中国の「日本を核攻撃」動画、非道な恫喝に米国で激しい反発
「単なる言葉の脅し、現実的な戦略ではない」との見方も
2021.7.28(水) 古森 義久 JBpress
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66240
7月20日「中国が日本に核恫喝」という記事を配信した。今回はその続報である。
古森義久氏は気鋭のジャーナリストだ。今回は、JBpressに寄稿している。記事によると、先日の核恫喝については、米国でも大きな反発があったようだ。
それはそうだろう。拡大抑止、いわゆる核の傘は、アメリカ合衆国の覇権の源泉の一つなのだ。拡大抑止以外だと、先端技術力、経済力、資源そしてドル決済圏の存在だ。
拡大抑止は、米国の同盟国に対して提供されている。だが、これで万全ではない。前回の記事で触れたように、米国拡大抑止の穴が、中距離核戦力なのだ。
ソ連は、その弱点を突いて、SS-20を配備した。それまでの拡大抑止の考え方からすれば、SS-20であろうがなかろうが、核の傘の信頼性に影響はない筈だった。
だが、現実は違った。ヨーロッパは動揺したのだ。特に最前線に位置するドイツがそうだった。理由は簡単だ。米国に届かない核ミサイルはそれまで存在しなかったからだ。
ICBMは、射程5000キロから1万キロのオーダーだった。中距離核戦力は射程が短500~5500キロ以内である。
それまでのICBMでは、仮にヨーロッパを狙う目的があったにせよ、それは同時にアメリカを狙える性能を持っていた。性能的に、ヨーロッパもアメリカも同一線上にあったのだ。
だから、ヨーロッパだけ狙うというのは狙われる側にはわからないのだ。ソ連のICBMイコールアメリカ・ヨーロッパという図式だったのだ。
だが、SS-20は違う。射程からヨーロッパだけが狙われる目標になったのだ。果たして、自国が狙われることの無いミサイルに対して、米国は本当に核の傘を提供してくれるのか?というのが、ヨーロッパの危惧になったのだ。
そのヨーロッパの危惧を払拭するため登場したのがパーシングⅡだ。それをヨーロッパに配備した。そして、配備国に発射ボタンを押す権限の一部を与えたのだ。
これでソ連は窮地に陥った。今度はソ連が目の前に匕首を突き付けられたのだ。ソ連がSS-20を発射すれば、すぐさまヨーロッパはパーシングⅡを発射するだろう。ヨーロッパとソ連は共倒れ、米国だけが生き残る。ソ連にとっては悪夢以外の何物でもない。
中国の日本に対する核恫喝は、だから米国にとって、SS-20を配備したソ連を彷彿とさせるのだ。これで日本が動揺すれば、日米同盟の信頼性が疑われる。
日米同盟の信頼性が疑われれば、その他の同盟国との信頼性も疑われるだろう。こういうものは連鎖反応を起こすのだ。それはそうだろう。国家安全保障の根幹が揺らぐのだから。
今回の核恫喝が米国で激しい反発を呼んでいるというのは、そういう背景があるからなのだ。米国の覇権は、米国一国だけのものではなく、米国の同盟国の共存の中で維持されているのだ。
同盟国との信頼性が維持されなくなれば、米国の覇権は破綻する可能性があるのだ。だから米国の反発はいわれのないものではなく、正当な反発なのだ。
むしろ、恫喝された我が国の対応こそおかしい。まったく政府の声が聞こえてこないからだ。メディアからも。
まあ、中国共産党の公式見解ではないからなのだろうが、防衛当局には激震が走ったことだろう。
先般の記事では、米国製中距離弾道弾を配備すべきと主張したが、解決策はもう一つある。
それは、核兵器開発能力の保持だ。いつでも核兵器を開発し、配備できる能力を持てばいいのだ。それだけでも中国に対する抑止力になる。
我が国に潜在能力はある。技術的にも、必要な資源についても。だが準備はできていない。

画像は、イプシロンロケットだ。運搬手段としては申し分ない。何故なら固体燃料ロケットだからだ。固体燃料ロケットが核兵器の運搬手段として最適なのは、液体燃料ロケットのように燃料注入の必要が無く、リアルタイムに反撃できることだ。
一説では、人民解放軍の装備する核兵器は、未だに液体燃料ロケットだと言われている。それは、中国政府にとっては、弱点だ。燃料注入を開始すれば偵察衛星でばれてしまうからだ。ただし、真贋は明らかではない。当然だが。
核兵器の素材はある。あと少しすれば、使用済み核燃料の再処理施設が稼働する。これで必要な物が揃う。
だから準備すればいい。核開発能力を準備すればいいのだ。イスラエルのように実質的な核兵器保有国になる必要はない。開発能力の保持だけで十分だ。
理化学研究所に命じて、研究させればいい。隠す必要もない。核兵器禁止条約では、研究することまで禁止しているわけではないからだ。我が国にも研究する権利はある。保有しなければいいのだ。
一説によると、過去、とある政権首脳が企業に秘密裏に聞いたことがあるそうだ。核兵器の製造は可能か?可能ならばどのくらいの期間が必要か?と。
答えは3カ月だったそうだ。3カ月で核兵器を開発できると。それで十分だ。今後は、その期間を1か月以内にできるように研究させればいい。中国の核攻撃から逃れ、新たに核ミサイルを製造できる体制を“準備”するだけでいいのだ。
1か月後に“報復”できる可能性を維持するのだ。それは、中国にとっては脅威だろう。日本に核を何発落とそうが、核兵器開発能力を完全につぶせるか否かは、わからないからだ。可能性がある限り、中国は日本に核兵器で報復される可能性が残るということになる。
これは次善の策だが、準備する必要性もあるし、国家の安全は格段に向上する。こうすることで最悪に備え、国家の生き残りを図ることができるのだ。
国家安全保障とは国家が提供する最高のサービスである。
寄らば斬るぞ!
追加です。コロナ感染者も重症者数もメディアの言う通り増えているのだが、死者数は増えてない、というかここのところずっと横ばいですな。メディはそれについては、触れないのだな。重症者が増えてベッドがひっ迫するのはそうなのだろう。だが、重症者が増えているのにもかかわらず死者が増えていないということは、ワクチンの効果なのだろうな。
ずっと重症者のまま、というのは考えにくいので、重症者が増えても死者が増えなければ、いずれ重症者も減るのだろうな、と酒楽は思う。今はまさに胸突き八丁なのだろう。もう少しの辛抱で、感染者も重症者も増加は頭打ちになるのではないだろうか。
あと少しの辛抱です。
「単なる言葉の脅し、現実的な戦略ではない」との見方も
2021.7.28(水) 古森 義久 JBpress
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66240
7月20日「中国が日本に核恫喝」という記事を配信した。今回はその続報である。
古森義久氏は気鋭のジャーナリストだ。今回は、JBpressに寄稿している。記事によると、先日の核恫喝については、米国でも大きな反発があったようだ。
それはそうだろう。拡大抑止、いわゆる核の傘は、アメリカ合衆国の覇権の源泉の一つなのだ。拡大抑止以外だと、先端技術力、経済力、資源そしてドル決済圏の存在だ。
拡大抑止は、米国の同盟国に対して提供されている。だが、これで万全ではない。前回の記事で触れたように、米国拡大抑止の穴が、中距離核戦力なのだ。
ソ連は、その弱点を突いて、SS-20を配備した。それまでの拡大抑止の考え方からすれば、SS-20であろうがなかろうが、核の傘の信頼性に影響はない筈だった。
だが、現実は違った。ヨーロッパは動揺したのだ。特に最前線に位置するドイツがそうだった。理由は簡単だ。米国に届かない核ミサイルはそれまで存在しなかったからだ。
ICBMは、射程5000キロから1万キロのオーダーだった。中距離核戦力は射程が短500~5500キロ以内である。
それまでのICBMでは、仮にヨーロッパを狙う目的があったにせよ、それは同時にアメリカを狙える性能を持っていた。性能的に、ヨーロッパもアメリカも同一線上にあったのだ。
だから、ヨーロッパだけ狙うというのは狙われる側にはわからないのだ。ソ連のICBMイコールアメリカ・ヨーロッパという図式だったのだ。
だが、SS-20は違う。射程からヨーロッパだけが狙われる目標になったのだ。果たして、自国が狙われることの無いミサイルに対して、米国は本当に核の傘を提供してくれるのか?というのが、ヨーロッパの危惧になったのだ。
そのヨーロッパの危惧を払拭するため登場したのがパーシングⅡだ。それをヨーロッパに配備した。そして、配備国に発射ボタンを押す権限の一部を与えたのだ。
これでソ連は窮地に陥った。今度はソ連が目の前に匕首を突き付けられたのだ。ソ連がSS-20を発射すれば、すぐさまヨーロッパはパーシングⅡを発射するだろう。ヨーロッパとソ連は共倒れ、米国だけが生き残る。ソ連にとっては悪夢以外の何物でもない。
中国の日本に対する核恫喝は、だから米国にとって、SS-20を配備したソ連を彷彿とさせるのだ。これで日本が動揺すれば、日米同盟の信頼性が疑われる。
日米同盟の信頼性が疑われれば、その他の同盟国との信頼性も疑われるだろう。こういうものは連鎖反応を起こすのだ。それはそうだろう。国家安全保障の根幹が揺らぐのだから。
今回の核恫喝が米国で激しい反発を呼んでいるというのは、そういう背景があるからなのだ。米国の覇権は、米国一国だけのものではなく、米国の同盟国の共存の中で維持されているのだ。
同盟国との信頼性が維持されなくなれば、米国の覇権は破綻する可能性があるのだ。だから米国の反発はいわれのないものではなく、正当な反発なのだ。
むしろ、恫喝された我が国の対応こそおかしい。まったく政府の声が聞こえてこないからだ。メディアからも。
まあ、中国共産党の公式見解ではないからなのだろうが、防衛当局には激震が走ったことだろう。
先般の記事では、米国製中距離弾道弾を配備すべきと主張したが、解決策はもう一つある。
それは、核兵器開発能力の保持だ。いつでも核兵器を開発し、配備できる能力を持てばいいのだ。それだけでも中国に対する抑止力になる。
我が国に潜在能力はある。技術的にも、必要な資源についても。だが準備はできていない。

画像は、イプシロンロケットだ。運搬手段としては申し分ない。何故なら固体燃料ロケットだからだ。固体燃料ロケットが核兵器の運搬手段として最適なのは、液体燃料ロケットのように燃料注入の必要が無く、リアルタイムに反撃できることだ。
一説では、人民解放軍の装備する核兵器は、未だに液体燃料ロケットだと言われている。それは、中国政府にとっては、弱点だ。燃料注入を開始すれば偵察衛星でばれてしまうからだ。ただし、真贋は明らかではない。当然だが。
核兵器の素材はある。あと少しすれば、使用済み核燃料の再処理施設が稼働する。これで必要な物が揃う。
だから準備すればいい。核開発能力を準備すればいいのだ。イスラエルのように実質的な核兵器保有国になる必要はない。開発能力の保持だけで十分だ。
理化学研究所に命じて、研究させればいい。隠す必要もない。核兵器禁止条約では、研究することまで禁止しているわけではないからだ。我が国にも研究する権利はある。保有しなければいいのだ。
一説によると、過去、とある政権首脳が企業に秘密裏に聞いたことがあるそうだ。核兵器の製造は可能か?可能ならばどのくらいの期間が必要か?と。
答えは3カ月だったそうだ。3カ月で核兵器を開発できると。それで十分だ。今後は、その期間を1か月以内にできるように研究させればいい。中国の核攻撃から逃れ、新たに核ミサイルを製造できる体制を“準備”するだけでいいのだ。
1か月後に“報復”できる可能性を維持するのだ。それは、中国にとっては脅威だろう。日本に核を何発落とそうが、核兵器開発能力を完全につぶせるか否かは、わからないからだ。可能性がある限り、中国は日本に核兵器で報復される可能性が残るということになる。
これは次善の策だが、準備する必要性もあるし、国家の安全は格段に向上する。こうすることで最悪に備え、国家の生き残りを図ることができるのだ。
国家安全保障とは国家が提供する最高のサービスである。
寄らば斬るぞ!
追加です。コロナ感染者も重症者数もメディアの言う通り増えているのだが、死者数は増えてない、というかここのところずっと横ばいですな。メディはそれについては、触れないのだな。重症者が増えてベッドがひっ迫するのはそうなのだろう。だが、重症者が増えているのにもかかわらず死者が増えていないということは、ワクチンの効果なのだろうな。
ずっと重症者のまま、というのは考えにくいので、重症者が増えても死者が増えなければ、いずれ重症者も減るのだろうな、と酒楽は思う。今はまさに胸突き八丁なのだろう。もう少しの辛抱で、感染者も重症者も増加は頭打ちになるのではないだろうか。
あと少しの辛抱です。
↓ブログを読んでいただき有難うございます。ぽちっとしていただけると励みになります。

政治ランキング

にほんブログ村
- 関連記事
-
-
敵基地攻撃能力 2021/10/03
-
君は国のために戦うか? 2021/09/07
-
ABJD包囲網 2021/08/27
-
八重山住民の声を聴け 2021/08/19
-
国家が提供する最高のサービス 2021/08/11
-
日米豪印共同訓練今年も実施 2021/08/04
-
米空軍 中国にプレッシャー 2021/08/02
-
蘇る日英同盟と大陸封鎖 2021/07/24
-
40年来の新戦術 2021/07/23
-
スポンサーサイト