても、「党主席」は存在しない。それが、集団指導体制に移行した中共という組織の現実だ。

 習はそれを覆し、党主席就任を狙っている。就任のために不足しているのが戦果なのだ。中国が戦争準備をしているのはそういった背景があるということだ。我が国も傍観することは許されない。火の粉は降ってくる。準備を急げ。

中国、「戦争準備」本格化 制服組トップ、態勢転換に言及 台湾などの緊張にらむ

11/16(月) 7:07配信 時事通信

中国の許其亮・中央軍事委員会副主席=2018年6月、北京(EPA時事)
 【北京時事】中国で先月下旬に開かれた重要会議を受け、中国軍が「戦争準備」の動きを強めている。

 制服組トップの許其亮・中央軍事委員会副主席は「能動的な戦争立案」に言及。習近平国家主席(中央軍事委員会主席)は、米国の新政権発足後も台湾や南シナ海をめぐる緊張が続くと予想し「戦って勝てる軍隊」の実現を目指しているもようだ。

 10月下旬に開かれた共産党の第19期中央委員会第5回総会(5中総会)は、軍創設100年を迎える2027年に合わせた「奮闘目標の実現」を掲げた。目標の具体的内容は明らかではないが、5中総会は「戦争に備えた訓練の全面的強化」を確認した。

 これに関連し、許氏は今月上旬に発行された5中総会の解説書で「受動的な戦争適応から能動的な戦争立案への(態勢)転換を加速する」と訴え、中国軍が積極的に戦争に関与していく方針を示唆した。

 国営新華社通信によると、陸海空軍などによる統合作戦の指揮、作戦行動などに関する軍の要綱が7日に施行された。要綱は軍の統合運用を重視する習氏の意向を反映したもので、新華社は「戦争準備の動きを強化する」と伝えた。党機関紙・人民日報系の環球時報英語版(電子版)は、今後の軍事演習では、敵国の空母による南シナ海や台湾海峡の航行阻止を想定し、海軍の潜水艦、空軍の偵察機や戦闘機、ロケット軍の対艦弾道ミサイルが動員されることになりそうだと報じた。

 また、人工知能(AI)などの新技術を使い米軍に勝る兵器を開発するため、軍と民間企業が連携する「軍民融合」がさらに強化される見通しだ。5中総会で採択された基本方針には「軍民の結束強化」を明記。5中総会解説書は「国防工業と科学技術の管理で軍民が分離している状況が見られる」と指摘し、国家ぐるみの兵器開発体制の促進を求めた。 


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