レーザー核融合で1京ワットのエネルギーを生み出すことに成功、核融合発電の実用化へ大きく前進
2021年08月18日 15時00分 サイエンス/GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20210818-laser-fusion-lawrence-livermore/
名市大、水素から重水素への同位体置換を効率よく行える手法を開発
2021/08/18 18:33 Tech+
https://news.mynavi.jp/article/20210818-1949979/
よくある質問に使用「Q」画像01:核融合について簡単に教えて下さい。
https://www.qst.go.jp/site/jt60/5248.html
ここのところ、核融合に関する技術開発に成功している情報が出てきました。
最初の記事は、サイエンスに掲載されたもので、アメリカのローレンス・リバモア国立研究所が、レーザー核融合で1京ワットのエネルギーを生み出すことに成功したというニュースです。
二つ目の記事は、同じ日付で、名古屋市立大学で、水素から重水素への同位体置換を効率よく行える手法を開発したというニュースです。こちらは、核融合に必要な原料である重水素を効率よく取り出せる可能性が出てきたということです。
いやーすごいですね。ローレンス・リバモア研究所の成果は、画期的だと思います。核融合は、西側主要国で競うように開発が続けられてきましたが、その開発費用は天文学的になると予想され、主要国で共同開発されるようになってきています。
日本もそれに乗っていますが、各国が開発をしていないわけではないようで、それぞれ個別要素的に開発を行っているようです。それは、将来国際共同開発によって、核融合が実現したときに、分け前の分捕り合戦で有利になるための前哨戦なのでしょう。
そういう意味では、やはりアメリカが一歩前進しているようですが、日本の名古屋市立大学がやってくれましたね。記事にあるように、重水素は海水に豊富に含まれているとなっていますが、それを海水からろ過していろいろな用途に活用するためには、種々の過程を経なければならないため、どうしても高価にならざるを得ないということなのだそうです。
研究チームは今回、重水素を含む溶液にナノ結晶シリコン(n-Si)を浸すだけで、n-Si表面の水素が重水素に積極的に置換されるという事象を確認。その交換プロセスを調査した結果、n-Si表面に結合した水素と重水素の量子力学的零点エネルギーの相違、つまり重水素を含むn-Siの方が、普通の水素を含むn-Siよりも、量子力学的に安定な材料であることが判明したという。

TECH+から引用
液相(液体)で行った実験では、n-Siの表面重水素原子の濃度を4倍に高めることが確認されたという。また、気相(気体)でのn-Si濃縮プロトコルを提案。理論計算によれば重水素濃縮率を15倍に高めることができるとしており、現在、気相での重水素濃縮実験に取り組んでいるところだという。
記事から、肝になる部分を抜粋引用しました。記事には出ていませんが、これが実用化されれば、重水素の価格はこれまでよりも安価になるのだろうと思います。日本も核融合に少なからず貢献し、分け前に与れるのでしょうか。期待したいと思います。
さて、本題は、最初の記事です。
この発表で重要視されているのが、核融合の持続安定化につながる「点火」の達成に一歩近づいたという点です。ローレンス・リバモア国立研究所で責任者を務めるオマール・ハリケーン氏は、「点火とは、核融合から発生した熱があらゆる熱の損失を上回る、核融合の転換点です。点火が起きると、核融合で生じた熱が核融合を発生させ、それによってさらなる熱が生み出されます」と説明しました。

GIGAZINEから引用
今回の実験では、1.3メガジュールという膨大なエネルギーが発生しましたが、レーザーの照射などに大きなエネルギーが使われたため、差し引きすると正味のエネルギー生産量はゼロに近いとのこと。しかし、燃料ペレットが吸収したエネルギーの5倍以上の核融合エネルギーを発生させることができたことは、核融合を商用エネルギーとして実用化させる上で必要な「点火」の実現にとって重要なポイントであると、ハリケーン氏は指摘しています。
実験結果の詳細は、これから論文にまとめて査読付きの科学誌や学会で発表される予定ですが、初期の予備的な分析では、同研究所が2021年の春に行った実験の8倍、2018年に行った実験の25倍もエネルギー効率が改善したことが示されるなど、有望なデータが得られているとのことです。
レーザー核融合とは、核融合を達成するための各種手法の中の一つですね。従前開発されているのは、磁界の中にプラズマを閉じ込める方法で、主としてトカマク型が有力視され、開発されているとされています。
核融合研究
文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/iter/019.htm
文科省のHPの中に、わかりやすい説明が乗っていたので、引用しました。読んでいただければ、よく理解できると思います。
いずれにしても、核融合開発は、着々と進んでいるようです。こういった技術開発のブレークスルーが起きると、開発のスピードは飛躍的に早まるのでしょうね。
核融合は、連鎖反応を利用するわけではないので、核分裂反応を利用する現在の原子力発電よりも安全だと言われており、かつ、取り出せる電力も大きく、更に、ウランなどの原料ではなく、重水素、三重水素などを利用するため、資源は容易に得られます。
ただし、三重水素とヘリウム3を利用する場合は、ヘリウム3がほとんど採取されないため、月面上のヘリウム3が将来、貴重な資源として有望視されています。
さて、酒楽が生きている間に核融合発電は実現するのでしょうか。生きてこの目で見てみたいものです。
2021年08月18日 15時00分 サイエンス/GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20210818-laser-fusion-lawrence-livermore/
名市大、水素から重水素への同位体置換を効率よく行える手法を開発
2021/08/18 18:33 Tech+
https://news.mynavi.jp/article/20210818-1949979/
よくある質問に使用「Q」画像01:核融合について簡単に教えて下さい。
https://www.qst.go.jp/site/jt60/5248.html
ここのところ、核融合に関する技術開発に成功している情報が出てきました。
最初の記事は、サイエンスに掲載されたもので、アメリカのローレンス・リバモア国立研究所が、レーザー核融合で1京ワットのエネルギーを生み出すことに成功したというニュースです。
二つ目の記事は、同じ日付で、名古屋市立大学で、水素から重水素への同位体置換を効率よく行える手法を開発したというニュースです。こちらは、核融合に必要な原料である重水素を効率よく取り出せる可能性が出てきたということです。
いやーすごいですね。ローレンス・リバモア研究所の成果は、画期的だと思います。核融合は、西側主要国で競うように開発が続けられてきましたが、その開発費用は天文学的になると予想され、主要国で共同開発されるようになってきています。
日本もそれに乗っていますが、各国が開発をしていないわけではないようで、それぞれ個別要素的に開発を行っているようです。それは、将来国際共同開発によって、核融合が実現したときに、分け前の分捕り合戦で有利になるための前哨戦なのでしょう。
そういう意味では、やはりアメリカが一歩前進しているようですが、日本の名古屋市立大学がやってくれましたね。記事にあるように、重水素は海水に豊富に含まれているとなっていますが、それを海水からろ過していろいろな用途に活用するためには、種々の過程を経なければならないため、どうしても高価にならざるを得ないということなのだそうです。
研究チームは今回、重水素を含む溶液にナノ結晶シリコン(n-Si)を浸すだけで、n-Si表面の水素が重水素に積極的に置換されるという事象を確認。その交換プロセスを調査した結果、n-Si表面に結合した水素と重水素の量子力学的零点エネルギーの相違、つまり重水素を含むn-Siの方が、普通の水素を含むn-Siよりも、量子力学的に安定な材料であることが判明したという。

TECH+から引用
液相(液体)で行った実験では、n-Siの表面重水素原子の濃度を4倍に高めることが確認されたという。また、気相(気体)でのn-Si濃縮プロトコルを提案。理論計算によれば重水素濃縮率を15倍に高めることができるとしており、現在、気相での重水素濃縮実験に取り組んでいるところだという。
記事から、肝になる部分を抜粋引用しました。記事には出ていませんが、これが実用化されれば、重水素の価格はこれまでよりも安価になるのだろうと思います。日本も核融合に少なからず貢献し、分け前に与れるのでしょうか。期待したいと思います。
さて、本題は、最初の記事です。
この発表で重要視されているのが、核融合の持続安定化につながる「点火」の達成に一歩近づいたという点です。ローレンス・リバモア国立研究所で責任者を務めるオマール・ハリケーン氏は、「点火とは、核融合から発生した熱があらゆる熱の損失を上回る、核融合の転換点です。点火が起きると、核融合で生じた熱が核融合を発生させ、それによってさらなる熱が生み出されます」と説明しました。

GIGAZINEから引用
今回の実験では、1.3メガジュールという膨大なエネルギーが発生しましたが、レーザーの照射などに大きなエネルギーが使われたため、差し引きすると正味のエネルギー生産量はゼロに近いとのこと。しかし、燃料ペレットが吸収したエネルギーの5倍以上の核融合エネルギーを発生させることができたことは、核融合を商用エネルギーとして実用化させる上で必要な「点火」の実現にとって重要なポイントであると、ハリケーン氏は指摘しています。
実験結果の詳細は、これから論文にまとめて査読付きの科学誌や学会で発表される予定ですが、初期の予備的な分析では、同研究所が2021年の春に行った実験の8倍、2018年に行った実験の25倍もエネルギー効率が改善したことが示されるなど、有望なデータが得られているとのことです。
レーザー核融合とは、核融合を達成するための各種手法の中の一つですね。従前開発されているのは、磁界の中にプラズマを閉じ込める方法で、主としてトカマク型が有力視され、開発されているとされています。
核融合研究
文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/iter/019.htm
文科省のHPの中に、わかりやすい説明が乗っていたので、引用しました。読んでいただければ、よく理解できると思います。
いずれにしても、核融合開発は、着々と進んでいるようです。こういった技術開発のブレークスルーが起きると、開発のスピードは飛躍的に早まるのでしょうね。
核融合は、連鎖反応を利用するわけではないので、核分裂反応を利用する現在の原子力発電よりも安全だと言われており、かつ、取り出せる電力も大きく、更に、ウランなどの原料ではなく、重水素、三重水素などを利用するため、資源は容易に得られます。
ただし、三重水素とヘリウム3を利用する場合は、ヘリウム3がほとんど採取されないため、月面上のヘリウム3が将来、貴重な資源として有望視されています。
さて、酒楽が生きている間に核融合発電は実現するのでしょうか。生きてこの目で見てみたいものです。
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