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バイデンはチェンバレンの教訓を知らない

 バイデン新大統領の対中国政策は、トランプ政権と変わらない、と公式には言われている。

 だが断片的に聞こえてくるバイデン大統領の政策はその逆だ。文末に引用した古森義久氏(産経新聞ワシントン駐在客員特派員)の記事によれば、それは融和政策だ。

 融和政策と聞いて、すぐに思い浮かぶのは、英国のチェンバレン首相だ。

 ナチスドイツに対するチェンバレンの融和政策は、ドイツの増長を誘い、第2次世界大戦勃発の引き金となった、というのが定説だ。

 トランプ前大統領は、中国に敵対的だった。彼が2期目の大統領職に就いていれば、中国は、危機的な局面に追い込まれるであろうことは、容易に想像できる。

 だが、バイデンは、中国の内政に寛容だ。それは、「協力できることは協力する」というバイデンの言葉によって世界に示された。
チェンバレン
チェンバレン 画像はWikiから引用

 軍事力を増強するのは、戦争で被る被害を考えれば安いものだ。こういう意味のことをトランプ発言していたと聞いている。極めて現実的な考えだ。

 チェンバレンの融和政策が今でも非難されるのは、当面の平和のために、何百万人もの犠牲者を出したということだ。

 今、同じことをバイデンがやろうとしている。我が国もEUも経済的な関係を切るわけでもない。これはある意味、チェンバレンの融和策と同じスタンスになるのだが、政権担当者はどう考えているのだろう。

 中国のウィグル人に対する非難を行わない日本政府。目の前で、中国外相に尖閣は中国の領土だ、と言われても抗議しない外務大臣。

 工場を中国から国内に回帰させる政策を日本政府が呼び掛けても、一部を除いて動こうとしない企業経営者。

 尖閣に中国海警局艦船が露骨な威圧をかけてきても、防衛予算をさほど増額しない政府。

 いや、過去最高額の防衛予算だという声が聞こえてきそうだが、何度も言うように、それがどうした。過去最高に意味はない。尖閣を巡って、中国の侵略を抑止し、抑止が失敗しても、中国の侵略を撃退するか、または、占領されても奪還できる防衛力があるか否かが問われているのである。

 過去最高?そういうのをおバカというのだ。我が国が今取るべき方策は、防衛費を倍増以上にし、尖閣侵略を中国に思いとどまらせる防衛力にすることなのだ。そのための防衛費は、戦争になって被る被害に比べれば、圧倒的に安い。

 バイデンに、米国に頼っていたら、尖閣をとられるぞ。我が国の、実質融和策はいずれ尖閣の中国奪取に結び付くのだ。そうならないようにしてもらいたい。

 将来、尖閣を失った菅政権と言われないように。

中国の人権侵害は文化の産物?バイデン発言の波紋 抗議と同時に習政権に理解を示したバイデン大統領 
2021.2.24(水) 古森 義久 JBpress
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64214

<PS>
 バイデンは危ういね。言葉の端々に対中融和が透けて見える。危惧した通りだ。バイデンを信じていたら、肝腎なところで梯子を外されるかもしれない。

 そのくらいの気持ちでやらないと足元を掬われる。これが国際政治の世界だ。政治は結果が全てなのだ。

 アメリカを信用しすぎたと、後に後悔しても始まらない。そうならないことを希望するが、世の中希望通りになることは少ないのだ。
 
 
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