中国の台湾侵攻「大多数が考えるより間近だ」 次期米太平洋軍司令官
2021.3.24 産経新聞
https://www.sankei.com/world/news/210324/wor2103240011-n1.html
バイデン米大統領から次期インド太平洋軍司令官に指名されたジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官(海軍大将)は23日、上院軍事委員会の指名承認公聴会で証言した。アキリーノ氏は、中国による台湾侵攻が「大多数の人たちが考えるよりも非常に間近に迫っている」と警告し、対応策をとるべきだと訴えた。(産経新聞から引用)
記事の冒頭部分を引用した。
米太平洋軍は、かつて、日系米人のハリー・ハリス海軍大将が指揮統率していた軍である。ハワイを拠点に遠くインド洋までを管轄する東半球最大の米軍だ。
その次期司令官に予定されているジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官(海軍大将)が23日指名承認公聴会で証言し、中国による台湾侵攻が間近に迫っている、と発言した。
軍司令官の認識は、米軍即ち米国防総省の認識だということだ。先日、ブリンケン国務長官とともに来日したオースティン国防長官も同じ認識だということだろう。
さて、では台湾侵攻は「何時」なのだろうか?こういう予想をするのは、将来の対中戦を考えるうえで、効果的だ。各自衛隊では、台湾侵攻や、それに付随する尖閣侵攻を具体的に想定して、そのための対処計画を既に定めているものと想像される。
当然、現有編成装備を前提としている。それはそれでけっこうだ。だが、ジョン・アキリーノ海軍大将は、「中国軍の軍事的進出を押さえ込む「太平洋抑止構想」の実現に向けてインド太平洋軍が議会に要求した、2022会計年度(21年10月~22年9月)から6年間で270億ドル(約2兆9000億円)に及ぶ予算を承認するよう要請した。(以上産経新聞から引用)と発言しているのだ。
そして、我が国に対しても相応の軍事的努力をすべきだと述べている。具体的には、「米軍との相互運用が可能な形で防空やミサイル防衛、制空、海上警備と情報収集・警戒監視・偵察(ISR)の能力を強化させていくべきだ」ということだ。
米国から指摘されている軍事力増強について、我が国は如何様に考えているのだろうか。メディアの報道や防衛白書からは、個別案件についての意思表明はあるが、対中国のために、米軍の増強に合わせて、日本が努力すべき具体的な政策や予算については明らかになっていない。つまり、中期防衛力整備計画の修正はしているが、具体的に中国を想定した防衛力増強の青写真はないということだ。
お寒い限りである。現状の中期防衛力整備計画で、米国が期待する防衛力の水準には達しないだろう。中国も我が国の防衛政策と、防衛予算を見て、同じように判断しているに違いない。
つまり、今のままでは、対中抑止は破綻しているということだ。ジョン・アキリーノ海軍大将が望むような努力を日本はしていないし、近い将来望むべくもないと言っているのだ。中国もそのように認識している。
このへんが、台湾侵攻が間近であると判断する根拠だ。我が国の態勢も根拠のひとつになっているに違いない。台湾侵攻と尖閣侵攻は連携しているので、台湾侵攻イコール尖閣侵攻だという認識が必要だ。
要するに、防衛努力をしない日本の態勢が、中国の台湾・尖閣侵攻意図を助長しているということなのだ。抑止できなければ、戦争になる可能性が大きいということだ。我が国の政府にそのような危機感は全く見えない。それが危険だ。
防衛努力によって、対中抑止を成立させるのと、抑止が失敗して戦争になって被る人的、物的、金銭的被害を比較すれば、抑止の努力の方が安いに決まっている。
同盟国米国は、落胆しているに違いない。何度も言っているが、国益の共有だけが同盟を成立させる根拠なのだ。対中抑止のための努力をしない我が国が、同盟国米国に見捨てられる日が来ないことを祈るのみである。
<PS>
米国の危機感を我が国は共有していない。我が国は、当事者であるにもかかわらずだ。自国の防衛を他国に依存する国は、亡びるのが運命だ。世界史でもそうだし、中国史でもそうだ。
春秋戦国の覇者「秦」の前に、そういった国は併呑され滅亡していった。我が国を救うには、米国と共に中国と戦い、中国を滅亡させるほかに生き残る道はないと知れ。
2021.3.24 産経新聞
https://www.sankei.com/world/news/210324/wor2103240011-n1.html
バイデン米大統領から次期インド太平洋軍司令官に指名されたジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官(海軍大将)は23日、上院軍事委員会の指名承認公聴会で証言した。アキリーノ氏は、中国による台湾侵攻が「大多数の人たちが考えるよりも非常に間近に迫っている」と警告し、対応策をとるべきだと訴えた。(産経新聞から引用)
記事の冒頭部分を引用した。
米太平洋軍は、かつて、日系米人のハリー・ハリス海軍大将が指揮統率していた軍である。ハワイを拠点に遠くインド洋までを管轄する東半球最大の米軍だ。
その次期司令官に予定されているジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官(海軍大将)が23日指名承認公聴会で証言し、中国による台湾侵攻が間近に迫っている、と発言した。
軍司令官の認識は、米軍即ち米国防総省の認識だということだ。先日、ブリンケン国務長官とともに来日したオースティン国防長官も同じ認識だということだろう。
さて、では台湾侵攻は「何時」なのだろうか?こういう予想をするのは、将来の対中戦を考えるうえで、効果的だ。各自衛隊では、台湾侵攻や、それに付随する尖閣侵攻を具体的に想定して、そのための対処計画を既に定めているものと想像される。
当然、現有編成装備を前提としている。それはそれでけっこうだ。だが、ジョン・アキリーノ海軍大将は、「中国軍の軍事的進出を押さえ込む「太平洋抑止構想」の実現に向けてインド太平洋軍が議会に要求した、2022会計年度(21年10月~22年9月)から6年間で270億ドル(約2兆9000億円)に及ぶ予算を承認するよう要請した。(以上産経新聞から引用)と発言しているのだ。
そして、我が国に対しても相応の軍事的努力をすべきだと述べている。具体的には、「米軍との相互運用が可能な形で防空やミサイル防衛、制空、海上警備と情報収集・警戒監視・偵察(ISR)の能力を強化させていくべきだ」ということだ。
米国から指摘されている軍事力増強について、我が国は如何様に考えているのだろうか。メディアの報道や防衛白書からは、個別案件についての意思表明はあるが、対中国のために、米軍の増強に合わせて、日本が努力すべき具体的な政策や予算については明らかになっていない。つまり、中期防衛力整備計画の修正はしているが、具体的に中国を想定した防衛力増強の青写真はないということだ。
お寒い限りである。現状の中期防衛力整備計画で、米国が期待する防衛力の水準には達しないだろう。中国も我が国の防衛政策と、防衛予算を見て、同じように判断しているに違いない。
つまり、今のままでは、対中抑止は破綻しているということだ。ジョン・アキリーノ海軍大将が望むような努力を日本はしていないし、近い将来望むべくもないと言っているのだ。中国もそのように認識している。
このへんが、台湾侵攻が間近であると判断する根拠だ。我が国の態勢も根拠のひとつになっているに違いない。台湾侵攻と尖閣侵攻は連携しているので、台湾侵攻イコール尖閣侵攻だという認識が必要だ。
要するに、防衛努力をしない日本の態勢が、中国の台湾・尖閣侵攻意図を助長しているということなのだ。抑止できなければ、戦争になる可能性が大きいということだ。我が国の政府にそのような危機感は全く見えない。それが危険だ。
防衛努力によって、対中抑止を成立させるのと、抑止が失敗して戦争になって被る人的、物的、金銭的被害を比較すれば、抑止の努力の方が安いに決まっている。
同盟国米国は、落胆しているに違いない。何度も言っているが、国益の共有だけが同盟を成立させる根拠なのだ。対中抑止のための努力をしない我が国が、同盟国米国に見捨てられる日が来ないことを祈るのみである。
<PS>
米国の危機感を我が国は共有していない。我が国は、当事者であるにもかかわらずだ。自国の防衛を他国に依存する国は、亡びるのが運命だ。世界史でもそうだし、中国史でもそうだ。
春秋戦国の覇者「秦」の前に、そういった国は併呑され滅亡していった。我が国を救うには、米国と共に中国と戦い、中国を滅亡させるほかに生き残る道はないと知れ。
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