「中国が南シナ海に中距離弾道ミサイル4発」と米高官
2020.8.27 09:18|国際|米州 産経新聞
【ワシントン=黒瀬悦成、武漢=西見由章】米国防当局者は26日、中国軍が中国本土から南シナ海に向けて中距離弾道ミサイル4発を発射したと明らかにした。国防当局者によると、ミサイルは南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島と海南島の間の海域に着弾した。ミサイルの具体的な種類については「引き続き調査中」としている。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は、ミサイルは中国内陸部の青海省と沿岸部の浙江省からそれぞれ発射されたと伝えたが、国防当局者は「確認できない」とするにとどめた。
同紙はミサイルの種類に関し、グアムの米軍基地を射程に収める「東風(DF)26」(射程約4千キロ)と、「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイル「DF21D」(同1500キロ以上)だったとしている。
米太平洋艦隊報道官は「南シナ海を含むインド太平洋地域では現在、米海軍の艦船38隻が航行中だ」とした上で、「米軍は国際法で認められた全ての領域を飛行、航行して『自由で開かれたインド太平洋』に向けた取り組みを示すと同時に、同盟・パートナー諸国に(地域への関与を)確約していく」と強調した。
一方、中国国防省の呉謙報道官は27日の記者会見で、中距離弾道ミサイル発射については確認しなかった。米軍高官は昨年7月、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島周辺で中国側が新型の対艦弾道ミサイル6発を発射したと明らかにしている。
(引用終わり)
米中覇権争いは、互いに一歩も引かない様相を呈している。今度は、中国がアメリカを威嚇した。南シナ海を遊弋する米空母の近海、海南島沖に中距離弾道ミサイルを発射したのだ。
次は、ロイターの報道だ。
2020年8月27日 / 15:13 / 1日前更新
焦点:台湾巡り米中が「演習」の応酬、高まる軍事衝突リスク
[台北/北京 26日 ロイター] - 台湾を巡って米中両国による偶発的な軍事衝突発生への懸念が高まりつつある。周辺海域では米中双方が次々に軍事演習を行い、領空を侵犯した中国の戦闘機に台湾がミサイルを追尾発射する事態も発生。米中関係が悪化している情勢下であり緊張感が高まっている。
台湾を巡って米中両国による偶発的な軍事衝突発生への懸念が高まりつつある。写真は台湾が開発した戦闘機IDF。7月に台中で行われた軍事演習で撮影(2020年 ロイター/Ann Wang)
中国は過去3週間で、北の渤海湾から東部沿岸、黄海、南シナ海という4つの沿岸地域で演習を実施。他の演習とともに「台湾海峡全般にわたる現在の安全保障状況」を念頭に置いたと説明している。
一方で台湾は、今月のアザー米厚生長官の訪問中、侵入してきた中国戦闘機を地対空ミサイルで追尾したと発表した。いつも通り詳細は明らかにしていない。
台湾国防部は25日、対立を助長したり、偶発的な衝突を誘発したりするつもりはないとしながらも、中国の戦闘機が台湾に接近すればするほど、台湾は「より積極的に」対応すると断言した。
米国は、空母打撃群が南シナ海で演習を実行した数日後に台湾海峡へ新たな艦艇を派遣した。今週には中国が、演習中の飛行禁止区域に米偵察機が侵入したと非難している。
上海政法学院元教授で軍事専門家のNi Lexiong氏は、人民解放軍が複数の演習を同時に行うのは、異例であり初めての可能性があると指摘。「これらの海域における複数の演習は、中国が例えば台湾、日本、南シナ海の米軍という3つの方向から同時に迫る敵とどの程度戦える能力があるのか試していることを意味する。歴史的に見れば、頻繁な演習が戦争の前兆であるのは紛れもない」と強調した。
(引用終わり)
人民解放軍と日米連合の軍事的緊張が高まっている。ポンぺオ国務長官も、エスパー国防長官も一歩も引かないと発言している。中共の報道官は、米国を非難している。非難の応酬だけなら、事態に余裕があるが、軍事的緊張を伴う場合は、事態が急激にエスカレーションする場合があるので要注意だ。 特に、中共首脳部と人民解放軍は。
米国権力中枢と米軍は、日常から、この種のエスカレーションした場合のトレーニングを定期的に行っていて、ある意味慣れている。そして、準備ができている。いろいろなシナリオを想定して、大統領以下がトレーニングしているのだ。それは、偶発的事態に対して、冷静かつ、国益を最大化するための事前訓練である。覇権国米国の面目躍如と言えるだろう。
対して、中共首脳部にそのようなことはできない。なぜなら、独裁政権だからだ。独裁政権の独裁政権たる所以は、独裁者の判断にすべてを委ねることにあるからだ。独裁者がシナリオに応じて、トレーニングするなど全く想定できない。だから、中共首脳部の危機管理能力には、大いに疑問がある。はっきり言えば、危険極まりない。
今回の中距離弾道ミサイルの発射は、どこまで政治的・軍事的効果を検討して実行されたのか?エスカレーションした場合の対応をどこまで検討しているのか?甚だ疑問である。
米国は、当然、そういった中共首脳部の意図を読んで、次の対応を検討しているだろう。数多あるシナリオの中からどれを選択するかの検討を。
我が国の対応は大丈夫なのか?総理が交代するようだが。
南シナ海波高し。
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2020.8.27 09:18|国際|米州 産経新聞
【ワシントン=黒瀬悦成、武漢=西見由章】米国防当局者は26日、中国軍が中国本土から南シナ海に向けて中距離弾道ミサイル4発を発射したと明らかにした。国防当局者によると、ミサイルは南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島と海南島の間の海域に着弾した。ミサイルの具体的な種類については「引き続き調査中」としている。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は、ミサイルは中国内陸部の青海省と沿岸部の浙江省からそれぞれ発射されたと伝えたが、国防当局者は「確認できない」とするにとどめた。
同紙はミサイルの種類に関し、グアムの米軍基地を射程に収める「東風(DF)26」(射程約4千キロ)と、「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイル「DF21D」(同1500キロ以上)だったとしている。
米太平洋艦隊報道官は「南シナ海を含むインド太平洋地域では現在、米海軍の艦船38隻が航行中だ」とした上で、「米軍は国際法で認められた全ての領域を飛行、航行して『自由で開かれたインド太平洋』に向けた取り組みを示すと同時に、同盟・パートナー諸国に(地域への関与を)確約していく」と強調した。
一方、中国国防省の呉謙報道官は27日の記者会見で、中距離弾道ミサイル発射については確認しなかった。米軍高官は昨年7月、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島周辺で中国側が新型の対艦弾道ミサイル6発を発射したと明らかにしている。
(引用終わり)
米中覇権争いは、互いに一歩も引かない様相を呈している。今度は、中国がアメリカを威嚇した。南シナ海を遊弋する米空母の近海、海南島沖に中距離弾道ミサイルを発射したのだ。
次は、ロイターの報道だ。
2020年8月27日 / 15:13 / 1日前更新
焦点:台湾巡り米中が「演習」の応酬、高まる軍事衝突リスク
[台北/北京 26日 ロイター] - 台湾を巡って米中両国による偶発的な軍事衝突発生への懸念が高まりつつある。周辺海域では米中双方が次々に軍事演習を行い、領空を侵犯した中国の戦闘機に台湾がミサイルを追尾発射する事態も発生。米中関係が悪化している情勢下であり緊張感が高まっている。
台湾を巡って米中両国による偶発的な軍事衝突発生への懸念が高まりつつある。写真は台湾が開発した戦闘機IDF。7月に台中で行われた軍事演習で撮影(2020年 ロイター/Ann Wang)
中国は過去3週間で、北の渤海湾から東部沿岸、黄海、南シナ海という4つの沿岸地域で演習を実施。他の演習とともに「台湾海峡全般にわたる現在の安全保障状況」を念頭に置いたと説明している。
一方で台湾は、今月のアザー米厚生長官の訪問中、侵入してきた中国戦闘機を地対空ミサイルで追尾したと発表した。いつも通り詳細は明らかにしていない。
台湾国防部は25日、対立を助長したり、偶発的な衝突を誘発したりするつもりはないとしながらも、中国の戦闘機が台湾に接近すればするほど、台湾は「より積極的に」対応すると断言した。
米国は、空母打撃群が南シナ海で演習を実行した数日後に台湾海峡へ新たな艦艇を派遣した。今週には中国が、演習中の飛行禁止区域に米偵察機が侵入したと非難している。
上海政法学院元教授で軍事専門家のNi Lexiong氏は、人民解放軍が複数の演習を同時に行うのは、異例であり初めての可能性があると指摘。「これらの海域における複数の演習は、中国が例えば台湾、日本、南シナ海の米軍という3つの方向から同時に迫る敵とどの程度戦える能力があるのか試していることを意味する。歴史的に見れば、頻繁な演習が戦争の前兆であるのは紛れもない」と強調した。
(引用終わり)
人民解放軍と日米連合の軍事的緊張が高まっている。ポンぺオ国務長官も、エスパー国防長官も一歩も引かないと発言している。中共の報道官は、米国を非難している。非難の応酬だけなら、事態に余裕があるが、軍事的緊張を伴う場合は、事態が急激にエスカレーションする場合があるので要注意だ。 特に、中共首脳部と人民解放軍は。
米国権力中枢と米軍は、日常から、この種のエスカレーションした場合のトレーニングを定期的に行っていて、ある意味慣れている。そして、準備ができている。いろいろなシナリオを想定して、大統領以下がトレーニングしているのだ。それは、偶発的事態に対して、冷静かつ、国益を最大化するための事前訓練である。覇権国米国の面目躍如と言えるだろう。
対して、中共首脳部にそのようなことはできない。なぜなら、独裁政権だからだ。独裁政権の独裁政権たる所以は、独裁者の判断にすべてを委ねることにあるからだ。独裁者がシナリオに応じて、トレーニングするなど全く想定できない。だから、中共首脳部の危機管理能力には、大いに疑問がある。はっきり言えば、危険極まりない。
今回の中距離弾道ミサイルの発射は、どこまで政治的・軍事的効果を検討して実行されたのか?エスカレーションした場合の対応をどこまで検討しているのか?甚だ疑問である。
米国は、当然、そういった中共首脳部の意図を読んで、次の対応を検討しているだろう。数多あるシナリオの中からどれを選択するかの検討を。
我が国の対応は大丈夫なのか?総理が交代するようだが。
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