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拡大抑止の信頼性

世界を解く-E・ルトワック 北朝鮮は外交で核放棄しない 2022/5/19

 自力で抑止力を確保するために核保有を目指すという議論はあってしかるべきだが、日本がせっかく得た核抑止力も中国にしか通用しないことは理解しておく必要がある。さらに米国が日本に提供している拡大抑止は有効に機能しており、日本が中国の攻撃を抑止できるようになったとしても、中国に対して政治的な優位を得ることは全くないのだ。(利き手 黒瀬悦成)

エドワード・ルトワック(Edward Nicolae Luttwak、1942年11月4日-)は、アメリカ合衆国の国際政治学者。専門は、大戦略、軍事史、国際関係論。
ルーマニアのユダヤ人の家庭に生まれ[1]、イタリア、イギリスで育つ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで学び、英国軍、フランス軍、イスラエル軍に所属した後、1975年にジョンズ・ホプキンス大学で国際関係論の博士号取得[2]。現在、戦略国際問題研究所シニアアドバイザー。


 月1でE・ルトワック氏の「世界を解く」が産経新聞に連載されています。有料記事なので、5月19日付の記事から、核心となる部分を抜粋して引用しました。

 一つ目の主張です。①日本に対する中国の核恫喝が実際に行われた場合も拡大抑止が有効に機能するという保障はどこにもない。

 二つ目の主張。②中国に対する自前の抑止力を保有すれば、政治的に対等となり、場合によっては優位を得ることも可能だ、ということです。

 ソ連が崩壊し、ウクライナが独立したとき、ウクライナは核保有国でした。国内に核ミサイルが何基も配備されていたのです。しかし、ロシアと西側各国の圧力により核を廃棄しました。そして西側の安全保障の約束は果たされず、今回のロシアの侵攻を許したのです。

 この事実を前に、米国の拡大抑止が核戦争の脅威の前に絶対に機能するなどとは言えませんね。拡大抑止の前提は、日米安全保障条約ですが、日米いずれかが1年前に条約破棄を通告すれば、1年後に日米同盟は消滅します。1年後、日本は中国の軍門に下るでしょう。

 自前の抑止力を持っていれば、中国と対等に渡り合えます。中国の我が国に対する核恫喝は無効だからです。最低でも対等の立場になるでしょう。

 国を守る軍事力と、核兵器による抑止力は日本にとって国家生存の核心なのです。目の前に、ロシア、中国、北朝鮮と言う暴力国家が存在し、核兵器の使用も辞さないと公言している国家がいるのです。

 ただし、米国の核の傘が絶対に有効になる手段は一つだけ存在します。それは、日本がアメリカ合衆国の一部になることです。それ以外に絶対的な保証はありません。永遠の同盟はなく、あるのは永遠の国益のみなのです。

 アメリカ合衆国と日本国の国益が永遠に合致する保障などどこにもありません。ましてや、中国が滅亡を覚悟して日本に核恫喝を行った場合に、米国が自国の滅亡を覚悟してまで核の傘を提供してくれるとは到底思えません。

 最後の最後に、米国が核の傘の提供をしなかった場合、我が国は滅亡するのです。自国の生存を他国に依存する国家はいずれ滅亡する運命しかないのです。だから自前の抑止力が必要なのです。

 そういう意味で北朝鮮の行動は、国家としては正しいと酒楽は思います。事実上の核保有国であるイスラエルも同じです。国家存立のため、究極の選択は、自前の核兵器を保有し、抑止力を維持することなのです。他国に依存してはなりません。

 ルトワック氏は、米国人ですから、米国の正しさを主張するのは当然です。しかし、我々は日本人であり、日本国の住民なのです。アメリカの属国に甘んじていれば、いずれ我が国は滅亡してもおかしくありません。

 イスラエルは、とことん考え、自前の核保有以外に生き残る道はないという結論に達したのです。日本もイスラエルと同じように、秘密裏に核兵器を開発、保有するべきでしょう。丸腰でいるなど愚の骨頂です。中国になぶり殺しにされたくなければ、腹を括って抑止力を保有する以外に生き残る道はないと知るべきだ。

 
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