インドに拠点を置くシンクタンク「オブザーバー研究財団」でシニア研究員を務める元インド海軍士官のアビジット・シン氏は「インドと米国は互いにインド洋に関して相容れない期待を抱いている」という興味深い主張の記事を外交政策と国家安全保障の問題について議論するフォーラム「War on the Rocks」に寄稿して注目を集めている。
この文章は、航空万能論GFというブログから引用した。URLは以下の通りです。
https://grandfleet.info/indo-pacific-related/indias-true-intentions-not-aggressive-in-quad-participation/
そして、シン氏の論文は、以下のサイトに投稿されている。
インド洋の米海軍:インドの「ゴルディロックス」ジレンマ
アビジットシン 2021年5月11日
https://warontherocks.com/2021/05/the-u-s-navy-in-the-indian-ocean-indias-goldilocks-dilemma/?singlepage=1
酒楽は、ミリオタなので、航空万能論GFというブログは、いつも拝見させていただいている。管理人の詳細は明らかにされていないが、素人ではないと思われる。
さて、原サイトは、「War on the Rocks」であり、そこに公開されている記事をgoogle翻訳で閲覧し、内容を確認した。
これは非常に興味深い記事である。簡単に言うと、インドは、インド周辺で地域覇権を確立し、現在のその範囲内に覇権を及ぼしているのだ。
だから、クアッドに対してインドが及び腰なのは、米国の覇権がインド洋なかんずくインド周辺に及ぶのを警戒しているのだ。
だから、シン氏は、米太平洋軍の海上基地が、シンガポールでは「近すぎる」と言っているのである。どこに?もちろん、インドに。
インドは地域覇権国家であり、インドはそれを自認しているということだ。そして、インドが考えている覇権地域内に米国と雖も影響力を行使してほしくないと主張しているわけだ。
昨年、マラバール(日米印海軍の共同演習)に久しぶりに豪州海軍が参加して話題になったのはそういう意味だ。インドは慎重なのだ。だから、マラバールに豪海軍が参加するのを素直には認めないし、歓迎しなかったのだ。
クアッドに、インドが今一つ熱心でない理由もこの論考を読むとすんなり理解できる。
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モディ首相 Wikiから引用
インドのアナリストは驚くべきではありませんでした。バイデン政権が中国に対抗する野心的な計画を発表した後、米国はインド太平洋地域での軍事的プレゼンスを高めるために動きました。ここ数週間、米海軍と米海兵隊は、南シナ海で遠征打撃群の作戦を共同で実施し、配備を強化しました。アメリカの焦点の多くは東アジア沿岸における中国のグレーゾーンの課題に取り組むことにありますが、インド洋もこれまで以上に注目を集めています。ワシントンでは、自由で開かれたインド太平洋戦略が、中国が着実に進出しているインド洋地域を無視しているという感覚が高まっています。クワッドの成熟、米国、インド、オーストラリア、日本の緩い安全保障パートナーシップにより、多くの米国のアナリストは、米海軍がインド洋地域に戻る時期が来たと信じています。
しかし、ワシントンの動きは、インドの快適さには少し多すぎます。ニューデリーは、米国との強い結びつきと、インド太平洋における中国の積極的な台頭についての共通の理解にもかかわらず、南アジア沿岸における米国の大きな足跡に警戒を続けています。インド海軍は、特に昨年6月のインドと中国の国境衝突の余波で、米海軍とのより緊密な関与を模索してきましたが、インドのオブザーバーは、インド洋東部の一般的な状況は米海軍による圧力の増大に値しないと信じています。このエッセイが説明しているように、ニューデリーとワシントンは、二国間関係が温まっているにもかかわらず、米海軍がますます活発になっているインド洋で、いくぶん相容れない期待を抱いています。 。インドのコメンテーターの間の一般的な見解は、米国とインドにとって最良の道は中間の道であり、それによって米国海軍はインド洋のより大きな安定と平和を生み出すかもしれない方法でインド海軍を物質的かつ技術的に支援することができるというものです。
少々長くなったが、同論文の核心的な部分を抜粋して引用した。つまり、インドが言いたいのは、米海軍は、インド洋にあまり近づくな、ということなのだ。「相容れない」という表現がそれを物語っている。
結論を急ごう。地域覇権国家を自認するインドと世界の覇権を握る米国とでは、国益が完全には一致しないということなのだ。
同盟の本質とは、国益の共有であると酒楽は何度も主張しているが、インドと米国の関係は、以上の通りだ。米国は、地域覇権国家インドに対してあまりにも無関心だとインドは言っているのだ。
インドが、ロシア製対空ミサイルシステムを導入しようとしていることに対して、米国は制裁を加えようとしている。これは、トルコに制裁を加えたことと軌を一にしている。米国の立場からは、トルコに制裁を加え、インドに制裁をしないというダブルスタンダードは選択できないだろう。
だが、インドの立場では、もともと非同盟主義を国是とし、どこか一辺倒には懸けたくないのだ。だから、ロシアからも継続的に兵器を導入しているのである。
これはFOIP(自由で開かれたインド太平洋構想)に暗雲をもたらすかもしれない難しい問題だと思う。クアッドを強化し、対中包囲網を強化したい米国にとって、インドはキーになる国だ。
だが、論文にあるように、米国とインドの国益は、完全には一致しない。それを米国がどう調整するかが問われている。強行突破しようとすれば、インドは脱落するかもしれない。中国は当然それを目指しているだろう。
米国は難しいかじ取りを迫られるだろう。トランプならやりおおせたであろうが、バイデンには難しかろう。安倍さんがいないことが残念だ。安倍さんなら、米国とインド双方に掛け合って、国益の妥協点を探ったに違いない。菅さんにはそれは期待できない。残念だ。
<PS>
今年は、梅雨が早いですね。風薫る五月もこう早く梅雨がやってくると台無しです。まあ、夏の暑さを考えると、梅雨もなかなかいいのですがね。鬱陶しいのですよ。濡れるし(´・_・`)
ウオーキング出来ないのも困りものです。だからといって、夏はそれこそ暑くてウオーキングなどできません。
つまり、梅雨~夏は、ウオーキングが趣味の酒楽にとっては、受難の季節なのです。
数日前も書きましたが、酒楽は若い頃、筋トレしてました。正確には筋トレを主体にしたスポーツですが。それも結構なハードトレーニングを。
えっ、嘘つけって?まあ、そう思うのも無理ないですね。今の酒楽の体形からは想像もできないですからね。やってた当時もよくそう言われました。
でもですね、今は、膝に爆弾を抱えているし、肩こりもあるし、スクワットとか腹筋とか嫌いだし…。
いつも引き合いに出す、よかれさん。(ブログ「日本と韓国は敵か味方か」の管理人さん)あの人は凄いですね。絶対に敵には回したくない人です。まあ、そう言う人、周りにけっこういますけど。筋骨隆々なんでしょうね。
だんだんボロが出そうなので、この辺でやめにします(#^.^#)ではまたー。
この文章は、航空万能論GFというブログから引用した。URLは以下の通りです。
https://grandfleet.info/indo-pacific-related/indias-true-intentions-not-aggressive-in-quad-participation/
そして、シン氏の論文は、以下のサイトに投稿されている。
インド洋の米海軍:インドの「ゴルディロックス」ジレンマ
アビジットシン 2021年5月11日
https://warontherocks.com/2021/05/the-u-s-navy-in-the-indian-ocean-indias-goldilocks-dilemma/?singlepage=1
酒楽は、ミリオタなので、航空万能論GFというブログは、いつも拝見させていただいている。管理人の詳細は明らかにされていないが、素人ではないと思われる。
さて、原サイトは、「War on the Rocks」であり、そこに公開されている記事をgoogle翻訳で閲覧し、内容を確認した。
これは非常に興味深い記事である。簡単に言うと、インドは、インド周辺で地域覇権を確立し、現在のその範囲内に覇権を及ぼしているのだ。
だから、クアッドに対してインドが及び腰なのは、米国の覇権がインド洋なかんずくインド周辺に及ぶのを警戒しているのだ。
だから、シン氏は、米太平洋軍の海上基地が、シンガポールでは「近すぎる」と言っているのである。どこに?もちろん、インドに。
インドは地域覇権国家であり、インドはそれを自認しているということだ。そして、インドが考えている覇権地域内に米国と雖も影響力を行使してほしくないと主張しているわけだ。
昨年、マラバール(日米印海軍の共同演習)に久しぶりに豪州海軍が参加して話題になったのはそういう意味だ。インドは慎重なのだ。だから、マラバールに豪海軍が参加するのを素直には認めないし、歓迎しなかったのだ。
クアッドに、インドが今一つ熱心でない理由もこの論考を読むとすんなり理解できる。
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モディ首相 Wikiから引用
インドのアナリストは驚くべきではありませんでした。バイデン政権が中国に対抗する野心的な計画を発表した後、米国はインド太平洋地域での軍事的プレゼンスを高めるために動きました。ここ数週間、米海軍と米海兵隊は、南シナ海で遠征打撃群の作戦を共同で実施し、配備を強化しました。アメリカの焦点の多くは東アジア沿岸における中国のグレーゾーンの課題に取り組むことにありますが、インド洋もこれまで以上に注目を集めています。ワシントンでは、自由で開かれたインド太平洋戦略が、中国が着実に進出しているインド洋地域を無視しているという感覚が高まっています。クワッドの成熟、米国、インド、オーストラリア、日本の緩い安全保障パートナーシップにより、多くの米国のアナリストは、米海軍がインド洋地域に戻る時期が来たと信じています。
しかし、ワシントンの動きは、インドの快適さには少し多すぎます。ニューデリーは、米国との強い結びつきと、インド太平洋における中国の積極的な台頭についての共通の理解にもかかわらず、南アジア沿岸における米国の大きな足跡に警戒を続けています。インド海軍は、特に昨年6月のインドと中国の国境衝突の余波で、米海軍とのより緊密な関与を模索してきましたが、インドのオブザーバーは、インド洋東部の一般的な状況は米海軍による圧力の増大に値しないと信じています。このエッセイが説明しているように、ニューデリーとワシントンは、二国間関係が温まっているにもかかわらず、米海軍がますます活発になっているインド洋で、いくぶん相容れない期待を抱いています。 。インドのコメンテーターの間の一般的な見解は、米国とインドにとって最良の道は中間の道であり、それによって米国海軍はインド洋のより大きな安定と平和を生み出すかもしれない方法でインド海軍を物質的かつ技術的に支援することができるというものです。
少々長くなったが、同論文の核心的な部分を抜粋して引用した。つまり、インドが言いたいのは、米海軍は、インド洋にあまり近づくな、ということなのだ。「相容れない」という表現がそれを物語っている。
結論を急ごう。地域覇権国家を自認するインドと世界の覇権を握る米国とでは、国益が完全には一致しないということなのだ。
同盟の本質とは、国益の共有であると酒楽は何度も主張しているが、インドと米国の関係は、以上の通りだ。米国は、地域覇権国家インドに対してあまりにも無関心だとインドは言っているのだ。
インドが、ロシア製対空ミサイルシステムを導入しようとしていることに対して、米国は制裁を加えようとしている。これは、トルコに制裁を加えたことと軌を一にしている。米国の立場からは、トルコに制裁を加え、インドに制裁をしないというダブルスタンダードは選択できないだろう。
だが、インドの立場では、もともと非同盟主義を国是とし、どこか一辺倒には懸けたくないのだ。だから、ロシアからも継続的に兵器を導入しているのである。
これはFOIP(自由で開かれたインド太平洋構想)に暗雲をもたらすかもしれない難しい問題だと思う。クアッドを強化し、対中包囲網を強化したい米国にとって、インドはキーになる国だ。
だが、論文にあるように、米国とインドの国益は、完全には一致しない。それを米国がどう調整するかが問われている。強行突破しようとすれば、インドは脱落するかもしれない。中国は当然それを目指しているだろう。
米国は難しいかじ取りを迫られるだろう。トランプならやりおおせたであろうが、バイデンには難しかろう。安倍さんがいないことが残念だ。安倍さんなら、米国とインド双方に掛け合って、国益の妥協点を探ったに違いない。菅さんにはそれは期待できない。残念だ。
<PS>
今年は、梅雨が早いですね。風薫る五月もこう早く梅雨がやってくると台無しです。まあ、夏の暑さを考えると、梅雨もなかなかいいのですがね。鬱陶しいのですよ。濡れるし(´・_・`)
ウオーキング出来ないのも困りものです。だからといって、夏はそれこそ暑くてウオーキングなどできません。
つまり、梅雨~夏は、ウオーキングが趣味の酒楽にとっては、受難の季節なのです。
数日前も書きましたが、酒楽は若い頃、筋トレしてました。正確には筋トレを主体にしたスポーツですが。それも結構なハードトレーニングを。
えっ、嘘つけって?まあ、そう思うのも無理ないですね。今の酒楽の体形からは想像もできないですからね。やってた当時もよくそう言われました。
でもですね、今は、膝に爆弾を抱えているし、肩こりもあるし、スクワットとか腹筋とか嫌いだし…。
いつも引き合いに出す、よかれさん。(ブログ「日本と韓国は敵か味方か」の管理人さん)あの人は凄いですね。絶対に敵には回したくない人です。まあ、そう言う人、周りにけっこういますけど。筋骨隆々なんでしょうね。
だんだんボロが出そうなので、この辺でやめにします(#^.^#)ではまたー。
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