【外交安保取材】“盲腸”取れて外務省安堵 米新政権の「自由で開かれたインド太平洋」
2021.2.10 20:53 産経新聞
https://www.sankei.com/politics/news/210210/plt2102100036-n1.html
「自由で開かれたインド太平洋における平和と繁栄」から「平和と安定」が取れたというのだ。これで、トランプ時代に日米が共有した自由で開かれたインド太平洋という概念が再び日米同盟の基軸的な考え方になっというわけだ。
慶賀の至りである。それでなくても、オバマ時代の戦略的忍耐に悩まされ、何もしないオバマの時代は、ある意味、米国にとっても、日本にとっても暗黒の時代だった。
その間、国力増進と、国際社会への影響を増大させたのは、もちろん中国だ。その8年間で、中国は、米国の覇権を脅かすほど国力を増進させた。
中国近海だけを見れば、海軍艦艇数は、もはや中国のほうが多いのだ。実力は別にして。
GDPも飛躍的に増大し、数年後には、米国を凌駕するだろうと言われている。
バイデンは、オバマチームの一員だった。それが、日本政府の懸念事項だったのだ。だから、盲腸が取れ、日米同盟の概念が一致したことは、正直に慶賀すべき状況であることは間違いない。
だが、酒楽が何度も言及しているように、ただ自由で開かれたインド太平洋と叫んでいるだけでは、国を守れるわけではないのだ。この構想を真に実効性あるものにするには、不断の努力が不可欠なのだ。
クアッドに、いずれ英国が加わるのではないかと喧伝されている。クワッドプラスになると。それは歓迎すべきことだ。2度にわたって、ヨーロッパ大陸を封鎖し、覇権を確立した大英帝国の誇りを取り戻したようだ。
EUの軛を逃れ、再び独立国となった英国は、すかさず独自外交を始めた。CPTPP加入を申請し、空母クイーン・エリザベスをアジアに展開し、中国を牽制しようとしている。

インドを除く、日米英豪海洋国家連合が成立するだろう。海上交通路を制する者が、覇権を確立できるのだ。中国は、ミャンマーに権益を得て、ミャンマーの港から、自国まで原油のパイプラインを建設している。
だが、結局同じだ。ペルシャ湾からミャンマーまでの海上交通路を制するのは、米国だからだ。中東に米海軍の根拠地があり、デイエゴガルシアに軍事基地を設けている倍海軍こそ、インド太平洋を制する巨人なのだ。
真珠の首飾り戦略を取る中国海軍は、いまだに沿岸海軍であり外征軍ではない。南シナ海と東シナ海では局地的な海上優勢を確立できる可能性はあるが、それ以外は米国の海だ。所詮、中国海軍は敵ではない。
話が横道にずれた。自由で開かれたインド太平洋構想を現実のものにするには、
我が国も相応の努力をしなければならないということだ。
英国は、地球の反対側から空母を回航し、クワッドに加わろうとしている。往年の国益外交を復活させつつあるのだ。ヨーロッパの大陸勢力とは、基本的に考え方も国益も異なるのだ。日米同盟とは国益が一致する。
見劣りしているのは、我が国だ。たった1%の防衛費では、米英から見て、誠に信頼するに足りない同盟国なのだ。せめて、NATO諸国と同様、2%の防衛費を投入しなければ、米英に伍して戦うことはできまい。
盲腸は取れたかもしれないが、我が国は、もはやお客様扱いはしてもらえないだろう。国益を共有するのが同盟の原則だ。だが、我が国は、果実のみを追及し、血を流そうとしていない。
戦友こそが同盟のもう一面の真実なのだ。血盟こそ真の同盟なのだ。現状、我が国と米国は血盟ではない。実際に一度も同じ戦場で戦ったことはなく、軍事的努力も僅少で、信頼に足る同盟国ではない。
信頼されない同盟国は、いずれ切り捨てられるのだ。我が国の政府にそういう認識を持っている政治家はいるのか?甚だ疑問であり、不安に感ずる。
韓国は、いずれ同盟を解消されるだろう。それは、韓国と米国を見ていればわかる。我が国は他山の石とせねばならない。永遠の同盟はない、あるのは永遠の国益のみなのだ。
国益を共有できない同盟は、解消されるのが歴史の教えだ。米国は、我が国を同盟国に相応しい国と認識しているのか甚だ疑わしい。
2021.2.10 20:53 産経新聞
https://www.sankei.com/politics/news/210210/plt2102100036-n1.html
「自由で開かれたインド太平洋における平和と繁栄」から「平和と安定」が取れたというのだ。これで、トランプ時代に日米が共有した自由で開かれたインド太平洋という概念が再び日米同盟の基軸的な考え方になっというわけだ。
慶賀の至りである。それでなくても、オバマ時代の戦略的忍耐に悩まされ、何もしないオバマの時代は、ある意味、米国にとっても、日本にとっても暗黒の時代だった。
その間、国力増進と、国際社会への影響を増大させたのは、もちろん中国だ。その8年間で、中国は、米国の覇権を脅かすほど国力を増進させた。
中国近海だけを見れば、海軍艦艇数は、もはや中国のほうが多いのだ。実力は別にして。
GDPも飛躍的に増大し、数年後には、米国を凌駕するだろうと言われている。
バイデンは、オバマチームの一員だった。それが、日本政府の懸念事項だったのだ。だから、盲腸が取れ、日米同盟の概念が一致したことは、正直に慶賀すべき状況であることは間違いない。
だが、酒楽が何度も言及しているように、ただ自由で開かれたインド太平洋と叫んでいるだけでは、国を守れるわけではないのだ。この構想を真に実効性あるものにするには、不断の努力が不可欠なのだ。
クアッドに、いずれ英国が加わるのではないかと喧伝されている。クワッドプラスになると。それは歓迎すべきことだ。2度にわたって、ヨーロッパ大陸を封鎖し、覇権を確立した大英帝国の誇りを取り戻したようだ。
EUの軛を逃れ、再び独立国となった英国は、すかさず独自外交を始めた。CPTPP加入を申請し、空母クイーン・エリザベスをアジアに展開し、中国を牽制しようとしている。

インドを除く、日米英豪海洋国家連合が成立するだろう。海上交通路を制する者が、覇権を確立できるのだ。中国は、ミャンマーに権益を得て、ミャンマーの港から、自国まで原油のパイプラインを建設している。
だが、結局同じだ。ペルシャ湾からミャンマーまでの海上交通路を制するのは、米国だからだ。中東に米海軍の根拠地があり、デイエゴガルシアに軍事基地を設けている倍海軍こそ、インド太平洋を制する巨人なのだ。
真珠の首飾り戦略を取る中国海軍は、いまだに沿岸海軍であり外征軍ではない。南シナ海と東シナ海では局地的な海上優勢を確立できる可能性はあるが、それ以外は米国の海だ。所詮、中国海軍は敵ではない。
話が横道にずれた。自由で開かれたインド太平洋構想を現実のものにするには、
我が国も相応の努力をしなければならないということだ。
英国は、地球の反対側から空母を回航し、クワッドに加わろうとしている。往年の国益外交を復活させつつあるのだ。ヨーロッパの大陸勢力とは、基本的に考え方も国益も異なるのだ。日米同盟とは国益が一致する。
見劣りしているのは、我が国だ。たった1%の防衛費では、米英から見て、誠に信頼するに足りない同盟国なのだ。せめて、NATO諸国と同様、2%の防衛費を投入しなければ、米英に伍して戦うことはできまい。
盲腸は取れたかもしれないが、我が国は、もはやお客様扱いはしてもらえないだろう。国益を共有するのが同盟の原則だ。だが、我が国は、果実のみを追及し、血を流そうとしていない。
戦友こそが同盟のもう一面の真実なのだ。血盟こそ真の同盟なのだ。現状、我が国と米国は血盟ではない。実際に一度も同じ戦場で戦ったことはなく、軍事的努力も僅少で、信頼に足る同盟国ではない。
信頼されない同盟国は、いずれ切り捨てられるのだ。我が国の政府にそういう認識を持っている政治家はいるのか?甚だ疑問であり、不安に感ずる。
韓国は、いずれ同盟を解消されるだろう。それは、韓国と米国を見ていればわかる。我が国は他山の石とせねばならない。永遠の同盟はない、あるのは永遠の国益のみなのだ。
国益を共有できない同盟は、解消されるのが歴史の教えだ。米国は、我が国を同盟国に相応しい国と認識しているのか甚だ疑わしい。
↓読んでいただきありがとうございます。ポチッとしていただけると励みになります。

政治ランキング
- 関連記事
-
-
橋本会長を応援する 2021/02/23
-
EUと日本はどこへ向かうのか 2021/02/22
-
首長はよく考えて選ぶべき 2021/02/21
-
医師の偏在をなくす工夫を 2021/02/21
-
外務省の病 盲腸 2021/02/21
-
不揃いの重鎮達 2021/02/20
-
言論封殺 2021/02/19
-
メディアが決めるのか?それでいいのか? 2021/02/18
-
亡国の萩生田文科相 2021/02/17
-
スポンサーサイト