弁護士会という病
弁護士 北村晴男 2020.10.4 産経新聞
日本弁護士連合会(日弁連)の執行部とその周辺には、人権派と呼ばれる弁護士が多くいて、死刑廃止のための活動を長年行ってきた。
その結果、近年、全国各地の弁護士会で死刑廃止を求める決議が相次いでいる。(52弁護士会のうち、確認できる限りでも8)。つい先日、9月24日には、私が所属する東京弁護士会も臨時総会を開き、「死刑制度廃止に向け、まずは死刑執行停止を求める決議」を可決した。
平成28(2016)年に開かれた日弁連主催の第59回人権擁護大会で「2020年までに死刑制度の廃止を目指すべき」とする宣言が採択されて以降、いくつもの弁護士会が死刑廃止を求める動きを活発化させているのだ。
こう書くと、弁護士会という団体は、もはや死刑廃止論一色で、ほとんどの弁護士が死刑廃止論者であるかのように思われるかもしれないが、実際は、全く違う。
実は弁護士会が組織とし衛死刑廃止論を打ち出すことに賛成する弁護士は少数派なのである。28年の人権擁護大会にしても当時の日弁連会員3万7606人のうち参加者は786人で、このうち採択に賛成したのは546人。つまり全弁護士のわずか1.4%の意志が示されたに過ぎない。
(中略)
刑事司法の根幹を成すともいえる死刑制度は、これまで長年の議論を経ながらも存置されてきた。現在、約8割の国民が支持している。
廃止論の中でも、冤罪の人が死刑になれば取り返しがつかないという論理には確かに一定の説得力があるが、だからといって、死刑を廃止すべきだとするのは早計である。
死刑となるのは、何の落ち度もない複数の被害者を身勝手な動機で無残に殺害した犯人だ。
家族を殺された遺族が、犯人を殺してやりたいと思うのは自然の感情であろうと思う。そんな遺族に、「日本は法治国家であり、復讐で相手を殺すことなど許されない」という説明が、どれだけ説得力を持つだろうか。そんなことを言えるのは第三者であり、遺族には耐えられるものではない。無論、日本は法治国家であり続けなければならない。だからこそ、どうしてもやむを得ない場合、国が被害者と遺族に代わり犯人を極刑に処する、そういう制度があって、「自ら手を下すのではなく、刑事司法に任せるべきだ」という法治国家の理念にギリギリの説得力を付与できるのではないだろうか。
(中略)
個々の弁護士が死刑廃止を訴えること自体は自由だが、それは「弁護士会」という全弁護士が加入しなければならない強制加入団体、公的団体で行うべきことではあるまい。それぞれの弁護士の政治活動は、自由に入退会できる任意団体で行うべきだ。少なくとも、「弁護士会」の名で死刑廃止運動を行い、「多くの弁護士は死刑廃止論者だ」などという誤解を世間に与え続けている現状は、多くの弁護士の思想信条の自由を害し、社会を欺く暴挙に他ならない。
真実を求めるべき弁護士は、世間を欺くようなことをしてはならないはずだ。
(引用終わり)
小生は、法律に関しては門外漢である。しかし、死刑制度には賛成である。理由は簡単だ。近代刑法は個人の報復権を否定する代わりに、国家による死刑制度を定着させたからである。個人の報復権(日本では一般的に「仇討ち」という)を否定する代わりに、国家が殺人犯を極刑に処することで、遺族の報復感情を満足させるとともに、社会正義と社会秩序を維持する。これが死刑制度の根幹を成す考え方であろうと認識している。
北村弁護士は、「行列のできる法律相談所」という番組に出演した弁護士の一人で、それ以来、地上波ではよく見かける弁護士である。余談だが、橋下徹氏もこの番組に出演していた。
ところで、本稿は死刑制度の賛否について論じるものではない。日弁連のような強制加入団体、法律で定められた公的団体には、政治的活動を禁止させるべきだと訴えたいのだ。
弁護士会、司法書士会、行政書士会、いずれも弁護士、司法書士、行政書士にとっては、加入しなければならない団体である。それぞれ、法律で定められている。例えば、弁護士法で。北村弁護士の言うように、こういった強制加入団体が、死刑廃止を提言するなど余計なお世話だということだ。本来、弁護士、検事、裁判官などは、法律に対して、中立であらねばならないだろう。
死刑制度は、法治の根本原理だ。これを単なる弁護士の強制加入団体である弁護士会が、死刑制度の廃止を訴えるというのは、組織の存立理由を大幅に逸脱している。北村弁護士の言うように、任意団体にでも加入して活動すればいいのだ。弁護士会が、死刑制度の廃止を訴えれば、何も知らない有権者は、「弁護士会が言うのだから、たぶん正しいのだろう」くらいの感覚で死刑制度の廃止に傾く可能性を無視できないではないか。
難関の司法試験を突破している弁護士には、それだけの社会的信頼も存在する。そういった方々が、弁護士会という名前を使って、特定の政治的意思を表明するのは間違っている。

弁護士法を改正して、強制加入団体である弁護士会には、政治的活動を禁止するべきだ。公務員が政治的行為を制限されたり、自衛官が政治的活動を禁止されたりするのと同様に、弁護士会、司法書士会、行政書士会にも同様の制限を設けるべきだ。
この話題を取り上げたのは、他でもない、菅首相が、日本学術会議にメスを入れたからだ。弁護士会にも問題がある。それ以外にも、数多の問題がある。今まで、誰も手を付けてこなかった問題、それが故に、反日勢力に利用されている団体が数多存在する。それも。国の税金を使って。菅総理が、日本学術会議に対して、メスを入れたのを見て、これだけで済ますはずはないと小生は考える。日弁連は、もとい、日弁連に巣くう一部の反日勢力が、日本の法治を崩そうとしているのだ。本来なら、日弁連の自助努力によって、改革すべきなのだろう。法による改革と、日弁連の自助努力、それぞれが必要だ。自助努力を怠っているその他大勢の弁護士は何をしているのだ。新聞に寄稿するのもいいが、弁護士会の一員として、弁護士会の改革を希望する。北村弁護士、お願いしますよ。
菅総理は狼煙を上げたのだ。そう理解している。長年、反日勢力に利用されてきた問題を白日の下にさらけ出したのだ。これだけで終わらせるのは勿体ない。幸い、菅総理は、天皇陛下から任命されたばかりだ。何をやっても許される。黄金の時間が今だ。逆に、この時期を失すれば、永久に改革するチャンスを失うことが多いものと思う。チャンスは二度とやってこない。今なのだ。日本学術会議と日弁連を改革して、解散総選挙だ。
弁護士会
日本における弁護士会は、弁護士法第31条第2項に基づいて設立された弁護士の指導・連絡・監督などの事務を行なう弁護士にとっての強制加入団体をいう。弁護士会の連合体をなす日本弁護士連合会(日弁連)や各地方ごとの弁護士会連合会と区別するため、単位弁護士会と呼ぶこともある。
日本の弁護士は、弁護士法によって業務が定められ、同法に基づく業務を行なう。同法は“弁護士は、弁護士それぞれが勤める事務所の所在する単位弁護士会を通じ、すべての弁護士会が加盟する日本弁護士連合会に登録しなければ弁護士としての業務はできない”と第9条で定める。すなわち、日本の弁護士は日弁連、および最低1つの弁護士会に必ず所属することになる。裏を返すと日弁連のみ、あるいは、単位弁護士会のみ登録されているということは、制度上あり得ない。(Wiki)
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弁護士 北村晴男 2020.10.4 産経新聞
日本弁護士連合会(日弁連)の執行部とその周辺には、人権派と呼ばれる弁護士が多くいて、死刑廃止のための活動を長年行ってきた。
その結果、近年、全国各地の弁護士会で死刑廃止を求める決議が相次いでいる。(52弁護士会のうち、確認できる限りでも8)。つい先日、9月24日には、私が所属する東京弁護士会も臨時総会を開き、「死刑制度廃止に向け、まずは死刑執行停止を求める決議」を可決した。
平成28(2016)年に開かれた日弁連主催の第59回人権擁護大会で「2020年までに死刑制度の廃止を目指すべき」とする宣言が採択されて以降、いくつもの弁護士会が死刑廃止を求める動きを活発化させているのだ。
こう書くと、弁護士会という団体は、もはや死刑廃止論一色で、ほとんどの弁護士が死刑廃止論者であるかのように思われるかもしれないが、実際は、全く違う。
実は弁護士会が組織とし衛死刑廃止論を打ち出すことに賛成する弁護士は少数派なのである。28年の人権擁護大会にしても当時の日弁連会員3万7606人のうち参加者は786人で、このうち採択に賛成したのは546人。つまり全弁護士のわずか1.4%の意志が示されたに過ぎない。
(中略)
刑事司法の根幹を成すともいえる死刑制度は、これまで長年の議論を経ながらも存置されてきた。現在、約8割の国民が支持している。
廃止論の中でも、冤罪の人が死刑になれば取り返しがつかないという論理には確かに一定の説得力があるが、だからといって、死刑を廃止すべきだとするのは早計である。
死刑となるのは、何の落ち度もない複数の被害者を身勝手な動機で無残に殺害した犯人だ。
家族を殺された遺族が、犯人を殺してやりたいと思うのは自然の感情であろうと思う。そんな遺族に、「日本は法治国家であり、復讐で相手を殺すことなど許されない」という説明が、どれだけ説得力を持つだろうか。そんなことを言えるのは第三者であり、遺族には耐えられるものではない。無論、日本は法治国家であり続けなければならない。だからこそ、どうしてもやむを得ない場合、国が被害者と遺族に代わり犯人を極刑に処する、そういう制度があって、「自ら手を下すのではなく、刑事司法に任せるべきだ」という法治国家の理念にギリギリの説得力を付与できるのではないだろうか。
(中略)
個々の弁護士が死刑廃止を訴えること自体は自由だが、それは「弁護士会」という全弁護士が加入しなければならない強制加入団体、公的団体で行うべきことではあるまい。それぞれの弁護士の政治活動は、自由に入退会できる任意団体で行うべきだ。少なくとも、「弁護士会」の名で死刑廃止運動を行い、「多くの弁護士は死刑廃止論者だ」などという誤解を世間に与え続けている現状は、多くの弁護士の思想信条の自由を害し、社会を欺く暴挙に他ならない。
真実を求めるべき弁護士は、世間を欺くようなことをしてはならないはずだ。
(引用終わり)
小生は、法律に関しては門外漢である。しかし、死刑制度には賛成である。理由は簡単だ。近代刑法は個人の報復権を否定する代わりに、国家による死刑制度を定着させたからである。個人の報復権(日本では一般的に「仇討ち」という)を否定する代わりに、国家が殺人犯を極刑に処することで、遺族の報復感情を満足させるとともに、社会正義と社会秩序を維持する。これが死刑制度の根幹を成す考え方であろうと認識している。
北村弁護士は、「行列のできる法律相談所」という番組に出演した弁護士の一人で、それ以来、地上波ではよく見かける弁護士である。余談だが、橋下徹氏もこの番組に出演していた。
ところで、本稿は死刑制度の賛否について論じるものではない。日弁連のような強制加入団体、法律で定められた公的団体には、政治的活動を禁止させるべきだと訴えたいのだ。
弁護士会、司法書士会、行政書士会、いずれも弁護士、司法書士、行政書士にとっては、加入しなければならない団体である。それぞれ、法律で定められている。例えば、弁護士法で。北村弁護士の言うように、こういった強制加入団体が、死刑廃止を提言するなど余計なお世話だということだ。本来、弁護士、検事、裁判官などは、法律に対して、中立であらねばならないだろう。
死刑制度は、法治の根本原理だ。これを単なる弁護士の強制加入団体である弁護士会が、死刑制度の廃止を訴えるというのは、組織の存立理由を大幅に逸脱している。北村弁護士の言うように、任意団体にでも加入して活動すればいいのだ。弁護士会が、死刑制度の廃止を訴えれば、何も知らない有権者は、「弁護士会が言うのだから、たぶん正しいのだろう」くらいの感覚で死刑制度の廃止に傾く可能性を無視できないではないか。
難関の司法試験を突破している弁護士には、それだけの社会的信頼も存在する。そういった方々が、弁護士会という名前を使って、特定の政治的意思を表明するのは間違っている。

弁護士法を改正して、強制加入団体である弁護士会には、政治的活動を禁止するべきだ。公務員が政治的行為を制限されたり、自衛官が政治的活動を禁止されたりするのと同様に、弁護士会、司法書士会、行政書士会にも同様の制限を設けるべきだ。
この話題を取り上げたのは、他でもない、菅首相が、日本学術会議にメスを入れたからだ。弁護士会にも問題がある。それ以外にも、数多の問題がある。今まで、誰も手を付けてこなかった問題、それが故に、反日勢力に利用されている団体が数多存在する。それも。国の税金を使って。菅総理が、日本学術会議に対して、メスを入れたのを見て、これだけで済ますはずはないと小生は考える。日弁連は、もとい、日弁連に巣くう一部の反日勢力が、日本の法治を崩そうとしているのだ。本来なら、日弁連の自助努力によって、改革すべきなのだろう。法による改革と、日弁連の自助努力、それぞれが必要だ。自助努力を怠っているその他大勢の弁護士は何をしているのだ。新聞に寄稿するのもいいが、弁護士会の一員として、弁護士会の改革を希望する。北村弁護士、お願いしますよ。
菅総理は狼煙を上げたのだ。そう理解している。長年、反日勢力に利用されてきた問題を白日の下にさらけ出したのだ。これだけで終わらせるのは勿体ない。幸い、菅総理は、天皇陛下から任命されたばかりだ。何をやっても許される。黄金の時間が今だ。逆に、この時期を失すれば、永久に改革するチャンスを失うことが多いものと思う。チャンスは二度とやってこない。今なのだ。日本学術会議と日弁連を改革して、解散総選挙だ。
弁護士会
日本における弁護士会は、弁護士法第31条第2項に基づいて設立された弁護士の指導・連絡・監督などの事務を行なう弁護士にとっての強制加入団体をいう。弁護士会の連合体をなす日本弁護士連合会(日弁連)や各地方ごとの弁護士会連合会と区別するため、単位弁護士会と呼ぶこともある。
日本の弁護士は、弁護士法によって業務が定められ、同法に基づく業務を行なう。同法は“弁護士は、弁護士それぞれが勤める事務所の所在する単位弁護士会を通じ、すべての弁護士会が加盟する日本弁護士連合会に登録しなければ弁護士としての業務はできない”と第9条で定める。すなわち、日本の弁護士は日弁連、および最低1つの弁護士会に必ず所属することになる。裏を返すと日弁連のみ、あるいは、単位弁護士会のみ登録されているということは、制度上あり得ない。(Wiki)
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