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交戦規定がネガティブリストでなければならない理由

部隊行動基準(ROE)に関する法律(自衛隊部隊行動基準法)
議員立法支援センター
https://rippou.jimdo.com/こん-roe-部隊行動規則-侵入対処-防衛出動命令-防空識別圏-な法案がほしいですね-国防-危機管理/自衛隊部隊行動基本法-roe/

 議員立法支援センターというサイトがある。

東京都千代田区永田町2-9-6
 代表 宮﨑貞行

となっており、宮崎氏のプロフィールを検索すると、

昭和20年愛媛県生まれ、東京大学、コーネル経営大学院卒。官庁に奉職したあと、大学教授として国家の危機管理や国際教育に従事。現在は、日本人の魂を振りおこす作法と神学を探求している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

という検索結果になった。

 なかなか面白いサイトで、宮崎氏の考えを具現化した議員立法の案が掲載されている。

 記事の案が浮かばないので、何気なく当該サイトを検索していると、交戦規定について言及されていたので、URLを紹介した次第である。

 ここでいう部隊行動基準とは、我が国特有の表現で、自衛隊は軍隊ではないという、詭弁を正当化するための法律体系及び表現が根拠となっている。ROE(Rules of Engagement)は、正しくは交戦規定と訳すべきであり、それが国際標準だ。本稿では交戦規定として論を進める。

 交戦規定とは、当該サイトに掲載されている通り、軍が行動するための規定である。軍は、戦争や紛争あるいは、適性勢力に対する武力行使など、いろいろな任務が想定されているため、予め交戦規定を定めているのが国際標準である。

 支援センターのROE案では、細かいケースに則った案が示されている。ただし、ROEの根本的な思想に触れていないので、物足りなさと、危惧を覚え、本稿を起こした。

 本稿の表題にある通り、交戦規定は、ネガティブリストでなければならない。ネガティブリストとは何かというと、「禁止規定」だ。

 正規な戦争であれ、ゲリラ戦であれ、軍が武力行使を想定して行動する場合の規定は、「やってはいけない行動のリスト」が必要なのだ。これを敷衍するならば、やっていはいけない行動のリスト=ネガティブリスト以外の行動は全てOKということなのだ。

 軍は、このROEを前提に行動する。やってはいけない行動が簡潔で、疑義がなく、誰でも理解可能で、かつ、必要最小限のリストで構成されている。

 なぜかと言えば、戦争とか武力行使というものは、軍隊にとっても将兵個人にとっても任務の達成や自らの生きのこりを懸けた究極の行動なので、ゆっくり考えている余裕はないからだ。

 戦っている最中に、これはやっていいのか悪いのか?などど考えている余裕はないのである。だから、これだけはやってはいけないということさえ覚えておけば、それ以外はやってもいいのだ。そのくらい、単純明快、簡潔明瞭、必要最小限のリストからなるのが、ROEというものだ。

 我が国にもROEがあるが、これが噴飯ものだ。何故ならネガティブリストとは正反対のポジティブリストで作られているからだ。

 自衛隊は、軍隊ではない、という建前で作られているから、こういう状況では、こういうことはやってもいい、と書かれているのである。

 これでは戦えない。リストに書かれていなければやってはいけないからだ。想定外の状況に遭遇した場合、ネガティブリストなら、やってはいけないリストに該当するかしないかの判断だけをすればいい。

 ポジティブリストの場合、想定外の状況で何をしていいのか考えなければならないし、不明なら、直属上官や上級司令部に問い合わせをしなければならないのだ。その間に、将兵はどんどん戦死していく。

 おわかりいただけただろうか。ROE=交戦規定とは、ネガティブリストでなければならない理由が。

 自衛隊は軍隊ではないという建前が、自衛隊と自衛官を死地に向かわせることになる。こういうのを無駄死にというのだ。

 国家と国民を守るべき自衛隊と自衛官がポジティブリストの犠牲になり、結果として国を守るという任務を達成できないのであれば、交戦規定とは我々国民にとっても、自衛隊・自衛官にとっても何のために存在するのだ?と誰でも思うのではないだろうか?

<PS>
 戦後の政治家は、軍事を忌避するあまり、軍事や安全保障に疎くなった。

 市井の日本人が疎くても問題はない。だが、政治家が軍事や安全保障に疎ければ、国家の存立が危うくなる。

 國は、百年兵を養うのだ。その覚悟が必要なのだ。部隊行動基準というポジティブリストを作って、軍ではない自衛隊を死地に赴かせる國とは一体何なのだ?

 行き過ぎた軍国主義も国を亡ぼす要因になるが、軍事を蔑ろにする国家は滅亡する運命を免れることはできない。国家の生存を他国に依存する国は、滅ぼされるのが運命だ。歴史には枚挙に暇がない。我が国はその例を忠実になぞっている。危うし。
 
 
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