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日本人という民族

宮家邦彦のWorld Watch 産経新聞11月18日

■「問われる台湾防衛の意志」

 台湾のシンクタンク「台湾民意基金会」が最近発表した世論調査によれば、台湾有事の際、日本が自衛隊を派遣すると予想する回答が58%、米軍が参戦するとの回答が65%あったという。この数字を如何に解釈すべきか。

 楽観主義者は「台湾の日米に対する信頼の高さ」を見るだろうが、基本的に悲観論者である筆者は「台湾の人々の楽観論は甘い」と考える。古今東西、自衛する意志のない人間集団は消滅してきたからだ。一昔前、米国の著名な戦略家から「ロシアがフィンランドを侵攻しない理由はフィンランド人が侵入するロシア人を皆殺しにするまで戦うからだ」と言われ、妙に納得した覚えがある。これと同様、中国の台湾侵攻を抑止する究極的手段は、台湾の人々の最後まで戦う「意志の強さ」であるべきなのだ。

 それを思い出しつつ今回の報告書を読んで最も注目したのは、台湾が「予備役動員」改革を進めていることだ。確かに最新鋭の米国製武器は魅力だろうが、最終的に台湾を防衛するのは台湾の人々の意思と能力だ。今回の報告書でもこの点を強調しており、だからこそ米軍特殊部隊の訓練を受け入れてきたのだろう。このことは台湾だけではなく、我が国の防衛にも言えること。究極的抑止力は、国民一人一人の最後まで戦う意志の強さに依存するのである。


 アフガンと南ベトナムの民は、自衛する意志が無かったから消滅した。

 鎌倉時代、日本は、支那の覇者だった元(モンゴル)と戦って、これを撃退している。

 大東亜戦争では米国と戦い、本土決戦を前に降伏した。

 独立回復後、日本人の戦う意志は、どうなったのだろうか?その答えの一つを紹介したい。

 陣地防御においては、ある程度の損害を受けた段階で、後退する。教科書的にはそうなっている。だが、図上戦術を行っている学生の中には、任務を達成していないのに後退できないではないか?という者が必ずいる。

 与えられた任務は、達成しなければならない、これが日本人の考え方だ。あるいは文化と言ってもいい。こういう意見が必ずあって、しかも少なくない割合で存在する。

 戦いは合理的ではないのだ。戦略戦術も最終的には、集団の戦う意志に左右されるのだ。任務は達成しなければならないものだ、と考える自衛官が存在するのを喜ぶべきだと思う。戦術的に誤っていたとしても。

 ただし、自衛官だけが戦ってもだめなのだ。そういう自衛隊を国民が支持しなければだめなのだ。

 戦争になったら逃げる、と公言している東大卒の若い評論家がいるようだ。だが、大半の日本人は、戦うことを選択するだろう。何故なら日本人とはそういう民族だからだ。そこに理由などない。
 
 
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