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最後の輝きにならないことを願う

 ミリオタの話です。さて、この話のネタは、ドイツの軍事的天才モルトケの言葉として有名です。

 彼は、軍の人事をするうえで、能力とやる気で大雑把な括りをしました。

① 能力もやる気もある
② 能力もやる気もない
③ 能力はあるがやる気がない
④ 能力はないがやる気はある

 能力とやる気を区分するとこうなります。

 ①参謀に向いている。軍隊を運営するために優秀な参謀となる。
 
 ②兵隊さんに向いている。能力もやる気もないが、言われたことは実行するだろう。兵隊にうってつけだ。

 ③指揮官向きだ。特に大部隊の指揮官に適だ。能力があって、部隊の大きな方向付けができる、大部隊を指揮して勝利する能力がある。細かいことは参謀に任せればいい。

④速やかに銃殺せよ。軍にとっては、マイナスにしかならない。

 如何ですか?なかなか興味深い考え方だと思う。酒楽はミリオタなので、こういう話は大好きだ。特に④の人。軍人というだけではなく、普通の会社にもいるね、こういう人。やたらまじめで、やる気があり、杓子定規。でも能力はない。こういう人は組織に害をなすという訳だ、

 その通りだと酒楽も思う。だから射殺せよと。モルトケは恐ろしい人間だ。

 この言葉で思いつくのは、大山巌と児玉源太郎の関係だ。茫洋としているが、周りの人を包み込むような大きさを感じさせる大山巌。決して能力がないわけではない。

 ドイツ参謀本部から派遣されて、帝国陸軍を教育したメッケルをして、天才と言わしめた児玉源太郎。この二人の絶妙のコンビが日露戦争を勝利に導いたと言っても過言ではないだろう。

 児玉の経歴からは、彼が支那派遣軍総司令官になってもおかしくはなかったが、自ら申し出て、大山の参謀となった。この辺は、戊辰戦争~明治維新を潜り抜けた、武士の系譜を継いだものにしかわからない機知だと酒楽は思うのである。

 日本海海戦を勝利に導いた東郷平八郎連合艦隊司令長官の人選もまた、山本権兵衛の人を見る目が素晴らしかったというべきだろう。その下に秋山真之という天才を付けたのもそうだ。

 大東亜戦争においては、数多の勇将、猛将が輩出したが、国を率いるほどの人材はいなかった。明治国家のシステムが劣化したということだろう。

 昭和20年の敗戦を機に、大日本帝国は、日本国として再出発したが、システムというか制度の劣化が著しいと酒楽は感ずるのである。

 その劣化の中で、安倍総理だけが輝いている。それが戦後日本の最後の輝きにならないことを酒楽は願っている。

<PS>
 忘れていた、重要な人物を。大日本帝国の事実上最後の総理大臣 鈴木貫太郎を。

 昭和20年8月15日、昭和天皇の終戦の詔勅と同時に内閣総理大臣告諭が発出された。

 鈴木貫太郎は、ある意味救国の英雄と言うべきだろう。帝国海軍が育てた理想の軍人にして政治家が鈴木貫太郎だ。

 昭和天皇の聖断が下ったのは、鈴木の尽力による。鈴木以外ではなしえなかったかもしれない。彼の胆力が陛下の聖断と、玉音放送を実現させた。

 そして、我が国を救った。

 本日畏クモ大詔ヲ拜ス帝國ハ大東亞戰爭ニ從フコト實ニ四年ニ近ク而モ遂ニ 聖慮ヲ以テ非常ノ措置ニ依リ其ノ局ヲ結ブノ他途ナキニ至ル臣子トシテ恐懼謂フベキ所ヲ知ラザルナリ

 総理大臣告諭の冒頭である。全文は、ネットで簡単に検索できるので、関心のある方は読んでみていただきたい。終戦の詔勅に負けずとも劣らない名文です。鈴木貫太郎の人となりが、素直に出ている。

 我々日本人は、昭和天皇と、鈴木貫太郎に感謝せねばなならないと酒楽は思う。

 彼は尊敬に値する偉人だ。
 
 
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