NewsWeekJapanによると「中国ステルス機2機が中印国境に到着、空中戦準備の可能性も 2020年8月19日(水)16時55分 ジョスリン・グレッシュチャック」と伝えている。以下引用する。
中印国境をめぐる対立が4カ月目に入る中、中国軍のステルス戦闘機2機が、インドとの国境近くの空軍基地に配備されたことがわかった。
中国人民解放軍空軍に所属する2機の「J-20」ステルス戦闘機が駐機しているのが、新疆ウイグル自治区のホータン空軍基地を撮影した商業衛星画像で確認された。中国の複数のソーシャルメディアユーザーが画像をシェアしたことから明らかになったものだ。
このステルス戦闘機の到着は、中国とインドが領有権を争うヒマラヤ山脈地帯のラダック地域をめぐる緊張が高まる中での、最新の動きだ。ラダックはインドが実効支配する地域で、1962年の中印国境紛争後に外交交渉によって設定された非公式の停戦ラインである実効支配線(LAC)に接している。この境界線はラダックを、中国が支配するチベット自治区と分けるもので、現在進行中の中印国境をめぐる対立の一部だ。
中国軍とインド軍は6月15日、ラダックのガルワン渓谷で衝突。インド軍の兵士が20名死亡、中国側にも複数の人的被害が出た。LACで緊張が高まるのは初めてではないが、今回の衝突は、1967年以降では初めて、中印国境紛争で兵士に死者が出た特筆すべき事例だ。
インド側は仏戦闘機を配備
紛争対象のこの地域は、ヒマラヤ山脈地帯にある標高4200メートルほどの高地で、ほとんど人は住んでいない。中印両軍の兵士は、この地域では銃の携帯を禁じられているため、武力衝突は至近距離での接近戦となったと、ニューヨーク・タイムズは報じた。
今回ステルス戦闘機が到着したホータンは、ラダックから320キロメートルほどしか離れていない。今回の動きから見ると中国空軍は、この地域の制空権を中印どちらが握るかをめぐる、地上戦とは別の戦いに向けて準備を進めている可能性がある。
7月末には、インド空軍が新たに導入したフランス製の戦闘機ラファールのうち5機が、ラダックから885キロほどの距離にあるアンバーラー空軍基地に送り込まれた。
(翻訳:ガリレオ)
(以下略)
表題は、大陸国家中国の弱点としている。大陸国家と対をなす概念が海洋国家である。明確な定義があるわけではない。日本や英国は海洋国家である。四周を海に囲まれ、陸続きの国境がない。アメリカも海洋国家である。しかし、アメリカには、陸続きの国家として、カナダとメキシコがあるではないか?というのは当然の疑問だ。しかし、カナダは友好国で、基本的価値観は一致しているし、安全保障に関しては一心同体と言っても過言ではない。メキシコは、脅威となるような軍事力を有していない。つまり、陸上国境に脅威がない。従って、海洋国家である。
対して、ロシアや中国は大陸国家だ。陸続きの国境があり、脅威となる国家が複数存在する。そのため。軍事支出は、陸軍に偏らざるを得ない。海にも面しているが、陸上国境が長く脅威が多数存在するのが大陸国家の特徴であろう。
海洋国家の特徴は、陸続きの脅威がないため、海軍力に専心できることである。大陸国家はそうはいかない。ソ連が冷戦に敗れたのは、大陸国家でありながら、米国に対抗するため、海軍力に多大の予算を充当したことが原因の一つであろう。
中国も同じ轍を踏もうとしている。ニューズウィーク誌が言うように、中印国境に最新鋭の戦闘機を配備したようだ。WIKIによれば、2019末、中国はJ-20を50機保有しているようだ。中国にとっては虎の子の兵器だ。しかし、それを中印国境に配備せざるを得ないところが、大陸国家の弱点なのだ。はっきり言えば、大陸国家は、広範囲に仮想敵国が存在するため、陸軍力、海軍力を同時に充実させることは困難だということなのだ。
中国が、アメリカ合衆国と覇権を争うのであれば、陸の脅威をあらかじめ最小化しなければならない。例えば、インドに妥協し、国境線を画定し、不可侵条約を結ぶ。これがベストだ。既にロシアとの国境線は確定している。それ以外の脅威と言えば、ベトナム、北朝鮮だが、中国から仕掛けなければ、両国から攻められる政治的可能性はほとんどない。つまり、インドが中国のアキレス腱なのだ。
そのインドを中国は挑発した。最悪の選択だ。フランスはここぞとばかりにインドを支援するだろう。ラファールを戦力化するため全力を尽くすに違いない。メンツにこだわる共産中国は、いやでも中印国境に貴重な空軍力を割かざるを得ない。それだけ、海洋正面の戦力は低下する。インドは、海上でも合衆国連合に参加しようとしている。米豪海上演習にインドが参加したのが象徴的だ。海上連合には、日本も参加している。中国包囲網が完成しつつある。中国の有力な同盟国は陸上にも海上にも存在しない。中国は墓穴を掘っている。
↓人気ブログランキングに参加しています。ポチッと押していただけると嬉しいです。

政治ランキング
中印国境をめぐる対立が4カ月目に入る中、中国軍のステルス戦闘機2機が、インドとの国境近くの空軍基地に配備されたことがわかった。
中国人民解放軍空軍に所属する2機の「J-20」ステルス戦闘機が駐機しているのが、新疆ウイグル自治区のホータン空軍基地を撮影した商業衛星画像で確認された。中国の複数のソーシャルメディアユーザーが画像をシェアしたことから明らかになったものだ。
このステルス戦闘機の到着は、中国とインドが領有権を争うヒマラヤ山脈地帯のラダック地域をめぐる緊張が高まる中での、最新の動きだ。ラダックはインドが実効支配する地域で、1962年の中印国境紛争後に外交交渉によって設定された非公式の停戦ラインである実効支配線(LAC)に接している。この境界線はラダックを、中国が支配するチベット自治区と分けるもので、現在進行中の中印国境をめぐる対立の一部だ。
中国軍とインド軍は6月15日、ラダックのガルワン渓谷で衝突。インド軍の兵士が20名死亡、中国側にも複数の人的被害が出た。LACで緊張が高まるのは初めてではないが、今回の衝突は、1967年以降では初めて、中印国境紛争で兵士に死者が出た特筆すべき事例だ。
インド側は仏戦闘機を配備
紛争対象のこの地域は、ヒマラヤ山脈地帯にある標高4200メートルほどの高地で、ほとんど人は住んでいない。中印両軍の兵士は、この地域では銃の携帯を禁じられているため、武力衝突は至近距離での接近戦となったと、ニューヨーク・タイムズは報じた。
今回ステルス戦闘機が到着したホータンは、ラダックから320キロメートルほどしか離れていない。今回の動きから見ると中国空軍は、この地域の制空権を中印どちらが握るかをめぐる、地上戦とは別の戦いに向けて準備を進めている可能性がある。
7月末には、インド空軍が新たに導入したフランス製の戦闘機ラファールのうち5機が、ラダックから885キロほどの距離にあるアンバーラー空軍基地に送り込まれた。
(翻訳:ガリレオ)
(以下略)
表題は、大陸国家中国の弱点としている。大陸国家と対をなす概念が海洋国家である。明確な定義があるわけではない。日本や英国は海洋国家である。四周を海に囲まれ、陸続きの国境がない。アメリカも海洋国家である。しかし、アメリカには、陸続きの国家として、カナダとメキシコがあるではないか?というのは当然の疑問だ。しかし、カナダは友好国で、基本的価値観は一致しているし、安全保障に関しては一心同体と言っても過言ではない。メキシコは、脅威となるような軍事力を有していない。つまり、陸上国境に脅威がない。従って、海洋国家である。
対して、ロシアや中国は大陸国家だ。陸続きの国境があり、脅威となる国家が複数存在する。そのため。軍事支出は、陸軍に偏らざるを得ない。海にも面しているが、陸上国境が長く脅威が多数存在するのが大陸国家の特徴であろう。
海洋国家の特徴は、陸続きの脅威がないため、海軍力に専心できることである。大陸国家はそうはいかない。ソ連が冷戦に敗れたのは、大陸国家でありながら、米国に対抗するため、海軍力に多大の予算を充当したことが原因の一つであろう。
中国も同じ轍を踏もうとしている。ニューズウィーク誌が言うように、中印国境に最新鋭の戦闘機を配備したようだ。WIKIによれば、2019末、中国はJ-20を50機保有しているようだ。中国にとっては虎の子の兵器だ。しかし、それを中印国境に配備せざるを得ないところが、大陸国家の弱点なのだ。はっきり言えば、大陸国家は、広範囲に仮想敵国が存在するため、陸軍力、海軍力を同時に充実させることは困難だということなのだ。
中国が、アメリカ合衆国と覇権を争うのであれば、陸の脅威をあらかじめ最小化しなければならない。例えば、インドに妥協し、国境線を画定し、不可侵条約を結ぶ。これがベストだ。既にロシアとの国境線は確定している。それ以外の脅威と言えば、ベトナム、北朝鮮だが、中国から仕掛けなければ、両国から攻められる政治的可能性はほとんどない。つまり、インドが中国のアキレス腱なのだ。
そのインドを中国は挑発した。最悪の選択だ。フランスはここぞとばかりにインドを支援するだろう。ラファールを戦力化するため全力を尽くすに違いない。メンツにこだわる共産中国は、いやでも中印国境に貴重な空軍力を割かざるを得ない。それだけ、海洋正面の戦力は低下する。インドは、海上でも合衆国連合に参加しようとしている。米豪海上演習にインドが参加したのが象徴的だ。海上連合には、日本も参加している。中国包囲網が完成しつつある。中国の有力な同盟国は陸上にも海上にも存在しない。中国は墓穴を掘っている。
↓人気ブログランキングに参加しています。ポチッと押していただけると嬉しいです。

政治ランキング
- 関連記事
-
-
日米同盟オペレーション2 2020/08/27
-
日米同盟オペレーション1 2020/08/26
-
韓国戦時作戦統制権 2020/08/23
-
歴代最高の防衛大臣 2020/08/22
-
大陸国家中国の弱点 2020/08/21
-
先制攻撃能力 2020/08/18
-
旗幟を明らかにせよ! 2020/08/17
-
防衛大臣記者会見 2020/08/11
-
朗報 抑止力向上 2020/07/30
-
スポンサーサイト