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歴史の知恵

 前の記事、「考えるのを諦めたら終わりだ」の続編。

 結論はまだ出ていないというのが酒楽の現状認識だ。BBC、THE SANKEI NEWS、どちらの記事にも、トランプが再選を諦めたとは一言も書いていない。そう、トランプは諦めていないのだ。どんな手を使ってでも再選を目指しているのだ。そして、これが権力闘争の本質だ。

 バイデンは、明らかにルール違反だと思うが、トランプは、ルール内での再選を目指している。各州の選挙人への働き掛けもその一つだ。

 米国の選挙制度はなかなか面白い。そもそも選挙人を選ぶのが、米大統領選の特徴の一つだ。直接選挙ではないのだ。どの州も、勝った側が選挙人を総取りする。一部の州は、票数で分ける。いずれにしても、選挙人の割り振りを決する選挙なのだ。

 そして、12月上旬に、連邦議会での選挙人の投票により、正式な大統領が決定する。

 この選挙人と言うのがまた面白い。選挙人は、各州で選ばれ、州の勝者に票を入れる建前になっている。だが、必ず何人かが裏切るのだ。おそらく、選挙人の政治信条や宗教的良心に基づいて投票するのだろうと思われる。間接投票の妙味がここにある。

 トランプは、選挙人に働きかけを行っているようだ。政治信条や、宗教的良心など、選挙人も人間だ。特に今回の選挙は、心ある米国人なら、バイデンの選挙違反に内心反発していることだろう。トランプはそれを狙っている。

 更に、メディアの報道では、トランプの訴訟戦略が破綻しつつあると伝えているが、ことはそれほど簡単ではない。最終的には、トランプは、連邦最高裁まで争うだろう。ネットでは、この辺の情報収集に限界があるので、詳しいことは不明だ。

 だが、トランプの戦略は2段構えで、第1が訴訟、第2が選挙人への働きかけということのようだ。

 訴訟戦略が功を奏せば、その州の選挙人は、12月の連邦議会での選挙に行くことができない。つまり投票できない。結果は、過半数に達する候補がいないことになり、下院における決選投票になる。この場合、各州に1票与えられる。下院の議員数は民主党の方が多いのだが、州の数だと共和党が多い。つまり、トランプの勝ちだ。

 訴訟戦略がうまくいかなかった場合、選挙人の投票になるわけだが、トランプは、ここにも保険をかけ、選挙人の正義と良心に訴えていることだろう。選挙人が、州の決定に従わず、トランプに投票する可能性はゼロではない。

 いずれの手段もアメリカ合衆国の法律の範囲内だ。トランプは、歴史に残る大統領になるかもしれない。仮に第2の手段が功を奏することになれば、アメリカ合衆国の歴史の知恵が勝利することになると小生は考えるものである。


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