タリバンが20年ぶり政権掌握 アフガン大統領国外脱出
2021/8/16 07:00 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20210816-4OHVYNWSWBLY3J7KFAFN3T2OUA/
サイゴン陥落40年(下) 幻想だった「人民の闘争」
2015/4/30 07:00 古森義久 ワシントン駐在客員特派員 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20150430-OB3RIEUT7FPYJIACLMEN5XATSU/
アフガニスタンで政権が交代した。
ベトナム戦争の再現だ。ハノイ陥落を彷彿とさせる。戦う意志のない国をいくら支援しても焼け石に水なのだ。
現アフガン政府とアフガン政府軍がそれだ。タリバンの国からタリバンを排除し、樹立したのが現在のアフガニスタン政府とアフガニスタン政府軍だ。
現政府と現政府軍は、米国によって樹立され編成された政府と軍だ。その米国がアフガンから去れば、政府も政府軍も崩壊するのは当然だ。
つまり米国は、アフガンに軍事支援をすることに、国益を見いだせなくなったのだ。高くつきすぎるのだ。

サイゴン脱出
ビンラディン殺害をもって9.11テロの報復は終わったのだ。結局撤退したソ連と同じだ。アフガンは難治の国なのだ。アフガンは、アフガン人に任せればいいのだ。
予想された事態だ。いや、米国にとっては計画通りだということだ。ただ、展開は予想以上に早かったが。
これに対し、トランプ前政権で大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたボルトン元国連大使は10日、産経新聞の取材に「駐留米軍の全面撤収は重大な誤りだ」と指摘。「タリバンは近い将来に全土を掌握するだろう」との見通しを示し、アフガンが再び対米テロの拠点になりかねないと懸念を表明した。
アフガン駐留継続は、米国の予算を圧迫しているのだ。これ以上の駐留は、国家財政上認められないのだ。だから撤退する。当然だ。
ボルトンがトランプに首を斬られたのも、マティス国防長官が更迭されたのも同じ文脈だ。彼らは、一部しか見なかったからだ。大統領は、国家全体を見ているのだ。局地的な真実が、全体最適とイコールではないのだ。
ボルトンもマティスも一部だけの最適化を具申し、そして首を斬られた。そういう意味では、バイデンはまともだ。
ただし、アフガン撤退は、他の地域に影響を及ぼさずにはいられないだろう。最も影響を受けるのはイラクだ。イラク政権は、米軍がイラクから撤退するかもしれないと疑心暗鬼になるに違いない。
イラクから米軍が撤退すれば、穴を埋めるようにイランが浸透し、侵攻するだろう。それは現イラク政権にとって悪夢以外の何物でもない。
バイデン政権としては、他地域への影響を最小限にする手当てが必要だ。
南ベトナムが崩壊し、現在は、米国とベトナムは、対中国というテーゼの前で共闘しようとしている。国を守るには当然の行為だろう。昨日の敵は今日の友とはよく言ったものだ。
タリバンがアフガンを再支配したとしても、茨の道が待っている。しかし、それはアフガン人の望むところなのだ。彼らの好きにさせればいい。それが自然なのだ。
他国を支配し、意のままにするなどそもそも不可能なのだ。そういう意味では、米国はベトナム戦争の教訓をよく学んでいる。これ以上、アフガンに深入りしても仕方がないと判断したということだ。
ただし、決断の時期は遅かった。オバマがビンラディンを殺害して、速やかに撤退すべきだった。報復完了から現在までの時間は、軍事的にも政治的にも長すぎた。トランプが路線を敷き、バイデンがカーテンを下ろしたが、もう少し早く、もう少し丁寧に撤退してほしかった。
先日、中国の王毅外相は、タリバンと外交折衝の機会を持った。それは米国へのシグナルだろうが、新疆ウィグル問題を抱える中国としては、タリバンが、ウィグル問題に手を突っ込んでこないように予防線を張ったという意味もあるのだろう。したたかではあるが、中国は、民主主義国家とは相いれない国家だということをはっきりさせたという意味で、中国包囲網はますます強固になるだろう。
駐韓米軍も早晩撤退する運命にある。中国が没落すると同時か、その前後に。中国の没落が、当然の結末になるように、米国とともに進むことが重要だ。最初に、国内の敵を排除しなければならない。
ブリンケン国務長官は、撤退のスケジュールはトランプ政権が決めたものだという言い訳をしていた。ダメだなこりゃ。スケジュールなど自分たち民主党政権が変更すれば良いだけではないか。ブリンケンは、もう少しまともだと思っていたが、期待外れだ。これでまともに中国と対峙していけるのだろうか。
2021/8/16 07:00 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20210816-4OHVYNWSWBLY3J7KFAFN3T2OUA/
サイゴン陥落40年(下) 幻想だった「人民の闘争」
2015/4/30 07:00 古森義久 ワシントン駐在客員特派員 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20150430-OB3RIEUT7FPYJIACLMEN5XATSU/
アフガニスタンで政権が交代した。
ベトナム戦争の再現だ。ハノイ陥落を彷彿とさせる。戦う意志のない国をいくら支援しても焼け石に水なのだ。
現アフガン政府とアフガン政府軍がそれだ。タリバンの国からタリバンを排除し、樹立したのが現在のアフガニスタン政府とアフガニスタン政府軍だ。
現政府と現政府軍は、米国によって樹立され編成された政府と軍だ。その米国がアフガンから去れば、政府も政府軍も崩壊するのは当然だ。
つまり米国は、アフガンに軍事支援をすることに、国益を見いだせなくなったのだ。高くつきすぎるのだ。

サイゴン脱出
ビンラディン殺害をもって9.11テロの報復は終わったのだ。結局撤退したソ連と同じだ。アフガンは難治の国なのだ。アフガンは、アフガン人に任せればいいのだ。
予想された事態だ。いや、米国にとっては計画通りだということだ。ただ、展開は予想以上に早かったが。
これに対し、トランプ前政権で大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたボルトン元国連大使は10日、産経新聞の取材に「駐留米軍の全面撤収は重大な誤りだ」と指摘。「タリバンは近い将来に全土を掌握するだろう」との見通しを示し、アフガンが再び対米テロの拠点になりかねないと懸念を表明した。
アフガン駐留継続は、米国の予算を圧迫しているのだ。これ以上の駐留は、国家財政上認められないのだ。だから撤退する。当然だ。
ボルトンがトランプに首を斬られたのも、マティス国防長官が更迭されたのも同じ文脈だ。彼らは、一部しか見なかったからだ。大統領は、国家全体を見ているのだ。局地的な真実が、全体最適とイコールではないのだ。
ボルトンもマティスも一部だけの最適化を具申し、そして首を斬られた。そういう意味では、バイデンはまともだ。
ただし、アフガン撤退は、他の地域に影響を及ぼさずにはいられないだろう。最も影響を受けるのはイラクだ。イラク政権は、米軍がイラクから撤退するかもしれないと疑心暗鬼になるに違いない。
イラクから米軍が撤退すれば、穴を埋めるようにイランが浸透し、侵攻するだろう。それは現イラク政権にとって悪夢以外の何物でもない。
バイデン政権としては、他地域への影響を最小限にする手当てが必要だ。
南ベトナムが崩壊し、現在は、米国とベトナムは、対中国というテーゼの前で共闘しようとしている。国を守るには当然の行為だろう。昨日の敵は今日の友とはよく言ったものだ。
タリバンがアフガンを再支配したとしても、茨の道が待っている。しかし、それはアフガン人の望むところなのだ。彼らの好きにさせればいい。それが自然なのだ。
他国を支配し、意のままにするなどそもそも不可能なのだ。そういう意味では、米国はベトナム戦争の教訓をよく学んでいる。これ以上、アフガンに深入りしても仕方がないと判断したということだ。
ただし、決断の時期は遅かった。オバマがビンラディンを殺害して、速やかに撤退すべきだった。報復完了から現在までの時間は、軍事的にも政治的にも長すぎた。トランプが路線を敷き、バイデンがカーテンを下ろしたが、もう少し早く、もう少し丁寧に撤退してほしかった。
先日、中国の王毅外相は、タリバンと外交折衝の機会を持った。それは米国へのシグナルだろうが、新疆ウィグル問題を抱える中国としては、タリバンが、ウィグル問題に手を突っ込んでこないように予防線を張ったという意味もあるのだろう。したたかではあるが、中国は、民主主義国家とは相いれない国家だということをはっきりさせたという意味で、中国包囲網はますます強固になるだろう。
駐韓米軍も早晩撤退する運命にある。中国が没落すると同時か、その前後に。中国の没落が、当然の結末になるように、米国とともに進むことが重要だ。最初に、国内の敵を排除しなければならない。
ブリンケン国務長官は、撤退のスケジュールはトランプ政権が決めたものだという言い訳をしていた。ダメだなこりゃ。スケジュールなど自分たち民主党政権が変更すれば良いだけではないか。ブリンケンは、もう少しまともだと思っていたが、期待外れだ。これでまともに中国と対峙していけるのだろうか。
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