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潜水艦 日豪仏それぞれの誤算

契約キャンセルも? 難航する仏受注の豪潜水艦プロジェクト
Jan 27 2021 NewSphere
https://newsphere.jp/world-report/20210127-1/

EU、仏潜水艦計画破棄「許されない」と米豪を批判
2021/9/21 11:31 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20210921-3GBWQVRGLBKGZGDXDBTGSG735Q/

おうりゅう (潜水艦) Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%86%E3%82%8A%E3%82%85%E3%81%86_(%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6)
おうりゅう型潜水艦

 豪州が潜水艦導入に伴うフランスとの契約を破棄し、米英からの原潜導入に踏み切ったことにより、米英とフランス・EUとの関係が軋み始めている。

 関連するニュース、データを引用した。

 フランスは、直前まで知らされていなかったと怒っているようだが、豪州は、フランス政府に対して、それなりに説明しているし、NewSphereの1月の記事を読めば、フランス製潜水艦導入が豪州にとって、負担になりつつあるのは明らかだったと思う。

 素人の酒楽でも、いずれ破棄されるのではないかと思うくらいなのだから、当事者のフランス政府が何も知らされていなかったいうのは、単なる国内向けのパフォーマンスだろう。

 豪会計検査院によれば、当初500億豪ドル(約4兆円)だったコストは、2019年11月時点で、物価修正後800億豪ドル(約6兆4000億円)に上昇。さらに昨年7月には、897億豪ドル(約7兆2000億円)に更新された。これに加え莫大な維持費もかかり、2080年までで1450億豪ドル(約11兆6000億円)が必要になると見積もられている。

 これがNewSphereにかかれている記事の内容だ。

 2016年契約時点で約4兆円だったのが、2020年7月には、7兆2000億円に跳ね上がっている。当初見積もりの1.8倍である。これでは豪州政府が不満を持つのも当然だと誰でも思うだろう。

 ただし、フランス政府のために、弁護もしなければならないと思う。それは、豪州政府が、豪州での現地生産にこだわったことだ。

 そもそもフランスのバラクーダ級潜水艦は、原潜である。豪州が求めていたのは、通常型潜水艦だ。そのため、フランス製原子炉を積むバラクーダ級潜水艦をディーゼルエンジン搭載の通常型潜水艦に改造するという手間がかかる。

 原子炉を搭載する前提で設計・製造されている潜水艦をディーゼル潜に改造するためには、単にエンジンを換装するだけではない、様々な設計変更が必要なのは自明である。何故なら、艦体は、原子炉出力を前提に設計されている筈で、原子炉に比較して、想定しているディーゼルエンジンは、当然低出力だろうと推測される。従って、艦体、搭載武器その他の設計を全面的に見直す必要があると思われる。

 最初から通常型、つまりディーゼル潜で設計されているならともかく、原潜として設計された潜水艦を通常型に設計変更するのは、極めて効率の悪いやり方だ。当初から通常型潜水艦として設計する方が、はるかに安上がりになると誰もが思うだろう。だから、費用が高騰したのは、何もフランス政府や企業が悪いわけではなく、それを選択した豪州政府にも責任の一端があるのではないかと酒楽は思うのである。

 もう一つは、現地生産のために、技術の移転と製造拠点設置のための費用が想定以上にかかったということだろう。豪州政府は、国内雇用にこだわったため、設計にも製造準備にも多大の時間と費用が必要となり、当初計画より高騰した、ということなのだと思う。

 以上、フランス政府の弁護をした。しかしである。当初4兆円の見積もりで契約したはずなのに、度重なる設計変更等により、総額が7.2兆円、1.8倍に高騰した責任の大半は、フランスにあるだろう。見積もりが甘かったということだ。

 普通なら破棄されて当たり前だ。フランス政府と豪州政府の契約がどのようになっていたのか、知る由もないが、フランス政府から、契約破棄による損害賠償の話が出ていないところを見ると、豪州政府の破棄は、契約に基づいたものなのだろう。

 あるいは、安く入札して、契約を取ったのかもしれない。それなら高騰する理由は納得できる。そして、それが事実なら(そんなことは、絶対に明らかにされないだろうが)、豪州も我が国もお人好しだったということだ。フランスと同じように、ディスカウントをアナウンスして、少しずつ見積もりを現実に近づけ、想定通りの利益を得る、ことができた筈だ。

 要約すると、フランスは見積もりが甘かったか、暴利を貪ろうとしたのかのいずれかであり、豪州は、フランスの提示した甘い罠にはまって、騙されたのだ。だから、事実が明らかになって、とても耐えられるはずが無く、破棄せざるを得なかった。

 我が国は、馬鹿正直に見積もりを出して、豪州政府に積極的にアプローチせず、政権が代わったことにより、みすみす大魚を逸したのである。

 そして、そこに付け入ったのが、同じアングロサクソンの米英という構図だ。

 豪州政府のために、忠告したい。米英はホワイトナイトではない。ハゲタカだ。米英との契約が進捗すれば、いずれそれは明らかになるだろう。フランスと同じように、国益を追求する米英が甘ちゃんの訳が無い。豪州は、骨の髄までしゃぶられるだろう。それが、冷徹な国際政治であり、ビジネスなのだ。

 忠告ついでに言わせてもらえば、我が国のおうりゅう型潜水艦を導入するのが、豪州にとっての最善の選択だった筈である。Wikiによれば、おうりゅう型潜水艦の価格は、一隻660億円である。しかも、通常型潜水艦の中では指折りの性能と実績を持つのである。

 今からでも遅くない。おうりゅう型潜水艦導入が豪州の最善の選択なのだ。岸防衛大臣は、豪州に飛んで、豪政権を説得するべきだ。あなた方にとっての最善の選択は、おうりゅう型潜水艦を日本から導入することだ、と。そして、現地生産を確約すればいいのだ。国内企業を説得して。だって、1隻たったの660億円なのだよ。12隻で7920億円。これに現地生産に伴う、技術移転その他を含めても、1兆円から、1.5兆円くらいで済むはずだ。これほどお買い得な兵器はない。邪なことを考えると得はないということですよ。

 フランスは分が悪い。契約を破棄されたなら、破棄条項に基づき、損害賠償を求めるのが筋なのに、ヒステリックに豪州と米英を非難するのは、契約破棄自体には、何も問題が無かったことを示している。つまり、フランスは負けたのだ。最後に笑ったのは、アメリカとイギリスだ。

 だが、おそらくこれで終わることはないだろう。豪州がハゲタカ米英に気付いて、米英との契約を破棄して、ホワイトナイト日本国と契約する未来が見える。酒楽の妄想かもしれないが、最後は正直者が勝つのである。

豪、原潜の戦略意義を重視 中国へ強い警戒 2021/9/22 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20210922-KZDQCMYDSNPITBC7O3BZLHZWBA/

 情勢は、時々刻々変化している。9月22日産経ニュースによると、豪州は、通常型潜水艦ではなく、原潜を導入したいようだ。

 原潜を導入する必要性云々については、記事を参照していただきたい。酒楽の関心は、通常型潜水艦と現地生産を主張していた豪州の意志が、いつ原潜導入に切り替わったのかだ。

 では、我が国も参加した最初の入札時に示した豪州の条件は、時間の推移とともに、変わった、のだな?そりゃ、原潜の方が、航続距離が長いので、広大な海域を持つ豪州にとっては、そちらがいいに決まっている。経費を考えなければ。

 記事にあるように、既に、フランスとの交渉で出てきた数字を上回るような数字が飛び交っている。では、フランスの経費増は問題なかったのか?

 豪州の意志が揺らいでいる。これから先、すんなりと豪州が原潜を導入できるのかは未知数だ。そもそも、米英に、原潜製造と技術支援のための余裕がない。リースするための余裕もない。これでは、いつまで経っても豪州の望む潜水艦艦隊を造成するのは不可能だ。

 最も現実的な解決策は、我が国のおうりゅう型潜水艦を導入することだ。日本の潜水艦製造能力は、増やそうと思えば増やせるはずだ。当面、日本製造の潜水艦を輸入し、逐次、現地製造に移行すれば、潜水艦戦力に空白はできない。必要経費も原潜に比較すれば圧倒的に少なくて済む。

 米英がフランスを出し抜いたのだ。我が国が、米英を出し抜いても、彼らに文句を言われる筋合いはない。次期総理には頑張ってもらいたいものだ。
 
 
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