酒楽独語

　ここのところ、中国のウィグル弾圧をジェノサイド（虐殺）だとアメリカをはじめとする欧米諸国が非難している。

［ブリュッセル／ワシントン　２３日　ロイター］ - 欧州連合（ＥＵ）と英国、米国、カナダは２２日、中国が新疆ウイグル自治区で重大な人権侵害を行っているとして、中国政府当局者に対する制裁措置を発表した。１月にバイデン米政権が発足してから初めての協調行動で、欧米は中国政府による少数民族ウイグル族の扱いに対する責任を追及する。

　そんな中で、ジェノサイド認定に慎重というか、認定していないのが、他ならぬ我が国だ。

　米国国務省は、日本がジェノサイドだと認定していないことについて、それは日本が判断することだとコメントしているようだが、外交辞令なのは明らかだ。

　何故、日本は及び腰なのか？文末に、人民網の記事を引用したが、中国は、日本政府がウィグルをジェノサイドだと認めていない、という発言を引用している。

　同じ自由民主主義陣営とは思えない行動だ。欧米各国が口を極めて中国を非難し、制裁を発動しているのに、我が国は、ジェノサイド認定さえ拒否している。中国に対する忖度以外の何物でもないだろう。

　米英加豪新5カ国は、中国のジェノサイドを批判している。これは、ファイブアイズと呼ばれる国々だ。5カ国で、機密情報を共有しているので、ファイブアイズと呼ばれている。アングロサクソン同盟みたいなものだ。

　このファイブアイズに日本も参加しようという動きが昨年から活発になってきた。だが、今回の我が国政府の態度を見ていると、とても参加できるとは思えない。

　向こうからお断りされるのが落ちだろう。中国に忖度して、ジェノサイドを認定していない国を西側諸国は信用しないだろう。外務省は、国益を毀損している。

　我が国は、他国の人権侵害に鈍感だ。今回も同じだ。こういう態度を継続していると、日本は、人権に無頓着な国だと思われる。

　事実、日本ウィグル協会は、何もしない我が国政府に対して、失望の色を隠していない。

　理由の一つは、我が国が、ジェノサイド条約を批准していないことがあげられる。次回は、そのジェノサイド条約について紹介したい。


日本「中国が新疆で民族大量虐殺をしていると認めず」　外交部のコメント
人民網日本語版　2021年01月28日13:39
http://j.people.com.cn/n3/2021/0128/c94474-9813911.html

【日本の選択】間違いであってほしい驚愕報道　日本外交、中国のウイグル弾圧を「ジェノサイド」と認めず　いかなる国家の人権弾圧も許さぬ姿勢を
2021.1.30　ＺＡＫＺＡＫ
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210130/pol2101300003-n1.html