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EUと日本はどこへ向かうのか


 EUの戦略目標はどこにあるのか。EUの行方を占う興味深い記事が相次いで発表された。

 まず、人民網日本語版は、2月17日、中国がEU最大の貿易相手国となった、と伝えている。

 EU統計局が15日発表した2020年の貿易統計によると、EUにとって最大の物品貿易相手国は中国で5860億ユーロ(1ユーロは約128.1円)、2位は米国で約5550億ユーロだった。中国中央テレビが伝えた。
 EUの対中物品輸出は前年比2.2%増の2025億ユーロで、中国からの物品輸入は同5.6%増の3835億ユーロとなった。新型コロナウイルスの流行や「ブレグジット」などの影響で、対英物品輸出は13.2%減、英国からの物品輸入は13.9%減となり、英国は第3の貿易相手国となった。

 これだけの短い記事だったので、全文引用した。記事前段で興味深いのは、中国との貿易額が順調に伸びて、2020年、中国がEU最大の貿易相手国となったということだ。米国を凌駕している。

 つまり経済的視点で見ると、EUは好むと好まざるとに関わらず、中国との関係を最重要視せざるを得ないということだ。特にドイツは、中国に前のめりで、メルケル首相は、これまで何度も北京詣でを繰り返している。

 EU全体としても、これだけ中国との経済的つながりができると、政策全般に影響を及ぼすことは、避けられない。

 後段では、EUを離脱した英国との貿易額が縮小したと伝えている。英国は、久しぶりに栄光ある孤立を選択したということだ。英国の伝統的政策復帰に、酒楽は賛意を表する。

 これで英国は、大陸欧州に引きずられることなく、独自の外交を行えるということだ。
ヨーロッパ大陸
Wikiから引用

 次は看中国から。

ボイス・オブ・アメリカによると、会議後の共同声明で、4外相は「密接な協調を通して、中国共産党によるグローバルな挑戦及び気候変化など一連の問題において協力する必要性」について合意した。

詳細は、記事をご覧いただきたい。焦点は、米英仏独4か国外相は、安全保障の観点から、対中国政策で一致協力して対処していくことで合意した、という点だ。

 大陸欧州にとって、最も潜在的な脅威はロシアであり、歴史的にも地理的にも不変の脅威であり続けている。だが、中国も欧米共通の脅威だという共通認識を持つのは、喜ばしいことだ。

 問題は、EUが、経済的には中国に対する依存度が増大しつつあること、しかしながら、安全保障面における中国の脅威も同時に感じているという矛盾である。

 中国が安全保障の観点で脅威と認識されるようになったのはつい最近のことだ。そして、中国の脅威の源泉は、驚異的な経済成長にあり、日米欧は、長年にわたり、その後押しをしてきた。つまり、自ら敵を育ててしまったのだ。

 我が国と欧州は、そう思いつつ、中国との経済関係を変化させようとはしていない。反対に、米国は、トランプ政権時代から、中国との経済競争・経済封鎖・デカップリングに姿勢を変化させつつあり、中国を明確に「敵」として認識している。

 このままの状態を放置すれば、中国がますます強大化するのは目に見えている。

 かつてのCOCOM(対共産圏輸出統制委員会)のような体制を整えるのが、正解なのだが、21世紀の現在、果たしてそれが可能かというと、悲観せざるを得ないのが現実だろう。

 デカップリングは、実はその嚆矢なのだという認識が日米欧にあれば希望が見える。EU及び日本の外交姿勢はそうでなければならないと酒楽は思う。

中国がEU最大の貿易相手国に EU統計局 人民網日本語版 2021年02月17日11:30
http://j.people.com.cn/n3/2021/0217/c94476-9819227.html

米英仏独4か国外相会談、米中の新たな戦場となるヨーロッパ 2021年2月21日看中国
https://www.visiontimesjp.com/?p=14802

<PS>
 COCOMの再来は難しいのだろうか。そもそも、ニクソンがはじめた対中関与政策は、最初から間違っていたのだ。

 そして、日本は、鄧小平にまんまと騙された。

 いまさら手のひら返しはできないというのが日本人の性だ。

 だがアングロサクソンは違う。アメリカもイギリスもいずれ情け容赦なく中国を切り捨てるだろう。そうやって彼らは覇権を確立し、維持してきたからだ。

 日本は米英についていくしか道はないのだから、政府は早く決断したほうがいいと思う。戦勝国として地位を確立するために。早ければ早いほどいい。菅さん、ご決断を。
 
 
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