【国防最前線】災害派遣された自衛隊に対する国民の“誤解” 「撤収早すぎる」と思うのは「自衛隊の仕事が速い」から 緊急性がなくなっても残るのは不適切
2021.2.25 ZAKZAK 桜林美佐
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/210225/pol2102250002-n1.html
桜林美佐氏は、自衛隊を応援してくれる数少ないジャーナリストの中の一人である。
今回、自衛隊の災害派遣について、氏がZAKZAKに寄稿されていた。主題は、自衛隊の災害派遣、就中その撤収についてだ。
詳細は、記事を参照されたい。記事を引用したのは、ミリオタ酒楽としては、若干、物足りないところがあったので、蛇足とは思いつつ、いくつか紹介したいことがあったので筆を執った次第である。
まず、自衛隊が災害派遣を行うには、条件がある。
それは、緊急性と非代替性だ。
緊急性については論を待たないであろう。国民の命にかかわり、急を要する場合、自衛隊に災害派遣を要請するのは当然である。
問題は、非代替性だ。つまり、自衛隊以外ではなしえない行動、という意味である。
例えば、東日本大震災における災害派遣には、自衛隊以外では困難な任務が多々あった。大規模な人命救助、原子力発電所の消火活動、被災者の民生支援その他。これらは、小規模ならばまだしも、あれだけ大規模な災害の場合、自衛隊以外に行動できる組織は見当たらない。
災害派遣と言っても、こういった行動の準拠がある訳で、要請されたから闇雲に支援しているわけではないのである。
桜林氏が言及されてる「撤収」だが、災害派遣において、現地指揮官が最も悩ましいのが、この撤収である。
被災者にとってみれば、自衛隊は神様仏様に見えるのである。その神様仏様が、現場から撤収するのは、被災民にとっては、甚だ心許ない心境になるのは容易に想像できる。

東日本大震災災害派遣捜索活動(自衛隊HPより引用)
過去にも、自衛隊の撤収時期を巡って、数々の非難めいた報道があったのは事実である。だからこそ、自衛隊の撤収は大変気を使って、慎重に判断し、被災民の納得を得て撤収するのである。
東日本では、現地指揮官は、担当自治体首長と念入りに調整し、何度も現場に足を運んでもらい、慎重の上にも慎重を期して撤収時期を判断したのである。
まず、担当地域をさらに細分化し、逐一、自治体担当者立会いの下確認する。何を?これ以上捜索する必要がないほど捜索しましたという確認だ。
これを隈なく実施する。自治体から要請があれば再度行う。こうして、しらみつぶしに共同で確認を行い、自治体首長が、住民に対し、説得できるまで作業を続けたのである。
それは涙ぐましい努力だったが、長年の教訓の賜物でもあった。せっかく災害派遣をしたのに、最後に被災者に恨まれたのでは、苦労も水の泡である。自衛官と雖も人間である。
被災民から罵声を浴びせられて精神的に参らないはずがない。そうならないように、判断する、現場の指揮官はつらいのである。
現場指揮官は、それだけではない、同じことを上司に対して行うのだ。上司が納得しなければ撤収できない。上司は更に大きな範囲を管轄しているので、相手が異なる。現場指揮官が市町村長なら、上司は、県知事であったりする。上司のそのまた上司もいる。
部下も同じだ。市町村長以下の村落や区長が相手になる。こういう、重層的な枠組みの中で、上下左右と意思の疎通を図り、合意を図るのが「撤収」という作業なのだ。
桜林さんのような心あるジャーナリストのお陰で、少しは日の当たるようになった自衛隊だ。感謝以外の言葉はないと思う。自衛隊さんに代わりお礼を申し述べたい。
彼ら、彼女たちは、相変わらず、我が国を防衛するために(これが自衛隊の主たる任務です)日夜訓練演習に励んでいるのです。彼ら・彼女たちを応援してあげてください。
酒楽
<PS>
今日は、東日本大震災からちょうど10年目です。お亡くなりになられた方々のご冥福を祈りたいと思います。
10年前の津波の映像は忘れることができない。復興は今も継続している。福島原発の廃炉と廃棄物の処分が終わり、福島が元の通りになるまで復興は終わらないだろう。
震災の傷跡は、大きく深く、そして継続している。だが、大東亜戦争に敗れた後の日本の復興を考えると、望みはある。大和は、災害と飢饉が宿命づけられた国なのだ。海外との交易が停止すれば、大飢饉になる。それが大和の宿命なのだ。
そして、それを営々と克服し続けてきたのが大和の歴史であり大和民族なのだ。決してくじけることの無い所業を営々と行い紡いでいく、これが日本人だ。
だから酒楽は日本の未来を楽観している。日本と日本人の輝かしい未来を信じることが日本人の証明なのだ。酒楽は、日本人として、日本に生まれたことをこの上なく幸せだといつも思っている。
2021.2.25 ZAKZAK 桜林美佐
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/210225/pol2102250002-n1.html
桜林美佐氏は、自衛隊を応援してくれる数少ないジャーナリストの中の一人である。
今回、自衛隊の災害派遣について、氏がZAKZAKに寄稿されていた。主題は、自衛隊の災害派遣、就中その撤収についてだ。
詳細は、記事を参照されたい。記事を引用したのは、ミリオタ酒楽としては、若干、物足りないところがあったので、蛇足とは思いつつ、いくつか紹介したいことがあったので筆を執った次第である。
まず、自衛隊が災害派遣を行うには、条件がある。
それは、緊急性と非代替性だ。
緊急性については論を待たないであろう。国民の命にかかわり、急を要する場合、自衛隊に災害派遣を要請するのは当然である。
問題は、非代替性だ。つまり、自衛隊以外ではなしえない行動、という意味である。
例えば、東日本大震災における災害派遣には、自衛隊以外では困難な任務が多々あった。大規模な人命救助、原子力発電所の消火活動、被災者の民生支援その他。これらは、小規模ならばまだしも、あれだけ大規模な災害の場合、自衛隊以外に行動できる組織は見当たらない。
災害派遣と言っても、こういった行動の準拠がある訳で、要請されたから闇雲に支援しているわけではないのである。
桜林氏が言及されてる「撤収」だが、災害派遣において、現地指揮官が最も悩ましいのが、この撤収である。
被災者にとってみれば、自衛隊は神様仏様に見えるのである。その神様仏様が、現場から撤収するのは、被災民にとっては、甚だ心許ない心境になるのは容易に想像できる。

東日本大震災災害派遣捜索活動(自衛隊HPより引用)
過去にも、自衛隊の撤収時期を巡って、数々の非難めいた報道があったのは事実である。だからこそ、自衛隊の撤収は大変気を使って、慎重に判断し、被災民の納得を得て撤収するのである。
東日本では、現地指揮官は、担当自治体首長と念入りに調整し、何度も現場に足を運んでもらい、慎重の上にも慎重を期して撤収時期を判断したのである。
まず、担当地域をさらに細分化し、逐一、自治体担当者立会いの下確認する。何を?これ以上捜索する必要がないほど捜索しましたという確認だ。
これを隈なく実施する。自治体から要請があれば再度行う。こうして、しらみつぶしに共同で確認を行い、自治体首長が、住民に対し、説得できるまで作業を続けたのである。
それは涙ぐましい努力だったが、長年の教訓の賜物でもあった。せっかく災害派遣をしたのに、最後に被災者に恨まれたのでは、苦労も水の泡である。自衛官と雖も人間である。
被災民から罵声を浴びせられて精神的に参らないはずがない。そうならないように、判断する、現場の指揮官はつらいのである。
現場指揮官は、それだけではない、同じことを上司に対して行うのだ。上司が納得しなければ撤収できない。上司は更に大きな範囲を管轄しているので、相手が異なる。現場指揮官が市町村長なら、上司は、県知事であったりする。上司のそのまた上司もいる。
部下も同じだ。市町村長以下の村落や区長が相手になる。こういう、重層的な枠組みの中で、上下左右と意思の疎通を図り、合意を図るのが「撤収」という作業なのだ。
桜林さんのような心あるジャーナリストのお陰で、少しは日の当たるようになった自衛隊だ。感謝以外の言葉はないと思う。自衛隊さんに代わりお礼を申し述べたい。
彼ら、彼女たちは、相変わらず、我が国を防衛するために(これが自衛隊の主たる任務です)日夜訓練演習に励んでいるのです。彼ら・彼女たちを応援してあげてください。
酒楽
<PS>
今日は、東日本大震災からちょうど10年目です。お亡くなりになられた方々のご冥福を祈りたいと思います。
10年前の津波の映像は忘れることができない。復興は今も継続している。福島原発の廃炉と廃棄物の処分が終わり、福島が元の通りになるまで復興は終わらないだろう。
震災の傷跡は、大きく深く、そして継続している。だが、大東亜戦争に敗れた後の日本の復興を考えると、望みはある。大和は、災害と飢饉が宿命づけられた国なのだ。海外との交易が停止すれば、大飢饉になる。それが大和の宿命なのだ。
そして、それを営々と克服し続けてきたのが大和の歴史であり大和民族なのだ。決してくじけることの無い所業を営々と行い紡いでいく、これが日本人だ。
だから酒楽は日本の未来を楽観している。日本と日本人の輝かしい未来を信じることが日本人の証明なのだ。酒楽は、日本人として、日本に生まれたことをこの上なく幸せだといつも思っている。
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