酒楽独語

ドニエプル川の戦い

　ドニエプル川の戦い（もしくはドニエプル川下流の戦い）(英語Battle of the Dnieper) とは第二次世界大戦中の1943年に行われた戦いのことである。この4か月の戦いの間、ドニエプル川東岸はソビエト赤軍5個方面軍によってドイツ国防軍から取り戻され、さらに西岸にいくつかの橋頭堡を築くために幾筋かの攻撃渡河の先導となった。その後、キエフは別の攻撃（英語版）により解放された。（Wiki）

　ウクライナは、独ソ戦で主要な戦場となりました。特にソ連の反攻によって退却を余儀なくされたドイツ軍が、ドニエプル川で戦線を支える防御作戦を行ったのは有名です。

　ドイツ国防軍でソ連正面を担当していたのは、マンシュタイン将軍です。モスクワ正面で攻勢の終末点を迎えたドイツ軍は、ソ連軍の反撃を迎え、長く苦しい後退作戦をおこなったのです。

　マンシュタイン将軍の後退作戦は見事の一言に尽きます。華やかな攻勢作戦と違い、後退作戦は誰もやりたくはありません。ですが、ドイツ国防軍の戦術の頂点を見せたのは、マンシュタイン将軍の意地でしょうか。ドニエプル川に戦線を構築したマンシュタイン将軍の采配は、戦史に残る名采配と言われています。

　地図にある通り、ドニエプル川はウクライナを南北に縦断する大河です。今まさに、ロシアが侵攻しようとしているのが、ウクライナですね。ニュースで報道されていますが、ロシアの大地は、冬に凍結し、軍の作戦には適しています。

　それが春になると、大地は泥濘に覆われ、軍の作戦には適しません。独ソ戦でも同じでした。ウクライナが今なぜ危機なのかと言えば、この季節の特徴が一つの原因になっているのは間違いないでしょう。独ソ戦も、この泥濘の時期には、戦線に大きな動きはなかったのです。

　プーチンは、侵攻するなら今しかないのです。あと少しすれば、ロシアの冬は終わり、ウクライナに有利な泥濘の春が訪れるからです。

　マンシュタイン将軍ならどうするでしょうか？


陸上自衛隊HPから引用

　こちらは、陸自の誇る９０式戦車です。冬ですね。９０式戦車は、陸自唯一の機甲師団である第７師団だけに装備される戦車です。冬はこんな感じです。

　ですが、梅雨時になると、北海道の演習場もけっこう泥濘化します。戦車は滅多にハマりませんが、装甲車やトラックは普通にハマって身動きが取れなくなるのです。酒楽はこれで１個小隊を全滅させた苦い経験があります。

　ロシアの戦車も泥にハマれば、ただのドン亀です。プーチンはどうしますかね。