産経新聞の有料記事から一部を抜粋します。
防衛費、従来枠組み外れる可能性を示唆 自民・小野寺氏 2022/6/2
―積み上げを強調しすぎると目標が薄れるのでは
「防衛省の担当者は『必要な物を積み上げればすぐに(GDP比2%に)積みあがる』と答える。抑えられてきたものを普通の整備レベルに戻すには加速度的な積み上げが必要だ」
―具体的にどのような支障が出ているのか
「防衛相時代に格納庫を視察したとき、まだ飛べるのに部品を外された機体があり、、『部品取りに使われている』と聞き愕然とした。防衛装備は特殊なので部品の枯渇は致命的だ。弾薬にしても、島国の日本ではウクライナと違い(他国からの)支援が難しい。しっかり備蓄し一定期間戦えるようにして初めて現実的な国土防衛になる」
以上引用終わり。
いかがですか。酒楽が主張するよりも、元防衛大臣(小野寺五典)と現役防衛省官僚・自衛官が言う方が説得力がありますね。言ってることは酒楽と同じです。
例えば、部隊の充足率です。酒楽はソ連の脅威が大きかった1980年代、北部方面隊に勤務していました。当時は「北方重視」時代で、北部方面隊の充足率は、他方面隊に比べて高いものでした。
ちなみに、酒楽小隊は定員30名に対し、約20名、中隊長のときの定員120名に対し、約80名の充足でした。60~70%の充足率です。これでも全国の陸自部隊に比べれば格段に高い充足率なのです。(あくまでも当時の状況です、現状はわかりません)
でも考えてみてください。定員100%充足を前提に部隊編制は考えられているのです。それが充足率3分の2では、戦力発揮も3分の2になるのです。直線的に考えれば。しかし、充足率が低くても任務は同じです。
えっ、おかしくない?3分の2の戦力で、100%の戦力発揮を求められるって?

でもこれが現実なのです。当時の北部方面隊は恵まれていてこれです。内地(北海以外)の部隊は、見るも無残な有様でした。皆様、どう思いますか?これが自衛隊の現状なのです。陸自15万人、9個師団6個旅団ですが、その現実を知ればお寒い限りなのです。
充足率だけではありません。装備も十分ではありません。現在ウクライナに対して西側各国は最新鋭、あるいは最新鋭に近い装備を供与しています。自衛隊は羨ましく思っているでしょう。我々にも最新鋭の装備を配備してほしいと思っている筈です。
部品取りはその通りなのでしょう。整備規則では、共食い整備は禁止されているのですが、やむを得ず部品取りをしているのだと思います。
先日、必要な物を積み上げるだけで2%は達成できると申し上げましたが、小野寺さんも同じことをおっしゃってますね。心強い限りです。外からはわかりづらいと思いますが、自衛隊の予算要求は相当しっかりしています。
各部隊から、編制要望、人員装備の充足要望、装備品その他の更新要望、装備改善要望など多種多様な要望が全国各部隊、師団、方面から上がってきます。それらの要望を幕僚監部の担当者が全て目を通し(メチャクシャ分厚い)、確認します。そして、既に要求中、要求する、要求は難しい、再度要求されたい、などと分類します。
自分の担当予算については、前年度の予算査定で漏れたもの、必要性などを明記して、班内、課内、部内での審議を行います。ここまでで、相当な労力を使います。それぞれの部署で、必要性を説明し、可能性について聞かれ、分析が足りないとか、根拠を示せとか、いろいろな視点から徹底的に叩かれるのです。
100あった要望のうち、日の目を見るのは10もありません。要求できたとしても、課内、部内、幕内で削られ、省内で削られ、最終的に財務査定も厳しくて予算が通らなかった、などというのは日常茶飯事なのです。担当者なら、部隊要望を毎年読んで、実際に現場に赴いて状況を確認し、隊員の意見を聞いて、膨大な時間を充当して要求を準備するのです。それでも、財務の壁が厚く、毎年毎年胃の痛い予算要求になるのが普通なのです。
それ以外に、中期防衛力整備計画で定められた装備品等の予算要求を併せ行います。
何度も言いますが、無駄な要求など一切ありません。財務の主計担当者を現場に連れて行って説明したりし、防衛省担当者も理解してくれるのですが、財務省本省の壁は厚いのです。
酒楽はあまり期待はしていません。今次ウクライナの状況を見て、原発の状況を見て、人間というのは、実際に危機が起き、損失を受けて初めて実感できる生き物なのだと思います。
悲しいことですが、人間が死んで初めて防衛力の必要性を自覚できるのでしょう。死んでからでは遅いのですが。
岸田内閣の支持率が高止まりしているという報道が多いのですが、自民離れが水面下で進行しているという情報もあって、どちらが正しいのか判然としませんね。岸田内閣が、防衛力整備に本腰を入れ始めたのは朗報でしょうね。腰の重い岸田さんが、相当の努力をするとバイデンに約束したのですから。
問題は、財務省です。彼らは、防衛費の増大に反対はしないでしょう。多勢に無勢ですから。その代わり、財源問題に踏み込んで増税を目論むと思います。増税すれば日本の経済は死にます。ここは、赤字国債で乗り切るしかありません。それで経済が回れば、インフレと経済力の向上で、借金の負担は減るからです。岸田さん、頼みますよ。
防衛費、従来枠組み外れる可能性を示唆 自民・小野寺氏 2022/6/2
―積み上げを強調しすぎると目標が薄れるのでは
「防衛省の担当者は『必要な物を積み上げればすぐに(GDP比2%に)積みあがる』と答える。抑えられてきたものを普通の整備レベルに戻すには加速度的な積み上げが必要だ」
―具体的にどのような支障が出ているのか
「防衛相時代に格納庫を視察したとき、まだ飛べるのに部品を外された機体があり、、『部品取りに使われている』と聞き愕然とした。防衛装備は特殊なので部品の枯渇は致命的だ。弾薬にしても、島国の日本ではウクライナと違い(他国からの)支援が難しい。しっかり備蓄し一定期間戦えるようにして初めて現実的な国土防衛になる」
以上引用終わり。
いかがですか。酒楽が主張するよりも、元防衛大臣(小野寺五典)と現役防衛省官僚・自衛官が言う方が説得力がありますね。言ってることは酒楽と同じです。
例えば、部隊の充足率です。酒楽はソ連の脅威が大きかった1980年代、北部方面隊に勤務していました。当時は「北方重視」時代で、北部方面隊の充足率は、他方面隊に比べて高いものでした。
ちなみに、酒楽小隊は定員30名に対し、約20名、中隊長のときの定員120名に対し、約80名の充足でした。60~70%の充足率です。これでも全国の陸自部隊に比べれば格段に高い充足率なのです。(あくまでも当時の状況です、現状はわかりません)
でも考えてみてください。定員100%充足を前提に部隊編制は考えられているのです。それが充足率3分の2では、戦力発揮も3分の2になるのです。直線的に考えれば。しかし、充足率が低くても任務は同じです。
えっ、おかしくない?3分の2の戦力で、100%の戦力発揮を求められるって?

でもこれが現実なのです。当時の北部方面隊は恵まれていてこれです。内地(北海以外)の部隊は、見るも無残な有様でした。皆様、どう思いますか?これが自衛隊の現状なのです。陸自15万人、9個師団6個旅団ですが、その現実を知ればお寒い限りなのです。
充足率だけではありません。装備も十分ではありません。現在ウクライナに対して西側各国は最新鋭、あるいは最新鋭に近い装備を供与しています。自衛隊は羨ましく思っているでしょう。我々にも最新鋭の装備を配備してほしいと思っている筈です。
部品取りはその通りなのでしょう。整備規則では、共食い整備は禁止されているのですが、やむを得ず部品取りをしているのだと思います。
先日、必要な物を積み上げるだけで2%は達成できると申し上げましたが、小野寺さんも同じことをおっしゃってますね。心強い限りです。外からはわかりづらいと思いますが、自衛隊の予算要求は相当しっかりしています。
各部隊から、編制要望、人員装備の充足要望、装備品その他の更新要望、装備改善要望など多種多様な要望が全国各部隊、師団、方面から上がってきます。それらの要望を幕僚監部の担当者が全て目を通し(メチャクシャ分厚い)、確認します。そして、既に要求中、要求する、要求は難しい、再度要求されたい、などと分類します。
自分の担当予算については、前年度の予算査定で漏れたもの、必要性などを明記して、班内、課内、部内での審議を行います。ここまでで、相当な労力を使います。それぞれの部署で、必要性を説明し、可能性について聞かれ、分析が足りないとか、根拠を示せとか、いろいろな視点から徹底的に叩かれるのです。
100あった要望のうち、日の目を見るのは10もありません。要求できたとしても、課内、部内、幕内で削られ、省内で削られ、最終的に財務査定も厳しくて予算が通らなかった、などというのは日常茶飯事なのです。担当者なら、部隊要望を毎年読んで、実際に現場に赴いて状況を確認し、隊員の意見を聞いて、膨大な時間を充当して要求を準備するのです。それでも、財務の壁が厚く、毎年毎年胃の痛い予算要求になるのが普通なのです。
それ以外に、中期防衛力整備計画で定められた装備品等の予算要求を併せ行います。
何度も言いますが、無駄な要求など一切ありません。財務の主計担当者を現場に連れて行って説明したりし、防衛省担当者も理解してくれるのですが、財務省本省の壁は厚いのです。
酒楽はあまり期待はしていません。今次ウクライナの状況を見て、原発の状況を見て、人間というのは、実際に危機が起き、損失を受けて初めて実感できる生き物なのだと思います。
悲しいことですが、人間が死んで初めて防衛力の必要性を自覚できるのでしょう。死んでからでは遅いのですが。
岸田内閣の支持率が高止まりしているという報道が多いのですが、自民離れが水面下で進行しているという情報もあって、どちらが正しいのか判然としませんね。岸田内閣が、防衛力整備に本腰を入れ始めたのは朗報でしょうね。腰の重い岸田さんが、相当の努力をするとバイデンに約束したのですから。
問題は、財務省です。彼らは、防衛費の増大に反対はしないでしょう。多勢に無勢ですから。その代わり、財源問題に踏み込んで増税を目論むと思います。増税すれば日本の経済は死にます。ここは、赤字国債で乗り切るしかありません。それで経済が回れば、インフレと経済力の向上で、借金の負担は減るからです。岸田さん、頼みますよ。
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