
酒楽が訓練幹部の頃、20代半ばでしたか、連隊戦闘団の師団長検閲がありました。そのとき酒楽は統裁部に所属してまして、受閲部隊の無線を傍受分析する任務を与えられました。
約3日間、スピーカーの前に陣取り、受閲部隊のFM指揮系を傍受するのです。指揮系には、連隊長各中隊長等が加入しています。無線機に秘匿機能はないので、秘匿略号と隠語を用いて通信をしていたのです。
するとですね、状況が急変したり、統裁部が状況をいろいろと作為したり、連隊長が移動したりするときに、秘匿略号は時間がかかるので、主に隠語を使うのです。そして、何度も聞いていると、猿は連隊長、鳥は中隊長だとかがわかってくるのです。隠語ですから、何度も使っていると、わかるんですね。そして、あるとき、連隊長がどこからどこに移動することまでわかってしまったのです。
これが秘匿機能のない無線機を使う危険性ですね。連隊長が、何時ごろどこどこに来るのがわかれば、ロシアのように敵の狙撃手の餌食になるのは日を見るより明らかなのです。
もう一つ驚きの体験をしました。場所は、矢臼別演習場だったのですが、統裁系に全く関係のない通話が割り込んできたのです。自衛隊の周波数は限られているので、とある地域で使用する周波数を他の部隊が使用しないように統制されているのですね。それで、酒楽は割り込んできた通話に注意を促したのです。こちらは〇〇師団統裁系なので、速やかに他の周波数に切り替えられたい、と。
するとですね、通話の相手は、東部方面総監の乗った車両だったようです。これには少しビビりましたww 場所は、横須賀市の某所です。FMの周波数で、三浦半島と北海道道東が繋がることはあり得ません。通常なら、数十キロの通達範囲だからです。道東と三浦半島は少なくとも500キロ以上離れているからです。ただ、一つだけ可能性がありました。それはスポラディックE層による異常伝搬です。そのときは、そのスポラディックE層のいたずらで、矢臼別と横須賀の通話が生起したのです。しばらくして東方総監の通話は聞こえなくなりました。その間数分。そんなこともあるのですね。
スポラディックE層 Wiki
ウクライナの兵は、耳をじっと澄ましてロシアの無線を聞いていることでしょう。何人もかかわっていると思います。生で通話していたり、簡単な隠語で通話していれば、上記のように簡単に解読されます。将官の戦死が伝えられていますが、佐官級の指揮官もやられていると思います。軍紀が乱れていればこういうことになるのですね。我が自衛隊はそんなことになっていないと思います。ご安心くださいwww
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