「敵基地攻撃能力」保有を、米国が日本に望む防衛政策強化
11/3(水) 11:01 JBpress/Yahooニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/f31aaf3344c6bb9b34644e924836eec8757bacb1?page=1
古森 義久 産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授の署名記事である。
衆院選の結果、安定多数の議席を確保した岸田政権。酒楽としては、この結果を喜んでいる。当然だが。
だが、一つ視野を広げて、我が国を取り巻く安全保障環境に目を向ければ、喜んでばかりもいられない。古森氏の記事は、それを鋭く指摘している。記事の中から、焦点となる内容を引用しつつ論評したい。
■中国との関係
ワシントンのシンクタンク、経済戦略研究所(ESI)のクライド・プレストウィッツ所長。
「岸田氏の『中国との関係の安定を求める』とはなにか。米国の懸念する中国の軍事攻勢に日本は具体的にどう対処するのか」
酒楽が何度も主張している戦う覚悟が見えない、ということだ。米国は疑っているのだ、日本を。中国と真剣に対峙し、いざという時は、一戦も辞さない、これが米国の考えだろうと思われる。だから、このような疑問が出てくるのだ。
相当に危険だ、日本は。同盟国米国から、戦う覚悟を疑われているのだ。つまり、日本政府は、それだけ鈍感だということだ。そして、中国からは足元を見られ、同盟国からは、覚悟を疑われている。これを危機と言わずして何と言うのだ。
■ 「核兵器全廃」と“現実”をどう整合させるのか?
ジョージタウン大学の東アジア文化言語学部のケビン・ドーク教授
「岸田氏は核兵器全廃という標語をよく唱えているが、この主張を日本が享受する米国の核の傘による保護とどう整合させるのか」
これも核心をついている。核兵器廃絶を日本の総理大臣が唱えれば、こういう質問になるのは当然ではないか。米国の提供する拡大抑止、いわゆる核の傘は、日本の生命線である。核兵器を持たない、持つことが許されない日本は、米国の核の傘に安全保障の根幹を委ねているのだ。それを疑わせるような発言を総理大臣が行えば、こういう質問になるだろう。
日本は、この際、非核3原則について、広く国民的議論を行うべきだ。少なくとも、持ち込ませない、は、亡国の論理だ。
酒楽は何度も主張しているが、当面、米国の構想する東アジアへの中距離弾道ミサイル配備を受け入れ、国内に地上発射基地を設けるべきだ。次に、原潜を国内技術で製造し、米国製SLBMトライデントミサイルを搭載するべきなのだ。
何度も言うが、米国は疑っているのだ、我が国を。日米同盟に疑問を持っているのだ。米国や我が国の政権が交代するたびに、いの一番に尖閣は日米安全保障条約第5条の適用範囲である、ということを確認することが習わしになっているが、それが独立国としての姿勢か?恥ずかしくないのか?
それを言うなら、自ら国家防衛のための努力をし、これ以上(核兵器)は無理なので、アメリカさんお願いしますよ、というのが筋だろう。最初からおんぶに抱っこで、しかも、拡大抑止の提供を受けていながら、はしごを外すような発言。これでは、同盟を疑われても反論できまい。
■ 戦後最大の国難に直面している日本
「尖閣周辺で中国の武装艦艇は2020年だけでも合計1181隻、通算282日にもわたり日本側の接続水域に侵入した。日本の領海への侵入は2019年と2020年と合わせて合計59回に達した。しかも2021年2月には、中国当局が尖閣海域などに出動する中国海警の艦艇に武器使用を許す新たな命令を出した」
「南シナ海でも中国は国際仲裁裁判所の裁定を無視して、他国の権益を侵し、規則に基づく国際秩序への挑戦を重ねている。その結果、米国が日本とともに推進する『自由で開かれたインド太平洋』構想を打破しようとしているのだ」
戦後最大の国難が、国民の目に見えないのが最大の問題なのだ。それを国民の目から隠しているのは、諸悪の根源公明党だ。公明党は、今回も国土交通相のポストを手に入れ、尖閣の危機を国民の目から隠している張本人なのだ。
自民党首脳は、そのことに気が付いていないか、公明党に忖度しているのかいずれかだろうが、米国に疑われる原因は、国民が事実を知らされていないことに起因しているのだ。
防衛費をGDP比2%以上に引き上げるなら、尖閣の実情を国民に見せればいいだけだ。映像を見れば、国論は沸騰するだろう。当然だ。だが、公明党、国土交通相がそれを邪魔しているのだ。
その責任は、政府自民党にある。国交相ポストを公明党から取り上げ、尖閣の実情を広く国民に知らしめよ。全てはそれからだ。公明党には、別のポストをあてがえばいい。農林水産大臣とか・・・。
■ 日本の防衛体制強化を求める米国
岸田政権の安全保障政策に対して最も総合的な疑問や期待を提示したのは、長年、日米同盟の政策形成や実際の日米交渉に関わってきたハドソン研究所上級研究員のジェームズ・プリシュタップ(James Przystup)氏である。プリシュタップ氏は日本の安保環境を以上のように総括したうえで、米側の期待について語った。
「こうした観点からみると、日本の2013年の国家安全保障戦略も、2015年の日米防衛協力のための指針も、日本の防衛については具体策を明記していても、日米同盟を通じての地域的、さらにはグローバルな安保への対応については明確な言及がない。いずれも刷新、改変の必要がある」
プリシュタップ氏は日本の安保政策の深化と拡大への米側の期待をこう述べたうえで、日本が具体的に強化すべき点を述べた。
「この現状において日本は防衛予算をGDP(国内総生産)の2%にまで増すことが不可欠となる。敵基地攻撃能力を保有し、敵の日本攻撃を防ぐ能力を日米同盟深化のなかに組み込むことも欠かせない。インテリジェンス、人工知能、宇宙、サイバーという分野での防衛力強化も不可欠となる」
さらに同氏は次のように強調した。
「台湾情勢が日本の生存にも直結するという現実の下、台湾海峡の平時の対中抑止、戦時の対処も、日本の国家安全保障の重大課題となった。岸田新首相はこうした米国側の超党派の認識や期待を真剣に考慮しなければ、日米同盟への深刻な不安が生まれるだろう」
いかがでしたか?アンダーラインの部分が、この記事のハイライトです。
日米同盟への深刻な不安が生まれるだろう。
日米同盟にこれほど深刻な懸念が表明されたのは、酒楽の知る限り初めてである。
ここ半年ほど、口を酸っぱくして、日本政府は領土防衛の覚悟を決めよ、と主張してきたが、海の向こうでも同じような主張がなされているようだ。
今すぐ、台湾、尖閣有事が起きる蓋然性は低いと思われるが、大陸は、じっと日本を観察し、足元を見ている。そして、同じように米国も我が国を見ている。
漫然と日中友好を謳い、防衛力の増強を主張していても、実行が伴わなければ、足元を見られ、同盟国の信頼を失うのである。ましてや核兵器廃絶を主張すれば、米国の逆鱗に触れてもおかしくはない。頭大丈夫か岸田さん?
岸田政権にそのような危機感は感じられない。それが最も危険だ。我が国の安全保障環境は、既に分水嶺を超え、危険水域に入ってきているのだ。ソ連の脅威とは比べるべくもない、強大な大陸の脅威が目前に迫っているのだ。
ゆっくりしている暇はない。着実に堅実に、防衛力増強を行ってもらいたい。そして、日本の危機の現実を隠さずに国民に伝えることだ。最早、民は寄らしむべし知らしむべからず、の時代ではない。国民の支持なくして、我が国を防衛することはできないのだ。
日本人を見損なってはならない。現実を正しく認識すれば、国民は戦う覚悟を決めるだろう。それが古来変わらぬ大和の特性だからだ。
11/3(水) 11:01 JBpress/Yahooニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/f31aaf3344c6bb9b34644e924836eec8757bacb1?page=1
古森 義久 産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授の署名記事である。
衆院選の結果、安定多数の議席を確保した岸田政権。酒楽としては、この結果を喜んでいる。当然だが。
だが、一つ視野を広げて、我が国を取り巻く安全保障環境に目を向ければ、喜んでばかりもいられない。古森氏の記事は、それを鋭く指摘している。記事の中から、焦点となる内容を引用しつつ論評したい。
■中国との関係
ワシントンのシンクタンク、経済戦略研究所(ESI)のクライド・プレストウィッツ所長。
「岸田氏の『中国との関係の安定を求める』とはなにか。米国の懸念する中国の軍事攻勢に日本は具体的にどう対処するのか」
酒楽が何度も主張している戦う覚悟が見えない、ということだ。米国は疑っているのだ、日本を。中国と真剣に対峙し、いざという時は、一戦も辞さない、これが米国の考えだろうと思われる。だから、このような疑問が出てくるのだ。
相当に危険だ、日本は。同盟国米国から、戦う覚悟を疑われているのだ。つまり、日本政府は、それだけ鈍感だということだ。そして、中国からは足元を見られ、同盟国からは、覚悟を疑われている。これを危機と言わずして何と言うのだ。
■ 「核兵器全廃」と“現実”をどう整合させるのか?
ジョージタウン大学の東アジア文化言語学部のケビン・ドーク教授
「岸田氏は核兵器全廃という標語をよく唱えているが、この主張を日本が享受する米国の核の傘による保護とどう整合させるのか」
これも核心をついている。核兵器廃絶を日本の総理大臣が唱えれば、こういう質問になるのは当然ではないか。米国の提供する拡大抑止、いわゆる核の傘は、日本の生命線である。核兵器を持たない、持つことが許されない日本は、米国の核の傘に安全保障の根幹を委ねているのだ。それを疑わせるような発言を総理大臣が行えば、こういう質問になるだろう。
日本は、この際、非核3原則について、広く国民的議論を行うべきだ。少なくとも、持ち込ませない、は、亡国の論理だ。
酒楽は何度も主張しているが、当面、米国の構想する東アジアへの中距離弾道ミサイル配備を受け入れ、国内に地上発射基地を設けるべきだ。次に、原潜を国内技術で製造し、米国製SLBMトライデントミサイルを搭載するべきなのだ。
何度も言うが、米国は疑っているのだ、我が国を。日米同盟に疑問を持っているのだ。米国や我が国の政権が交代するたびに、いの一番に尖閣は日米安全保障条約第5条の適用範囲である、ということを確認することが習わしになっているが、それが独立国としての姿勢か?恥ずかしくないのか?
それを言うなら、自ら国家防衛のための努力をし、これ以上(核兵器)は無理なので、アメリカさんお願いしますよ、というのが筋だろう。最初からおんぶに抱っこで、しかも、拡大抑止の提供を受けていながら、はしごを外すような発言。これでは、同盟を疑われても反論できまい。
■ 戦後最大の国難に直面している日本
「尖閣周辺で中国の武装艦艇は2020年だけでも合計1181隻、通算282日にもわたり日本側の接続水域に侵入した。日本の領海への侵入は2019年と2020年と合わせて合計59回に達した。しかも2021年2月には、中国当局が尖閣海域などに出動する中国海警の艦艇に武器使用を許す新たな命令を出した」
「南シナ海でも中国は国際仲裁裁判所の裁定を無視して、他国の権益を侵し、規則に基づく国際秩序への挑戦を重ねている。その結果、米国が日本とともに推進する『自由で開かれたインド太平洋』構想を打破しようとしているのだ」
戦後最大の国難が、国民の目に見えないのが最大の問題なのだ。それを国民の目から隠しているのは、諸悪の根源公明党だ。公明党は、今回も国土交通相のポストを手に入れ、尖閣の危機を国民の目から隠している張本人なのだ。
自民党首脳は、そのことに気が付いていないか、公明党に忖度しているのかいずれかだろうが、米国に疑われる原因は、国民が事実を知らされていないことに起因しているのだ。
防衛費をGDP比2%以上に引き上げるなら、尖閣の実情を国民に見せればいいだけだ。映像を見れば、国論は沸騰するだろう。当然だ。だが、公明党、国土交通相がそれを邪魔しているのだ。
その責任は、政府自民党にある。国交相ポストを公明党から取り上げ、尖閣の実情を広く国民に知らしめよ。全てはそれからだ。公明党には、別のポストをあてがえばいい。農林水産大臣とか・・・。
■ 日本の防衛体制強化を求める米国
岸田政権の安全保障政策に対して最も総合的な疑問や期待を提示したのは、長年、日米同盟の政策形成や実際の日米交渉に関わってきたハドソン研究所上級研究員のジェームズ・プリシュタップ(James Przystup)氏である。プリシュタップ氏は日本の安保環境を以上のように総括したうえで、米側の期待について語った。
「こうした観点からみると、日本の2013年の国家安全保障戦略も、2015年の日米防衛協力のための指針も、日本の防衛については具体策を明記していても、日米同盟を通じての地域的、さらにはグローバルな安保への対応については明確な言及がない。いずれも刷新、改変の必要がある」
プリシュタップ氏は日本の安保政策の深化と拡大への米側の期待をこう述べたうえで、日本が具体的に強化すべき点を述べた。
「この現状において日本は防衛予算をGDP(国内総生産)の2%にまで増すことが不可欠となる。敵基地攻撃能力を保有し、敵の日本攻撃を防ぐ能力を日米同盟深化のなかに組み込むことも欠かせない。インテリジェンス、人工知能、宇宙、サイバーという分野での防衛力強化も不可欠となる」
さらに同氏は次のように強調した。
「台湾情勢が日本の生存にも直結するという現実の下、台湾海峡の平時の対中抑止、戦時の対処も、日本の国家安全保障の重大課題となった。岸田新首相はこうした米国側の超党派の認識や期待を真剣に考慮しなければ、日米同盟への深刻な不安が生まれるだろう」
いかがでしたか?アンダーラインの部分が、この記事のハイライトです。
日米同盟への深刻な不安が生まれるだろう。
日米同盟にこれほど深刻な懸念が表明されたのは、酒楽の知る限り初めてである。
ここ半年ほど、口を酸っぱくして、日本政府は領土防衛の覚悟を決めよ、と主張してきたが、海の向こうでも同じような主張がなされているようだ。
今すぐ、台湾、尖閣有事が起きる蓋然性は低いと思われるが、大陸は、じっと日本を観察し、足元を見ている。そして、同じように米国も我が国を見ている。
漫然と日中友好を謳い、防衛力の増強を主張していても、実行が伴わなければ、足元を見られ、同盟国の信頼を失うのである。ましてや核兵器廃絶を主張すれば、米国の逆鱗に触れてもおかしくはない。頭大丈夫か岸田さん?
岸田政権にそのような危機感は感じられない。それが最も危険だ。我が国の安全保障環境は、既に分水嶺を超え、危険水域に入ってきているのだ。ソ連の脅威とは比べるべくもない、強大な大陸の脅威が目前に迫っているのだ。
ゆっくりしている暇はない。着実に堅実に、防衛力増強を行ってもらいたい。そして、日本の危機の現実を隠さずに国民に伝えることだ。最早、民は寄らしむべし知らしむべからず、の時代ではない。国民の支持なくして、我が国を防衛することはできないのだ。
日本人を見損なってはならない。現実を正しく認識すれば、国民は戦う覚悟を決めるだろう。それが古来変わらぬ大和の特性だからだ。
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