我が国の政府はどこにいるのだ?
米国の新国務長官ブリンケン氏は、中国のウィグル人に対する弾圧は、ジェノサイドだと発言した。ポンぺオ前国務長官の発言を踏襲している。
米国は、中国の人権弾圧を許さないという強い意志を表明した形だ。中国にとっては痛いところだ。だからいつも「内政に干渉するな」くらいしか反撃できない。
米国にとって、中国の人権弾圧を攻撃することは、デカップリングと同じくらい効果的な政策だ。何故なら、それは事実であり、しかも中国は絶対に受け入れられない政策だからだ。中国を孤立させ、力を削ぐための一つの手段だ。
ところで、我が国の政府は、何をしているのだ?
加藤勝信官房長官は20日の記者会見で、中国政府による少数民族ウイグル族弾圧をジェノサイド(民族大量虐殺)と認定したとの米国の発表を踏まえ「ウイグルの人権状況に懸念を持って注視している。基本的人権の尊重や法の支配が中国でも保障されることが重要だ」と指摘した。
中国政府に対しては「こうしたわが国の懸念や姿勢をしっかりと伝えたい」とも強調した。
1月20日の産経新聞はこのように伝えている。
我が国の政府は、中国のウィグル人弾圧をどのように認識しているのか、全く伝わってこない。伝えようという意思が感じられない。考えがあるようにも思えない。
同盟国のナンバー2、国務長官が、ジェノサイドだと言っているのだが、政府の認識は?
いつものように木で鼻を括るような会見だが、政府の意志は無い。
政府に意志がないということは、日本国が存在しないのと同じだ。加藤官房長官だけではない、外務大臣も、総理大臣も、この件について、一切発言していない。この事実が重要なのだ。
米国は、がっかりしていることだろう。バイデン新政権は、同盟重視、国際協調路線を歩むという意思を表明している。当然、同盟国である我が国の協力を期待しているだろう。
だが、国務長官の発言に対し、「無」回答だ。政府不在。これでいいのか?日米同盟を重視し、深化させるという総理大臣の発言は嘘か?

同盟国の政策について、無回答はないだろう。バイデンも、ブリンケンもがっかりしているに違いない。こういうときは、歩調を合わせるべきだ。中国は、ジェノサイドをやめろ!と。
中国は、我が国政府の発言を注意深く注視している。米国のジェノサイド発言に日本政府は、追随していない。同盟に穴がある、と認識するだろう。口では同盟重視と言いながら、個別案件、そして、米国にとっては看板政策である人権外交について、日本政府は無関心だということだ。
日本政府は、二言目には、尖閣諸島は、日米安全保障条約の対象地域だといい、バイデン政権もその認識に変わりはないという認識で一致した、と大喜びだ。
その口で、懸念を持って注視している、基本的人権の尊重や法の支配が中国でも保障されることが重要だ、と述べているのだ。この発言を米国はどのように受け止めるのだろうか?日本は頼りになる同盟国ではない、と思うに違いない。
中国もそのように思うだろう。日米同盟の陥穽がここにある。政府は何も考えていない。尖閣が、日米安保の適用対象であるという錦の御旗を確認しただけで、米国の意図を考えていない。同盟の行く末についても考えていない。
「英国は永遠の友人も持たないし、永遠の敵も持たない。英国が持つのは永遠の国益である」。19世紀の英国首相パーマストンの言だ。
同盟を維持する方策はこれだ。国益を共有すること。これだけだ。さて、我が国は、同盟国米国とどこまで国益を共有しているのだ?国益を共有できていなければ、早晩同盟は瓦解するだろう。
中国東北地方に新鉄道を敷設する構想を日米で共有できていれば、オレンジ計画もなく、大東亜戦争も起きなかっただろう。
国益の共有こそ、同盟の本質だ。政府には、米国と国益を共有しているという認識はあるのか?なければ、日本は破滅するぞ。
<PS>
加藤長官の答えない戦術は相変わらず健在だ。菅政権への不信感の一部は、間違いなく加藤官房長官の責任だ。長官は、自分が国民からどのように見られているのか考えたことがないのだろうな。
同じように、自分の発言が米国や中国にどのように受け止められるかについても考えていない。ひたすら無責任を貫く。
国民が不信を抱いても、当面問題は無かろうが、同盟国が不信感を抱いたり、中国が日本の弱みを発見したりすることは、我が国の国益を毀損するのだ。
引用した産経の記事はいいね。官房長官が悪役に見えるような写真を使っている。さすが産経。天晴!
【バイデン新政権】ブリンケン国務長官が初の記者会見 中国による新疆での弾圧、新政権でも「ジェノサイド」の認識変わらず
https://www.sankei.com/world/news/210128/wor2101280006-n1.html
加藤官房長官「ウイグルの人権状況注視」 中国の民族大量虐殺認定で
https://www.sankei.com/politics/news/210120/plt2101200010-n1.html
米国の新国務長官ブリンケン氏は、中国のウィグル人に対する弾圧は、ジェノサイドだと発言した。ポンぺオ前国務長官の発言を踏襲している。
米国は、中国の人権弾圧を許さないという強い意志を表明した形だ。中国にとっては痛いところだ。だからいつも「内政に干渉するな」くらいしか反撃できない。
米国にとって、中国の人権弾圧を攻撃することは、デカップリングと同じくらい効果的な政策だ。何故なら、それは事実であり、しかも中国は絶対に受け入れられない政策だからだ。中国を孤立させ、力を削ぐための一つの手段だ。
ところで、我が国の政府は、何をしているのだ?
加藤勝信官房長官は20日の記者会見で、中国政府による少数民族ウイグル族弾圧をジェノサイド(民族大量虐殺)と認定したとの米国の発表を踏まえ「ウイグルの人権状況に懸念を持って注視している。基本的人権の尊重や法の支配が中国でも保障されることが重要だ」と指摘した。
中国政府に対しては「こうしたわが国の懸念や姿勢をしっかりと伝えたい」とも強調した。
1月20日の産経新聞はこのように伝えている。
我が国の政府は、中国のウィグル人弾圧をどのように認識しているのか、全く伝わってこない。伝えようという意思が感じられない。考えがあるようにも思えない。
同盟国のナンバー2、国務長官が、ジェノサイドだと言っているのだが、政府の認識は?
いつものように木で鼻を括るような会見だが、政府の意志は無い。
政府に意志がないということは、日本国が存在しないのと同じだ。加藤官房長官だけではない、外務大臣も、総理大臣も、この件について、一切発言していない。この事実が重要なのだ。
米国は、がっかりしていることだろう。バイデン新政権は、同盟重視、国際協調路線を歩むという意思を表明している。当然、同盟国である我が国の協力を期待しているだろう。
だが、国務長官の発言に対し、「無」回答だ。政府不在。これでいいのか?日米同盟を重視し、深化させるという総理大臣の発言は嘘か?

同盟国の政策について、無回答はないだろう。バイデンも、ブリンケンもがっかりしているに違いない。こういうときは、歩調を合わせるべきだ。中国は、ジェノサイドをやめろ!と。
中国は、我が国政府の発言を注意深く注視している。米国のジェノサイド発言に日本政府は、追随していない。同盟に穴がある、と認識するだろう。口では同盟重視と言いながら、個別案件、そして、米国にとっては看板政策である人権外交について、日本政府は無関心だということだ。
日本政府は、二言目には、尖閣諸島は、日米安全保障条約の対象地域だといい、バイデン政権もその認識に変わりはないという認識で一致した、と大喜びだ。
その口で、懸念を持って注視している、基本的人権の尊重や法の支配が中国でも保障されることが重要だ、と述べているのだ。この発言を米国はどのように受け止めるのだろうか?日本は頼りになる同盟国ではない、と思うに違いない。
中国もそのように思うだろう。日米同盟の陥穽がここにある。政府は何も考えていない。尖閣が、日米安保の適用対象であるという錦の御旗を確認しただけで、米国の意図を考えていない。同盟の行く末についても考えていない。
「英国は永遠の友人も持たないし、永遠の敵も持たない。英国が持つのは永遠の国益である」。19世紀の英国首相パーマストンの言だ。
同盟を維持する方策はこれだ。国益を共有すること。これだけだ。さて、我が国は、同盟国米国とどこまで国益を共有しているのだ?国益を共有できていなければ、早晩同盟は瓦解するだろう。
中国東北地方に新鉄道を敷設する構想を日米で共有できていれば、オレンジ計画もなく、大東亜戦争も起きなかっただろう。
国益の共有こそ、同盟の本質だ。政府には、米国と国益を共有しているという認識はあるのか?なければ、日本は破滅するぞ。
<PS>
加藤長官の答えない戦術は相変わらず健在だ。菅政権への不信感の一部は、間違いなく加藤官房長官の責任だ。長官は、自分が国民からどのように見られているのか考えたことがないのだろうな。
同じように、自分の発言が米国や中国にどのように受け止められるかについても考えていない。ひたすら無責任を貫く。
国民が不信を抱いても、当面問題は無かろうが、同盟国が不信感を抱いたり、中国が日本の弱みを発見したりすることは、我が国の国益を毀損するのだ。
引用した産経の記事はいいね。官房長官が悪役に見えるような写真を使っている。さすが産経。天晴!
【バイデン新政権】ブリンケン国務長官が初の記者会見 中国による新疆での弾圧、新政権でも「ジェノサイド」の認識変わらず
https://www.sankei.com/world/news/210128/wor2101280006-n1.html
加藤官房長官「ウイグルの人権状況注視」 中国の民族大量虐殺認定で
https://www.sankei.com/politics/news/210120/plt2101200010-n1.html
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