ロシア軍は首都キーウをどうするつもりか 防衛する司令官たちに聞 く2022年3月15日 BBCnews
BBCにならい、拙稿でもこれからキーウ(ロシア語読みキエフ)と表記します。
先日、ロシアの兵站が脆弱ではないかと主張しましたが、地図を見るとよくわかります。キーウは836㎡ということなので、単純に言えば、一辺29キロの正方形とほぼ同じです。実際の地形は、地図を見ていただければわかります。扇型のような地形ですね。ドニエプル川が市の中央を南北に流れています。
けっこう広大な平地にあるというイメージですね。今のところ南側は開放されていて、キーウへの物資の補給は、この南側を使用しているものと思われます。東西からロシア軍がキーウに迫っています。
西側に進出しているロシア軍が南下するのをウクライナ軍が必死に阻止しているものと思います。ウクライナ軍は、無人機を効率的に運用していますね。ジョージア・アルメニア紛争と同じで、無人機を効率的に運用できた側が戦場を支配しているのです。ウクライナは、今次戦争前に、米軍から様々な技術を教えてもらったのでしょう。おそらく、トルコ製の無人機と思われます。余談ですが、トルコ製無人機は、今バカ売れしています。
ロシア軍がキーウを包囲し、かつ、包囲環を維持するための戦力と兵站は、膨大なものになるでしょう。包囲されたキーウがどれだけ持ちこたえるかもまた大変ですが。
キーウの人口は約300万人です。住民は脱出を継続しているものと思いますが、未だにかなりの人々が残っているでしょう。多ければ、食料の補給に問題があるでしょう。

同じことはロシア軍についても言えます。キーウ包囲がなかなか進展しないのは、戦力というよりも、兵站に問題があるものと思います。後先考えずに攻撃すれば、弾薬、燃料、糧食が不足して、撤退を余儀なくされるでしょう。
ロシア軍司令官が考えているのは、包囲に要する日数、被害想定、包囲した後の戦力の維持だと思います。これに不安があるようだと、容易に包囲のため戦うことはできません。
キーウの司令官が考えていることはその逆です。包囲されないように、南側を死守するでしょうし、ロシア軍の補給活動を妨害する戦いを続けるでしょう。ロシア軍の短期間でのウクライナ侵攻は達成できなかったのですから、長期戦は必至です。長期戦の成否は、兵站です。これからの戦いは、兵站を焦点に行われるでしょう。
攻防の焦点は、南側です。ロシアが奪取すれば、キーウの命運は尽きるかもしれません。奪取できなければ、ロシア侵攻軍は立ち枯れて、ウクライナの大地に屍を晒すことになるでしょう。
1辺約30キロ、全体で120キロの包囲環を形成するには、1個師団の正面幅20キロとして、少なくとも6個師団は必要かと。1個師団を仮に1万人だとすれば、6万人。弾薬、燃料、糧食は、毎日6,000トンから10,000トンくらいは必要でしょう。キーウ正面だけで。1か月の作戦では、20~30万トンです。これらの物資を輸送する車両がどのくらい必要かを考えるだけで、ロシア侵攻軍の作戦が遅滞している理由が想像できるでしょう。
最前線で戦う部隊に弾薬を補給するためには、何段階もの兵站組織を構成し、運用する必要があります。国家兵站~(方面)兵站基地~前進兵站基地~前方支援地域(ここまでは兵站部隊の組織)~師団段列~連隊段列という具合に階層構造の兵站組織を構成するのです。これだけの大部隊を支援するための兵站組織を構成するのは大変です。時間も労力も必要です。
そしてこれらの兵站組織は、補給幹線を通じて物資を補給します。報道によれば、車両部隊が、大渋滞している映像が流れていました。これから冬が終わり、ウクライナの大地は泥濘化するでしょう。そして、映像にあったように、舗装道路以外の通行は困難になります。そして、補給幹線は、そうした舗装道路以外に設定することは困難でしょう。
つまり、補給幹線を無人機を使って、効率的に爆撃すれば、弾薬、燃料、糧食の輸送は困難を極め、前線部隊は干上がるのです。現状、ロシア軍の侵攻速度が停滞しているように見えるのは、そのような背景があるものと思います。そして、舗装道路以外の通行が困難になれば、大部隊の作戦は困難になります。泥濘化が終わるまで前線は膠着状態になるかもしれません。ますます長期化が予想されます。長期化は、ウクライナに有利であり、ロシアに不利です。プーチン危うし。
ウクライナは、西側がこれらを補給しています。ロシアには有力な支援者はいません。シナを除き。シナも本気で支援はしないでしょう。自分の身の安全を保障できない限り。
キーウの補給路をロシアが断てば、ロシアの勝ち、断てなければウクライナの勝ち、になるかもしれません。頑張れウクライナ、ウクライナに栄光あれ!
BBCにならい、拙稿でもこれからキーウ(ロシア語読みキエフ)と表記します。
先日、ロシアの兵站が脆弱ではないかと主張しましたが、地図を見るとよくわかります。キーウは836㎡ということなので、単純に言えば、一辺29キロの正方形とほぼ同じです。実際の地形は、地図を見ていただければわかります。扇型のような地形ですね。ドニエプル川が市の中央を南北に流れています。
けっこう広大な平地にあるというイメージですね。今のところ南側は開放されていて、キーウへの物資の補給は、この南側を使用しているものと思われます。東西からロシア軍がキーウに迫っています。
西側に進出しているロシア軍が南下するのをウクライナ軍が必死に阻止しているものと思います。ウクライナ軍は、無人機を効率的に運用していますね。ジョージア・アルメニア紛争と同じで、無人機を効率的に運用できた側が戦場を支配しているのです。ウクライナは、今次戦争前に、米軍から様々な技術を教えてもらったのでしょう。おそらく、トルコ製の無人機と思われます。余談ですが、トルコ製無人機は、今バカ売れしています。
ロシア軍がキーウを包囲し、かつ、包囲環を維持するための戦力と兵站は、膨大なものになるでしょう。包囲されたキーウがどれだけ持ちこたえるかもまた大変ですが。
キーウの人口は約300万人です。住民は脱出を継続しているものと思いますが、未だにかなりの人々が残っているでしょう。多ければ、食料の補給に問題があるでしょう。

同じことはロシア軍についても言えます。キーウ包囲がなかなか進展しないのは、戦力というよりも、兵站に問題があるものと思います。後先考えずに攻撃すれば、弾薬、燃料、糧食が不足して、撤退を余儀なくされるでしょう。
ロシア軍司令官が考えているのは、包囲に要する日数、被害想定、包囲した後の戦力の維持だと思います。これに不安があるようだと、容易に包囲のため戦うことはできません。
キーウの司令官が考えていることはその逆です。包囲されないように、南側を死守するでしょうし、ロシア軍の補給活動を妨害する戦いを続けるでしょう。ロシア軍の短期間でのウクライナ侵攻は達成できなかったのですから、長期戦は必至です。長期戦の成否は、兵站です。これからの戦いは、兵站を焦点に行われるでしょう。
攻防の焦点は、南側です。ロシアが奪取すれば、キーウの命運は尽きるかもしれません。奪取できなければ、ロシア侵攻軍は立ち枯れて、ウクライナの大地に屍を晒すことになるでしょう。
1辺約30キロ、全体で120キロの包囲環を形成するには、1個師団の正面幅20キロとして、少なくとも6個師団は必要かと。1個師団を仮に1万人だとすれば、6万人。弾薬、燃料、糧食は、毎日6,000トンから10,000トンくらいは必要でしょう。キーウ正面だけで。1か月の作戦では、20~30万トンです。これらの物資を輸送する車両がどのくらい必要かを考えるだけで、ロシア侵攻軍の作戦が遅滞している理由が想像できるでしょう。
最前線で戦う部隊に弾薬を補給するためには、何段階もの兵站組織を構成し、運用する必要があります。国家兵站~(方面)兵站基地~前進兵站基地~前方支援地域(ここまでは兵站部隊の組織)~師団段列~連隊段列という具合に階層構造の兵站組織を構成するのです。これだけの大部隊を支援するための兵站組織を構成するのは大変です。時間も労力も必要です。
そしてこれらの兵站組織は、補給幹線を通じて物資を補給します。報道によれば、車両部隊が、大渋滞している映像が流れていました。これから冬が終わり、ウクライナの大地は泥濘化するでしょう。そして、映像にあったように、舗装道路以外の通行は困難になります。そして、補給幹線は、そうした舗装道路以外に設定することは困難でしょう。
つまり、補給幹線を無人機を使って、効率的に爆撃すれば、弾薬、燃料、糧食の輸送は困難を極め、前線部隊は干上がるのです。現状、ロシア軍の侵攻速度が停滞しているように見えるのは、そのような背景があるものと思います。そして、舗装道路以外の通行が困難になれば、大部隊の作戦は困難になります。泥濘化が終わるまで前線は膠着状態になるかもしれません。ますます長期化が予想されます。長期化は、ウクライナに有利であり、ロシアに不利です。プーチン危うし。
ウクライナは、西側がこれらを補給しています。ロシアには有力な支援者はいません。シナを除き。シナも本気で支援はしないでしょう。自分の身の安全を保障できない限り。
キーウの補給路をロシアが断てば、ロシアの勝ち、断てなければウクライナの勝ち、になるかもしれません。頑張れウクライナ、ウクライナに栄光あれ!
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