私立中高「切り札」は共学化 校名変えたら…受験者急増 変わる進学
柏木友紀、高室杏子、川口敦子2021年3月8日 8時00分朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASP355FTYP2KUTIL033.html?iref=comtop_7_03
朝日新聞デジタルを検索していたら上記の記事が目についた。
記事は、私立中高で、共学化したら人気が出て受検者が急増したという趣旨で書かれている。
さて、私立中高一貫校は、子弟の教育を考えるうえで、一度は関心を持つ親が多いのではなかろうか。それは、公教育を信用できないという反面教師だともいえるだろう。
この記事に関心を持ったのは、共学化によって人気が出て、受検者が急増したという表題だったからだ。酒楽の考えには合わないので、違和感を持ったのである。
引用した記事は、朝日新聞デジタルだが、文末に参考になる記事を3つほど引用してあるので、関心のある方は参照していただきたい。
グダグダ言わずに結論を言おう。共学化したから人気が出たのではない。たまたま共学化と同時に行われた学校改革が保護者の人気を呼んだのである。これが酒楽の結論だ。もちろん、朝日の記事及び文末に引用した記事を読んで、酒楽とは異なる結論に至った読者がいても驚かない。人には人の考え方があるのだ。こういうのに正解も間違いもない。自分はどう考えるか、が重要なのだ。
人気が出た理由は、教育体制を抜本的に改革したこと、学校の立地が良かったこと、保護者に対するプレゼンに力を入れ、保護者に強くアピールできたこと、最後に、偏差値の隙間が見事にマッチングしたこと、この4つだと思う。
偏差値については、若干の説明が必要だ。つまり、子弟を通わそうと考える地域に、子弟の実力にあった学校がなかった。あっても性別が異なっていた。だから、共学化したことで、通えるようになったということだ。
それが、たまたま共学化と一緒になったのがタイミング的なポイントだと思う。もちろん、朝日が言うように、共学化も人気の一つになったのかもしれない。それは、保護者に対するアンケートでもしないと明らかにはならないだろう。
だから、明らかにならない事象に関して、角度をつけて、共学化が人気の秘密、のように解釈するのは明らかにおかしいと酒楽は思っている。
もっとダイレクトに言えば、共学でも男子校でも女子校でもいい、いい大学、有名大学に入れるならどこでもいい、保護者は普通こう考えるのだ。共学だから行かせようと考える保護者は、ごく一部だろう。
一流の大学に子供を入学させたい、というのが親の切なる願いなのだ。共学だろうと何だろうと関係ない。ましてや英語教育だとか、留学だとかも関係ない。
極端に言うなら、東大、一橋、東工大、早慶上智、旧帝大そして医学部・医大、こういうところに合格させたいと親は願っているのだ。そこに共学かどうかはほとんど関係ない。
一流大学進学を願う親ばかりでもない。音楽や絵画、その他一芸に秀でることを願う親と子がいる。それはまた違う意味で私立に期待する。私立に期待するのは、公教育には期待できない教育環境があるからだと思う。単なる共学を願うなら、近くの公立中学高校を志望するすればいいだけの話だ。
つまり、私立だけが持っている教育環境を望み、その上で共学ならなお望ましいと考えるのが普通だろう。共学を望むのは、第2の希望なのだ。
これって、普通の人なら当然そう思っているだろう。だから、朝日の記事に違和感を持ったのだ。どうしても共学がいい、という結論にもっていきたいがための論理構成、ということだろう。
つまり、朝日は男女共学が理想であって、男子校、女子校は朝日の理念に合わないから、共学化したら人気が出た、ということにしたいのだろうな。
さて、白紙に帰って、男女共学がいいと思うか、男女別がいいと思うかは、簡単に結論の出る問題ではない。酒楽の考えは、それこそ親と子の価値観によると思う。そういう選択肢が世の中にあることは良いことだと酒楽は思うのだ。どちらがいいというものでもあるまい。それぞれにいい点とそうでない点がある。どちらでも好きな方を選んでください、という環境が望ましい。
そういう意味では、選択肢の多い大都市圏に住む家族は幸福なのかもしれない。田舎出の酒楽はそう思う。
さて結論。朝日が何を主張しようが、酒楽には関係ないが、こういう保護者を惑わすような記事はいただけないと酒楽は思う。もっとも、朝日のこのような記事に惑わされて、子供の進学を考える保護者はほとんどいないと思うが。いかがであろうか。
<PS>
1月から2月上旬にかけては、私立中高一貫校の受検が目白押しだった。今年も悲喜こもごもあったのだろうと想像する。
たまたま某大手進学塾の偏差値一覧を見る機会があった。私立中学にも栄枯盛衰があるなと言うのが正直な感想だ。ネームバリューに胡坐をかいていると、偏差値はどんどん落ちる。不断の努力をしない学校は自然淘汰されて生徒を集められないのだ。
そこが私立のいいところだと思う。だから子弟を私立に通わすことのできる保護者は、真剣に志望校を考えるのだ。
公教育にそれは望めない。東京都は、公立校の復権を目指していろいろ改革しているのはいいことだと思う。ただ、教育費の無償化と言う傾向を考えると、私立に軍配が上がり、公立の長期低落は否めないのかもしれない。
それは、公教育に競争原理が働いていないことの証左であり、公務員先生の根本的な弱点だからだ。これを是正しない限り、公立は、いずれ補欠の集まりになるかもしれない。一部を除き。抜本的な改革が必要だろうと酒楽は考える。
中学受験鉄人会
No.965 『広尾学園小石川が偏差値を爆上げする3つの理由と唯一の誤算(前編)』
https://chugakujuken.net/magazine/12693
No.966 『広尾学園小石川が偏差値を爆上げする3つの理由と唯一の誤算(後編)』
https://chugakujuken.net/magazine/12698
日本は学歴階級社会?使いがちな「私ができたんだから」
https://www.asahi.com/articles/ASP2D3J6RP21UPQJ00L.html?iref=pc_rellink_06
共学校人気 選ばれる学校は未来のビジョンを提示 2017.06.07 日経DUAL
https://dual.nikkei.com/article/105/62/
柏木友紀、高室杏子、川口敦子2021年3月8日 8時00分朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASP355FTYP2KUTIL033.html?iref=comtop_7_03
朝日新聞デジタルを検索していたら上記の記事が目についた。
記事は、私立中高で、共学化したら人気が出て受検者が急増したという趣旨で書かれている。
さて、私立中高一貫校は、子弟の教育を考えるうえで、一度は関心を持つ親が多いのではなかろうか。それは、公教育を信用できないという反面教師だともいえるだろう。
この記事に関心を持ったのは、共学化によって人気が出て、受検者が急増したという表題だったからだ。酒楽の考えには合わないので、違和感を持ったのである。
引用した記事は、朝日新聞デジタルだが、文末に参考になる記事を3つほど引用してあるので、関心のある方は参照していただきたい。
グダグダ言わずに結論を言おう。共学化したから人気が出たのではない。たまたま共学化と同時に行われた学校改革が保護者の人気を呼んだのである。これが酒楽の結論だ。もちろん、朝日の記事及び文末に引用した記事を読んで、酒楽とは異なる結論に至った読者がいても驚かない。人には人の考え方があるのだ。こういうのに正解も間違いもない。自分はどう考えるか、が重要なのだ。
人気が出た理由は、教育体制を抜本的に改革したこと、学校の立地が良かったこと、保護者に対するプレゼンに力を入れ、保護者に強くアピールできたこと、最後に、偏差値の隙間が見事にマッチングしたこと、この4つだと思う。
偏差値については、若干の説明が必要だ。つまり、子弟を通わそうと考える地域に、子弟の実力にあった学校がなかった。あっても性別が異なっていた。だから、共学化したことで、通えるようになったということだ。
それが、たまたま共学化と一緒になったのがタイミング的なポイントだと思う。もちろん、朝日が言うように、共学化も人気の一つになったのかもしれない。それは、保護者に対するアンケートでもしないと明らかにはならないだろう。
だから、明らかにならない事象に関して、角度をつけて、共学化が人気の秘密、のように解釈するのは明らかにおかしいと酒楽は思っている。
もっとダイレクトに言えば、共学でも男子校でも女子校でもいい、いい大学、有名大学に入れるならどこでもいい、保護者は普通こう考えるのだ。共学だから行かせようと考える保護者は、ごく一部だろう。
一流の大学に子供を入学させたい、というのが親の切なる願いなのだ。共学だろうと何だろうと関係ない。ましてや英語教育だとか、留学だとかも関係ない。
極端に言うなら、東大、一橋、東工大、早慶上智、旧帝大そして医学部・医大、こういうところに合格させたいと親は願っているのだ。そこに共学かどうかはほとんど関係ない。
一流大学進学を願う親ばかりでもない。音楽や絵画、その他一芸に秀でることを願う親と子がいる。それはまた違う意味で私立に期待する。私立に期待するのは、公教育には期待できない教育環境があるからだと思う。単なる共学を願うなら、近くの公立中学高校を志望するすればいいだけの話だ。
つまり、私立だけが持っている教育環境を望み、その上で共学ならなお望ましいと考えるのが普通だろう。共学を望むのは、第2の希望なのだ。
これって、普通の人なら当然そう思っているだろう。だから、朝日の記事に違和感を持ったのだ。どうしても共学がいい、という結論にもっていきたいがための論理構成、ということだろう。
つまり、朝日は男女共学が理想であって、男子校、女子校は朝日の理念に合わないから、共学化したら人気が出た、ということにしたいのだろうな。
さて、白紙に帰って、男女共学がいいと思うか、男女別がいいと思うかは、簡単に結論の出る問題ではない。酒楽の考えは、それこそ親と子の価値観によると思う。そういう選択肢が世の中にあることは良いことだと酒楽は思うのだ。どちらがいいというものでもあるまい。それぞれにいい点とそうでない点がある。どちらでも好きな方を選んでください、という環境が望ましい。
そういう意味では、選択肢の多い大都市圏に住む家族は幸福なのかもしれない。田舎出の酒楽はそう思う。
さて結論。朝日が何を主張しようが、酒楽には関係ないが、こういう保護者を惑わすような記事はいただけないと酒楽は思う。もっとも、朝日のこのような記事に惑わされて、子供の進学を考える保護者はほとんどいないと思うが。いかがであろうか。
<PS>
1月から2月上旬にかけては、私立中高一貫校の受検が目白押しだった。今年も悲喜こもごもあったのだろうと想像する。
たまたま某大手進学塾の偏差値一覧を見る機会があった。私立中学にも栄枯盛衰があるなと言うのが正直な感想だ。ネームバリューに胡坐をかいていると、偏差値はどんどん落ちる。不断の努力をしない学校は自然淘汰されて生徒を集められないのだ。
そこが私立のいいところだと思う。だから子弟を私立に通わすことのできる保護者は、真剣に志望校を考えるのだ。
公教育にそれは望めない。東京都は、公立校の復権を目指していろいろ改革しているのはいいことだと思う。ただ、教育費の無償化と言う傾向を考えると、私立に軍配が上がり、公立の長期低落は否めないのかもしれない。
それは、公教育に競争原理が働いていないことの証左であり、公務員先生の根本的な弱点だからだ。これを是正しない限り、公立は、いずれ補欠の集まりになるかもしれない。一部を除き。抜本的な改革が必要だろうと酒楽は考える。
中学受験鉄人会
No.965 『広尾学園小石川が偏差値を爆上げする3つの理由と唯一の誤算(前編)』
https://chugakujuken.net/magazine/12693
No.966 『広尾学園小石川が偏差値を爆上げする3つの理由と唯一の誤算(後編)』
https://chugakujuken.net/magazine/12698
日本は学歴階級社会?使いがちな「私ができたんだから」
https://www.asahi.com/articles/ASP2D3J6RP21UPQJ00L.html?iref=pc_rellink_06
共学校人気 選ばれる学校は未来のビジョンを提示 2017.06.07 日経DUAL
https://dual.nikkei.com/article/105/62/
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