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冷遇される都市有権者

細田氏「黙ってられない」 10増10減に反対にじます 2022/4/9 18:48 産経

①「地方は地方の立場がある」と強調。直接の言及は避けたが、衆院小選挙区定数の「10増10減」に反対する考えをにじませた形だ。

②同時に「地方が発展し、所得、雇用が増える。そういったことを具体的に考えないといけない。これは政府、議会の重要な責任だ。これからも一生懸命取り組む」と述べた。

――――――――――――――――――――――――――――――――

 細田衆院議長発言のキモになる部分を引用しました。細田議長の発言は、過去いろいろな方が形を変えて主張してきたことです。地方の声を無視するのか、数の横暴だ、とかいうのが代表的なものでしょうか。

 人口が都市に集中し、地方の過疎化が進んでいるのは、戦後日本の変わらぬ趨勢ですね。都市には職があり、刺激があり、歓楽街がある、これが人の集中を呼ぶのでしょう。

 他方、人口が流出し、過疎化が進む地方住民の苦労や危機感も理解できます。地方の悲痛な叫びを無視せず、出来る限り国政に反映させようとするのは当然だと思います。

 さて細田議長の発言は、民主主義の本質多数決に真っ向から異議を唱えるものです。これはですね、ミスマッチだと酒楽は思います。

 人口動態に応じて議席を増減させるのは、多数決原理を採用している以上当然の行為です。これを否定するなら、多数決原理に代わる新しい民主主義の原理を主張しなければなりません。あればですが。

 そして、もう一つの論点は、「地方」です。地方には地方の立場がある、と細田議長は発言されています。地方の対極にあるのは、都市、あるいは大都市でしょうか。都市と地方、対になって表現されることを考えると、都市を対極としてとらえているのが素直な解釈でしょうね。

 ①は、民主主義の原則、②は地方の発展に関する地方の声を聞いて欲しいという主張です。これを一緒にするから問題になるのでしょう。言葉を変えれば、議席が減ることにより、地方の発言権が減る、と単純に考えているからこうなるのでしょう。

 地方には地方の立場があると言うなら、都市にも都市の立場がある、ということを忘れてはなりません。司法の共通的な認識は、票の格差2倍以内なら合憲だというものです。それでも、2倍近い差があるのです。これを素直に解釈すれば、都市住民の声は軽視されていると言ってもいいでしょう。細田議長の発言は、地方の立場からですが、大都市選出の議員は何故発言しないのでしょうか?

 都市の有権者は、1票が軽いと。地方の有権者は、少ない人数で一議席ある、非常に優遇されている、と。酒楽はこう思います。議席配分でおなじみの、地方は軽視されている、地方の意見を無視するのか、という主張が注目されますが、都市住民の声をどうして取り上げないのでしょうか、メディアは?

 それでなくても1票の価値が大きい地方をこれ以上優遇するのか、と都市住民は思っていると思いますよ。地方には地方の立場があるというなら、都市にも都市の立場がある、と対極の位置について、公平に報道するのがメディアの務めではないですか。それをしないから、優遇されている地方の議員が、更に好き勝手に意見を言うことになるのです。

 地方の有権者は恵まれているのであり、都市の有権者は、冷遇されているのが現状なのです。地方の過疎化に伴って、常に恵まれているのが地方の有権者であり、常に冷遇され続けているのが都市有権者なのです。1票の格差が2倍以上になって初めて議席配分を見直す現状は、常に地方を重視していることを地方選出議員は肝に銘ずるべきなのです。

 都市選出の議員は声を大にして、都市有権者の声を代弁していただきたいと思う次第です。

 伊吹文明元衆院議長が細田衆院議長に苦言を呈していますね。議長としての発言には気を付けるべきだと。その通りだと思います。細田さんは、自分の立場を重々承知していたと思います。それでも議席配分の考えを主張したということは、言わねばならない立場なのでしょうね。島根は県民が少ないからでしょうか。よほど、選挙区民からいろいろ言われているのでしょう。

 でもですね、やっぱり無理があるでしょう。多数決以外にみんなが納得する考え方はないと思いますよ。一番公平だからです。細田さん、お年を召しましたね。そろそろ身を引かれ、後進に道を譲るべきかと思料いたします。

 
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